アンビオリクス (競走馬)

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アンビオリクス
欧字表記 Ambiorix II
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1946年[1]
死没 1975年1月[1]
Tourbillon
Lavendula
母の父 Pharos
生国 フランスの旗 フランス
生産者 Haras de Fresnay-le-Buffard
馬主 Marcel Boussac[1]
調教師 Charles Henri Semblat(フランス)[1]
競走成績
生涯成績 7戦4勝 (4-2-0-1)[1]
獲得賞金 4,638,600フラン
832ポンド
勝ち鞍 グランクリテリウム、リュパン賞
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アンビオリクスAmbiorix II1946年 - 1975年)はフランス生まれの競走馬及び種牡馬である。トウルビヨン産駒であり、競走馬としてグランクリテリウムなどに優勝し、種牡馬入り後はアメリカ合衆国に輸出され、同国のリーディングサイアーに輝いた。1940年生の同名の別馬がいたため、しばしばアンビオリクスIIと呼ばれる[2]

出自[編集]

アンビオリクスはマルセル・ブサック所有のフレスネルビュファール牧場で生まれており、父トウルビヨンは仏リーディングサイアーであり、母ラヴェンデュラはファロス産駒であり、アンビオリクスのほかにターントゥの母ソースサクリー (Source Sucree) やマイバブーの母パフューム(Perfume II)などを産んでいる。

競走馬時代[編集]

アンビオリクスはコロネーションなどと同じようにシャルル・センブラのもとで調教を受けており、2400メートル前後のヨーロッパクラシックディスタンスよりも1600メートルから2000メートルの中距離で活躍した。

1948年 (2歳時)[編集]

シャトゥー賞でデビューしたが、着外に終わった。渡英したグッドウッドのセルシーステークスで楽勝し初勝利を上げた後に、フランスの2歳最重要レースであるグランクリテリウムに優勝し、3戦2勝の成績で最優秀2歳牡馬に選出された。

1949年 (3歳時)[編集]

3歳時はサンクルーグレフュール賞及びロンシャンリュパン賞に勝利し、オカール賞及びジョッケクルブ賞で2着に入った。勝ち星はいずれも2000m戦であった。

種牡馬時代[編集]

競走馬引退後、距離適性からヨーロッパよりもアメリカの競馬で真価を発揮すると考えたマルセル・ブサックは250,000ドルでアンビオリクスをシンジケートに売り渡し、アンビオリクスはアーサー・ハンコックのクレイボーンファームで種牡馬入りした[1]。生涯で51頭のステークスウィナーを輩出し、1961年には北米リーディングサイアーに輝いた。また、リボー産駒のラグーサの活躍により1963年には英愛リーディングブルードメアサイアーにも輝いた。

1972年に種牡馬を引退、その後老衰のため1975年に安楽死の処置がとられた。29歳であった。遺骸はクレイボーンファームの墓地に埋葬されている[1]

主な産駒[編集]

  • Pleasure Seeker (USA,1966,鹿毛) - 1970 ハリウッドゴールドカップ
  • Prego (USA,1959,黒鹿毛) - 1962 フラミンゴステークス
  • High Voltage (USA,1952,芦毛) - 1954年アメリカ2歳牝馬チャンピオン、1954 メイトロンステークス、1955 エイコーンステークス、コーチングクラブアメリカンオークスなど45戦13勝
  • Cordially (USA,1962,鹿毛) - 1965 マザーグースステークス
  • Rash Statement (USA,1957,黒鹿毛) - 1960スピンスターステークス
  • Make Sail (USA,1957,黒鹿毛) - 1960 アラバマステークス、ケンタッキーオークス
  • Pinjara (USA,1965,鹿毛) - 1969 センチュリーハンデキャップ
  • Ambiopoise (USA,1958,鹿毛) - 1961 ジャージーダービー、ゴーサムステークス
  • Sarcastic (USA,1957,鹿毛) - 1960 ガゼルハンデキャップ
  • Fortunate Isle (USA,1959,黒鹿毛) - 1963 ミレイディハンデキャップ
  • ヒッティングアウェー (USA,1958,鹿) - 1961 ウィザーズステークス、ドワイヤーステークス、1962 イクセルシアハンデキャップなど52戦13勝 ※母Striking
  • Amri-an (USA,1958,黒鹿毛) - 1960 デルマーデビュタントステークス
  • Amber Morn (USA,1956,黒鹿毛) - 1960 ボーリンググリーンハンデキャップ
  • Ambehaving (USA,1954,黒鹿毛) - 1956 レムゼンステークス
  • Full Flight (USA,1951,鹿毛) - 1954 サラナクハンデキャップ
  • Rehabilitate (USA,1963,鹿毛) - 1967 サンマルコスハンデキャップ
  • No Resisting (USA,1960,鹿毛) - 1964 ヴェイグランシーハンデキャップ
  • King Grail (1953) - 1956 ヴェントナーハンデキャップ
  • Ambler (USA,1951,鹿毛) - 1954 英国ブルーリバンドトライアルステークス

母の父として[編集]

  • Ragusa (GB,1960,鹿毛,Ribot) - 1963 アイリッシュダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、セントレジャーステークス、1964 エクリプスステークス
  • Poleax (USA,1965,鹿毛,The Axe) - 1968 ハリウッドダービー
  • Trojan Bronze (USA,1971,黒鹿毛,Tobin Bronze) - 1975 サンルイレイステークス
  • Captain's Gig (USA,1965,黒鹿毛,Turn-to,母Make Sail) - 1967 フューチュリティステークス
  • Great Power (USA,1964,黒鹿毛,Bold Ruler,母High Voltage) - 1966 サプリングステークス
  • ステューペンダス (USA,1963,青毛,Bold Ruler) - 1967 ホイットニーステークス
  • Bold and Brave (USA,1963,黒鹿毛,Bold Ruler) -1966 ジェロームハンデキャップ
  • King of the Castle (USA,1966,鹿毛,Bold Ruler) - 1969 ルイジアナダービー
  • Impressive (USA,1963,黒鹿毛,Court Martial,母High Voltage) - 1965 サラトガスペシャルステークス
  • Selari (USA,1962,鹿毛,Prince John) - 1966 グレイラグハンデキャップ
  • クレアーブリッジ (USA,1967,鹿毛,Quadrangle) - 繁殖牝馬

血統表[編集]

アンビオリクス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 トウルビヨン系
[§ 2]

Tourbillon
1928 鹿毛
父の父
Ksar
1918 栗毛
Bruleur Chouberski
Basse Terre
Kizil Kourgan Omnium
Kasbah
父の母
Durban
1918 鹿毛
Durbar Rabelais
Armenia
Banshee Irish Lad
Frizette

Lavendula
1930 黒鹿毛
Pharos
1920 黒鹿毛
Phalaris Polymelus
Bromus
Scapa Flow Chaucer
Anchora
母の母
Sweet Lavender
1923 栗毛
Swynford John o'Gaunt
Canterbury Pilgrim
Marchetta Marco
Hettie Sorrel
母系(F-No.) (FN:1-w) [§ 3]
5代内の近親交配 Omnium S4×S5、Canterbury Pilgrim M4×M5、St. Simon S5×M5 [§ 4]
出典
  1. ^ [3], [4]
  2. ^ [4]
  3. ^ [3], [4]
  4. ^ [3], [4]


脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g Avalyn Hunter. “Ambiorix (FR)”. American Classic Pedigrees. 2022年6月7日閲覧。
  2. ^ Sir Charles Leicester (1969). Bloodstock Breeding. J.A. Allen & Co, London 
  3. ^ a b c 血統情報:5代血統表|Ambiorix(FR)”. JBISサーチ. 2022年6月7日閲覧。
  4. ^ a b c d Ambiorixの血統表”. netkeiba.com. 2022年6月7日閲覧。

外部リンク[編集]