テイデ山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
世界遺産 テイデ国立公園
スペイン
テイデ山に見られるエキウム・ウィルドプレッティ(ムラサキ科の固有種)
テイデ山に見られるエキウム・ウィルドプレッティ(ムラサキ科の固有種)
英名 Teide National Park
仏名 Parc national du Teide
面積 18,990ヘクタール
(緩衝地域 54,127.9ヘクタール)
登録区分 自然遺産
登録基準 (7), (8)
登録年 2007年
IUCN分類 II(国立公園)および未設定地区
公式サイト ユネスコ本部(英語)
使用方法表示

テイデ(Teide)もしくはピコ・デル・テイデ(Pico del Teide)は、カナリア諸島テネリフェ島にある、スペイン領内最高峰に当たる火山。テイデ山とその周辺は、「テイデ国立公園」(Parque nacional del Teide)という面積18900ヘクタール あまりを持つ国立公園になっており、2007年にはユネスコ世界遺産に登録された。

海抜の標高は3718メートルで、近海の海底からの高さはおよそ7500メートルであり、スペイン領内最高峰であるとともに、大西洋の島にある山としても最高峰である[1]。テネリフェ島それ自体が地球で第三位の規模を持つ火山になっていることから、テネリフェ島は世界第三位の火山島でもある、また、テネリフェは標高も火山島として世界第三位になっている[2][3]

噴火を繰り返してきた歴史と人口密集地に近いことから、国際火山学地球内部化学会によって、テイデ山は将来起こりうる自然災害に備えるための緊密な研究が要請される特定16火山(Decade Volcanoes) のひとつに指定されている。

語源[編集]

テイデという名前は、グアンチェ族の言葉で「地獄」を意味する「エチェイデ」(Echeide)に由来する。実際、現地民にとっては、テイデ山周辺は禁忌の場所と見なされてきた。神話によれば Guayota という名前の悪魔がここに住んでいた。

歴史[編集]

テイデ山の航空写真
テイデ3D

最初の頂上到達は、エドマンド・スコーリー卿 (Sir Edmund Scory) によって、1582年に達成された。

テイデは現在は活動を休止しているが、歴史上何度も噴火を繰り返してきた。最も直近の噴火は、西斜面の噴出孔から噴火した1909年のものである。歴史上甚大な被害をもたらした噴火は、1704年、1705年、1706年のものである。この時はガランチコ (Garachico) の町と主要港を壊滅させ、ほかの小さな村のいくつかも滅ぼした。1798年にも、甚大な被害をもたらした噴火は起こっている。

およそ15万年前には、記録に残っているものよりも大規模な噴火が起こったとされ、このときに標高2000メートル地点の巨大なカルデラ「ラス・カニャダス」(Las Cañadas) が形成された。このカルデラは、東西15km、南北10キロメートルに及ぶものであり、その南部の構造物である「グアハラ」(Guajara)では、絶壁が標高2100メートルから2715メートル地点まで屹立している。標高3718メートルのテイデ山頂自体も、その兄弟峰である成層火山のピコ・ビエホ(Pico Viejo, 標高3134メートル)も、ともにカルデラの北半分に位置し、この先史的な噴火に続く一連の噴火で形成されたものである。

植物相[編集]

テイデ山は、植物の固有種の多さでも特記される。例としては、エニシダの一種であるテイデエニシダ(Cytisus supranubius, Retama del Teide)、ムラサキ科の一種で3メートルにもなるEchium wildpretiiアラセイトウの一種である Erysimum scoparium などである。火山の中腹部にあたる標高1000 - 2000メートル地域には、カナリーマツ(Pino Canario)の森林が広がっている。

世界遺産[編集]

世界遺産登録では、テイデ国立公園が核心地域、コロナ森林自然公園(Corona Forestal Natural Park)が緩衝地域となった。IUCNによる分類はテイデ国立公園がII(国立公園)、テイデ天然記念物(Teide Natural Monument)が未設定(Unset)となっている[4]。今日では、最も訪問された火山景観が世界を受け取る日本富士山と一緒にまた、毎年400万人以上の観光客が世界で最も訪問された国立公園のひとつである。[5][6][7]

登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  • (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。

アクセス[編集]

火山、およびカルデラ「ラス・カニャダス」を含む周辺は、「テイデ国立公園」として保護されている。アクセスは、北東から南西へと延びる公道による。公的なバス・サービスであるTITSA(テネリフェ都市間輸送)によって、テイデ - プエルト・デ・ラ・クルスPuerto de la Cruz)間、テイデ - プラヤ・デ・ラス・アメリカスPlaya de las Americas)間のバスが、毎日運行されている。標高2356メートル地点の道端からはロープウェーが出ており、頂上近くの3555メートルまで行くことができる。ただし、頂上それ自体には、立ち入りの制限があり、立入許可証(これはサンタ・クルス・デ・テネリフェにある公園事務局で手に入る)は、頂上までの残り200メートルほどは自力で登ることを義務付けている。

国立公園内には、礼拝堂付きの国営観光ホテルがある。

Panorama from the Roques de García


脚注[編集]

  1. ^ Smithsonian Institution Global Volcanism Program: Tenerife。注記 : 現在の標高は三角測量点や他の付随的水準点のある標高3715メートルよりも3メートル高くなっている。
  2. ^ Scarth, Alwyn; Tanguy, Jean-Claude (2001). Volcanoes of Europe. Oxford University Press, 243 pp. ISBN 0-19-521754-3
  3. ^ en:List of islands by highest pointによれば、マウイ島ロス島ロンボク島に次ぐ第四位である
  4. ^ http://www.unep-wcmc.org/sites/wh/teide.htm
  5. ^ Teide, patrimonio de la Humanidad
  6. ^ Pico del Teide. TenerifeGuide
  7. ^ El Teide alza su candidatura (Periódico El Día)

外部リンク[編集]