オイラー線

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オイラー線(オイラーせん、Euler - )は、三角形外心重心垂心を通る直線であり、その名称は存在を見出した数学者レオンハルト・オイラーに由来している。

概要[編集]

オイラー線(赤い線)

上の図の三角形において、

  • 青の線の交点が垂心
  • 黄色の線の交点が重心
  • 緑の線の交点が外心

これらの点を通る赤い線がオイラー線である。

外心 O ・重心 G ・垂心 H の間には常に、2OG = GH の関係が成り立っている。

直線の存在の証明[編集]

この3点が同一直線上にあることを証明する方法を何通りか挙げる。

解析的方法
三角形を座標平面上に置き、3点の座標を求めて同一直線上にあることを示す。
幾何学的方法
外心と垂心を結ぶ線と中線の交点が重心であることを示す。
三角形を重心を中心として2倍に拡大したとき、外心の移動先が元の三角形の垂心であることを示す。
ベクトルを使用する方法
AH = OB + OC, G = (A + B + C)/3 等を利用する。
三線座標・重心座標を用いる方法
外心・重心・垂心を上記の座標で表し、その行列式が 0 になることを示す。

線上の特殊な点[編集]

オイラー線上にある外心・重心・垂心以外の重要な点をいくつか挙げる。

九点円の中心
三角形において、
  • 3辺の中点
  • 3つの頂点から対辺に下ろした垂線の足
  • 垂心と頂点との中点
これら9点を通る九点円と呼ぶ。この円の中心は外心と垂心の中点に当たる。
ド・ロンシャン点
外心に対して垂心と対称的な位置にある点をド・ロンシャン点という。この点を L とおくと、
AL2 - BC2 = BL2 - CA2 = CL2 - AB2
が成り立つ。

特殊な三角形のオイラー線[編集]

直角三角形
直角三角形のオイラー線は、直角である頂点と斜辺の中点を結ぶ線となる。これは外心が斜辺の中点であることと垂心が頂点であることから容易に分かる。
二等辺三角形
二等辺三角形のオイラー線は、頂角の中線となる。これはこの直線が以下のすべて性質を持つため、外心・重心・垂心がこの直線上に来るからである。
また、4つ目の性質から、内心も同一線上にあることが分かる。
正三角形
外心・重心・垂心が一致するため、オイラー線は定義できない。
傍心三角形
三角形の3つの傍心が作る三角形を傍心三角形と呼ぶ。この三角形のオイラー線は、元の三角形の外心と内心を結ぶ直線となる。