ジョン・メリウェザー

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ジョン・メリウェザーJohn Meriwether1947年8月10日- )は、元ソロモン・ブラザーズ(Salomon Brothers)の債券トレーダー。アメリカイリノイ州シカゴ生まれ。

ノースウェスタン大学で学士号を、シカゴ大学ビジネススクールでMBAを取得。

ソロモン・ブラザーズに入社し債券トレーダーとなり、1980年代前半には国内債券取引グループのヘッドに、1988年には取締役副会長にまでのぼりつめ、将来の社長候補と目されていた。しかし、1991年に財務省の長期債券競売における不正入札が発覚し、当時ソロモンブラザーズの副会長であったメリウェザーは5万ドルの民事制裁金を支払い引責退社した。

1994年、彼の発案でコネチカット州グリニッジヘッジファンドロングターム・キャピタル・マネジメント(The Long-Term Capital Management、LTCM)を設立。LTCMはマイロン・ショールズロバート・マートンという2人のノーベル経済学賞学者を擁し、高度な数学および理論経済学的テクニックを駆使して1995年には43%、1996年には41%という高い運用成績を上げた。しかし、1998年8月に起こったロシア金融危機を発端に1998年10月破綻。

1999年にはLTCMの負債を返済し、新たにヘッジファンドJWMパートナーズ(JWM Partners)を立ち上げ、運営していたが、2007年からはじまった世界金融危機 (2007年-2010年)により大きなダメージを受け、2009年7月に閉鎖に追い込まれた。

現在は、三度目のヘッジファンドとなる、JM Advisorsを2010年に立ち上げ運営している。

備考[編集]

メリウェザー在籍時のソロモン・ブラザーズは、債券売買への定量的アプローチで巨額の収益を上げ、「キング・オブ・ウォールストリート」と呼ばれていた。

ソロモン時代には、トレーダー間で金を賭けた「うそつきポーカー」(紙幣に印刷された数字をトランプの札とみなして行うポーカー・ゲーム)では無類の強さを誇った。[1]

マネックス証券社長松本大は彼の薫陶を受けている。

参考メディア[編集]

  1. ^ マイケル・ルイス著『ライアーズポーカー』、パンローリング (2005年)、ISBN 978-4775970621

関連項目[編集]