ゴヤの名画と優しい泥棒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゴヤの名画と優しい泥棒
The Duke
監督 ロジャー・ミッシェル
脚本 リチャード・ビーン英語版
クライヴ・コールマン英語版
製作 ニッキー・ベンサム
製作総指揮 キャメロン・マクラッケン
ジェニー・ボーガーズ
アンドレア・スカルソ
ヒューゴ・ヘッペル
ピーター・スカーフ
クリストファー・バントン
出演者 ジム・ブロードベント
ヘレン・ミレン
音楽 ジョージ・フェントン
撮影 マイク・エリー
編集 クリスティーナ・ヘザーリントン
製作会社 パテ
配給 イギリスの旗 ワーナー・ブラザース[1]
日本の旗 ハピネットファントム・スタジオ
公開 イギリスの旗 2022年2月25日[2]
日本の旗 2022年2月25日[3]
上映時間 95分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
興行収入 イギリスの旗 $6,472,735[4]
世界の旗 $14,293,289[4]
日本の旗 1億2000万円[5]
テンプレートを表示

ゴヤの名画と優しい泥棒』(ゴヤのめいがとやさしいどろぼう、The Duke)は、2020年イギリスコメディ映画ロジャー・ミッシェル監督の長編劇映画の遺作で[6]、出演はジム・ブロードベントヘレン・ミレンなど。

1961年ロンドンナショナル・ギャラリーからフランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵英語版」が盗まれた事件の裏に隠された真相を、犯人と名乗り出た男とその家族の視点からユーモラスに描く[7]。製作総指揮のクリストファー・バントンは、事件の犯人ケンプトン・バントンの孫である[8]

ストーリー[編集]

フランシスコ・デ・ゴヤ作「ウェリントン公爵英語版

1961年、イギリスのニューカッスル・アポン・タイン。タクシー運転手を勤める60歳のケンプトン・バントンは、妻ドロシーと次男ジャッキーと小さなアパートで年金暮らしをしているが、一方では孤独な高齢者のために公共放送BBCの受信料無料化を求める活動に熱心に取り組んでいた。自分はまだ払う能力があるが、視聴を諦める貧しい老人たちの為に戦い、未払いの罪で13日間、収監されるケンプトン。

そんな時、ジャッキーがロンドンナショナル・ギャラリーからゴヤ作の絵画「ウェリントン公爵」を盗み出した。ジャッキーは絵画の発見者として報奨金を得るつもりだったが、全ての罪を被って絵画を自宅に隠すケンプトン。彼には窃盗という意識はなく、絵画の価値と同じ14万ポンドを慈善事業に寄付せよという匿名の要求書を送付した。

ケンプトンのアパートに転がり込む長男と、その恋人パメラ。隠した絵画の秘密に気づいたパメラは、ケンプトンに報奨金の山分けを要求した。絵画はあくまで借りたものと信じているケンプトンは、直ちにナショナル・ギャラリーに向かい、絵画を返却した。

窃盗罪で裁判にかけられるケンプトン。10年の刑も覚悟していたが、善意の塊のようなケンプトンの主張は世間の注目を浴びた。絵画の窃盗では無罪を勝ち取り、外して紛失した額縁の窃盗罪で3ヶ月の服役を言い渡されるケンプトン。イギリスで高齢者のテレビ視聴が無料になるのは、2000年になってのことだった。

キャスト[編集]

作品の評価[編集]

Rotten Tomatoesによれば、142件の評論のうち高評価は97%にあたる138件で、平均点は10点満点中7.5点、批評家の一致した見解は「ロジャー・ミッシェル監督の素敵な遺作となった『ゴヤの名画と優しい泥棒』は、ありえないような面白い実話を素晴らしい演技で魅力的にドラマ化している。」となっている[9]Metacriticによれば、35件の評論のうち、高評価は29件、賛否混在は6件、低評価はなく、平均点は100点満点中74点となっている[10]

出典[編集]

  1. ^ Yossman, K.J. (2021年6月7日). “Warner Bros, Pathé Strike U.K. Distribution Deal” (英語). Variety. https://variety.com/2021/film/news/warner-bros-entertainment-u-k-pathe-distribution-1234989963/ 2021年6月7日閲覧。 
  2. ^ Pathé UK [@patheuk] (2021年7月22日). "THE DUKE will be released in cinemas in Spring 2022" (英語). X(旧Twitter)より2022年2月25日閲覧
  3. ^ “ロジャー・ミッシェル監督の長編遺作『ゴヤの名画と優しい泥棒』来年2月公開”. cinemacafe.net. (2021年10月29日). https://www.cinemacafe.net/article/2021/10/29/75504.html 2022年2月25日閲覧。 
  4. ^ a b The Duke” (英語). Box Office Mojo. 2022年8月28日閲覧。
  5. ^ 『キネマ旬報』2023年3月下旬特別号 p.46
  6. ^ “ロジャー・ミッシェル監督、生前の貴重なインタビュー映像公開 長編遺作「ゴヤの名画と優しい泥棒」”. 映画.com. (2022年2月16日). https://eiga.com/news/20220216/17/ 2022年2月25日閲覧。 
  7. ^ Sillito, David (2022年2月25日). “The Duke: Why my family stole a masterpiece portrait” (英語). BBC News. https://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-60413468 2022年2月25日閲覧。 
  8. ^ “実際にあった名画盗難事件の真相を描く「ゴヤの名画と優しい泥棒」 自ら映画化に動いた“犯人”の孫に聞く”. 映画.com. (2022年2月25日). https://eiga.com/news/20220225/12/ 2022年2月25日閲覧。 
  9. ^ "The Duke". Rotten Tomatoes (英語). 2022年8月28日閲覧
  10. ^ "The Duke" (英語). Metacritic. 2022年8月28日閲覧。

外部リンク[編集]