「フレンチ・ブルドッグ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
左脳 (会話 | 投稿記録)
タグ: 取り消し
Yew Ka (会話 | 投稿記録)
特徴の追加
10行目: 10行目:
[[ファイル:Franse buldog.jpg|thumb|French bulldog]]
[[ファイル:Franse buldog.jpg|thumb|French bulldog]]
がっしりとした体つきの、極めて鼻が短い小型犬である。特徴的なのはコウモリが羽を広げたような耳で、'''バット・イア'''と呼ばれる。尾は通常短く、ほとんど振る事はできない。後述する'''パイド'''の個体は、時に[[ボストン・テリア]]と混同される場合があり、現在では血統書を発行するにあたり、フレンチ・ブルドッグかボストン・テリアかを[[DNA鑑定]]することがあるらしい。利口で愛情深い性格である。ヘルニア・聴覚障害・[[白内障]]にかかりやすい。体高28~33cm、平均体重11kg。
がっしりとした体つきの、極めて鼻が短い小型犬である。特徴的なのはコウモリが羽を広げたような耳で、'''バット・イア'''と呼ばれる。尾は通常短く、ほとんど振る事はできない。後述する'''パイド'''の個体は、時に[[ボストン・テリア]]と混同される場合があり、現在では血統書を発行するにあたり、フレンチ・ブルドッグかボストン・テリアかを[[DNA鑑定]]することがあるらしい。利口で愛情深い性格である。ヘルニア・聴覚障害・[[白内障]]にかかりやすい。体高28~33cm、平均体重11kg。

・フレンチブルドッグの個性的な姿かたちは、自然にできあがったものではなく、人が'''人為的な交配'''によって作り上げたものである。先祖のルーツは、1850年代のToy Bulldog of Britainに起因する<ref>{{Cite book|title=Bulldog|url=http://dx.doi.org/10.1093/gmo/9781561592630.article.j529400|publisher=Oxford University Press|date=2003}}</ref>。ペットとしての人気のに伴い、2000年に入り、繁殖頭数が急増してきている 。繁殖数の急増と共に、フレンチ・ブルドッグの健康被害が近年顕著化しつつある。2013年にイギリスで獣医にかかったフレンチブルドッグたち(総勢2228匹)が、どのような疾患を持っていたの統計では、72.6%もの犬たちに、少なくともひとつ以上の治療が必要な病気が認めた。他の犬種では、その割合は27.6%であるので、やはり有意に病気になり易かった。また、何らかの生涯に渡っての治療が必要な病気を患う平均年齢が、フレンチブルドックの場合 1.3歳、他の犬種は4.5歳で、有意な差だと報告している。最も罹患率が高かったのが'''皮膚の病気'''である(17.9%)。これは不自然な肌のたるみに起因するのではないかと言われている。また、12.7%のフレンチブルドッグが、'''重篤な呼吸障害(短頭種気道症候群)'''を発症していた。'''小さな鼻'''と'''短い頭'''によって気道に弊害がでやすいのである。他にも'''眼病'''、'''下痢症'''、'''耳感染症'''などにかかりやすいことがわかった。<ref>{{Cite journal|last=O’Neill|first=Dan G.|last2=Baral|first2=Lauren|last3=Church|first3=David B.|last4=Brodbelt|first4=Dave C.|last5=Packer|first5=Rowena M. A.|date=2018-05-03|title=Demography and disorders of the French Bulldog population under primary veterinary care in the UK in 2013|url=https://doi.org/10.1186/s40575-018-0057-9|journal=Canine Genetics and Epidemiology|volume=5|issue=1|pages=3|doi=10.1186/s40575-018-0057-9|issn=2052-6687|pmid=29750111|pmc=PMC5932866}}</ref>

・ブルドッグの遺伝子を初めて完全に解析した研究の結果では、ブルドッグの遺伝的多様性がきわめて低いことが明らかになった。遺伝的多様性が低い理由の一つは、現代のブルドッグがわずか68匹の集団から始まっていると見られることだ。こうした小さな遺伝子プール(多様性)からスタートして、つぶれた顔、ずんぐりした体、だぶついた皮膚になるよう選択的に交配が重ねられたブルドッグは、さらに多様性を失ってしまった。遺伝的多様性の低下により、さらに交配を重ねると、疾患が急増するかもしれないと報告されている。<ref>{{Cite journal|last=Liu|first=Hongwei|last2=Pooch|first2=Ashley S.|last3=Pedersen|first3=Niels C.|date=2016/12|title=A genetic assessment of the English bulldog|url=https://cgejournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40575-016-0036-y|journal=Canine Genetics and Epidemiology|volume=3|issue=1|pages=1–16|language=en|doi=10.1186/s40575-016-0036-y|issn=2052-6687|pmid=27478618|pmc=PMC4965900}}</ref>


== 飼育特性 ==
== 飼育特性 ==

2019年8月22日 (木) 03:34時点における版

フレンチ・ブルドッグ

フレンチ・ブルドッグの品種の一つ。

18世紀イギリスの織物職人がフランスに渡った時、一緒に連れて行ったブルドッグが元となり、パグテリアとの交配で誕生した。

日本には大正時代に紹介され、昭和初期には数多く飼育された。その後日本での人気は衰えたが、2000年代に入ってから人気が復活している。

特徴

French bulldog

がっしりとした体つきの、極めて鼻が短い小型犬である。特徴的なのはコウモリが羽を広げたような耳で、バット・イアと呼ばれる。尾は通常短く、ほとんど振る事はできない。後述するパイドの個体は、時にボストン・テリアと混同される場合があり、現在では血統書を発行するにあたり、フレンチ・ブルドッグかボストン・テリアかをDNA鑑定することがあるらしい。利口で愛情深い性格である。ヘルニア・聴覚障害・白内障にかかりやすい。体高28~33cm、平均体重11kg。

・フレンチブルドッグの個性的な姿かたちは、自然にできあがったものではなく、人が人為的な交配によって作り上げたものである。先祖のルーツは、1850年代のToy Bulldog of Britainに起因する[1]。ペットとしての人気のに伴い、2000年に入り、繁殖頭数が急増してきている 。繁殖数の急増と共に、フレンチ・ブルドッグの健康被害が近年顕著化しつつある。2013年にイギリスで獣医にかかったフレンチブルドッグたち(総勢2228匹)が、どのような疾患を持っていたの統計では、72.6%もの犬たちに、少なくともひとつ以上の治療が必要な病気が認めた。他の犬種では、その割合は27.6%であるので、やはり有意に病気になり易かった。また、何らかの生涯に渡っての治療が必要な病気を患う平均年齢が、フレンチブルドックの場合 1.3歳、他の犬種は4.5歳で、有意な差だと報告している。最も罹患率が高かったのが皮膚の病気である(17.9%)。これは不自然な肌のたるみに起因するのではないかと言われている。また、12.7%のフレンチブルドッグが、重篤な呼吸障害(短頭種気道症候群)を発症していた。小さな鼻短い頭によって気道に弊害がでやすいのである。他にも眼病下痢症耳感染症などにかかりやすいことがわかった。[2]

・ブルドッグの遺伝子を初めて完全に解析した研究の結果では、ブルドッグの遺伝的多様性がきわめて低いことが明らかになった。遺伝的多様性が低い理由の一つは、現代のブルドッグがわずか68匹の集団から始まっていると見られることだ。こうした小さな遺伝子プール(多様性)からスタートして、つぶれた顔、ずんぐりした体、だぶついた皮膚になるよう選択的に交配が重ねられたブルドッグは、さらに多様性を失ってしまった。遺伝的多様性の低下により、さらに交配を重ねると、疾患が急増するかもしれないと報告されている。[3]

飼育特性

  • 毛は季節ごとに生え変わり抜け毛が多い。
  • 食欲旺盛の為肥満になりやすい。食事の管理に加え毎日、自由運動と引き運動が必要。散歩は後述にもあるとおり、長時間の必要がない。
  • 鼻のしわの間、尻尾の根元のしわの部分に汚れがたまりやすい。
  • 鼻が短い為、他の短鼻犬種同様イビキをかく個体が多い。
  • 暑さにはかなり弱く、日本では飼育には向かない場所が多い。運動のしすぎや、はしゃぎ過ぎると酸欠になり白目をむいて痙攣することがある。よって過度の運動は禁物である。体温調節が困難で、対策として首の周りに保冷剤を付けると体温が下がる。
  • 眼球が大きくやや突出しているため傷つきやすい。
  • 皮膚が敏感な個体が多い。
  • 暑さには弱い為、最近問題になった飛行機による輸送は断られる。
  • 性格は陽気で非常に利口だが、ブルドッグの頑固な一面も持ち合わせている。
  • 力が強く子供(特に幼児)は押し倒されやすい。
  • 夏や冬は特に体調管理が必要。
  • 鼻が短いため鼻水が出たり短頭種特有の病気、甲状腺異常、脊髄疾患にかかりやすい。
  • 子の頭や肩幅が大きいため出産時には帝王切開が必要。
  • 出産時の麻酔トラブルなどがあるため出産は難しい。
  • フレンチブルの中でも鼻が高い個体はイビキをかきにくい。
  • 基本的には人懐っこく甘えん坊である。

毛色

  • タイガー・ブリンドル - 最も一般的な毛色。黒地に褐色の差し毛が入る。胸部が白い場合もある。
  • ブラック・ブリンドル - ほとんど黒の単色。わずかに褐色の差し毛が入る。
  • ブルー・ブリンドル - 青みがかった灰色に褐色の斑点が入る。望ましい毛色ではない。
  • クリーム - 淡い色の単色。
  • フォーン - やや褐色で、顔が黒くなる。
  • パイド - 白地に黒の斑点が入る。斑点は左右対称で大きい方が望ましい。
  • ハニー・パイド - 白地に褐色の斑点が入る。
  • ブルー・パイド - 白地に青みがかった灰色の斑点が入る。望ましい毛色ではない。
  • ティッキング・パイド - 小さな斑点が一面に入る。望ましい毛色ではない。
  • ブラウン - 茶色の単色。公認されている毛色ではない。
  • ブラック&タン - 最も珍しい。黒に茶色の斑点が入る。公認されている毛色ではない。

著名なフレンチ・ブルドッグ

  • ミルコ - 埼玉県大宮区在住の雄。YouTubeを中心に活動しTV出演、書籍化など様々な活躍をした。2013年8月、癌のため死去。6歳没。
  • クルミ - 草彅剛の愛犬。2016年12月生まれの雌、毛色はクリーム。草彅の出演番組やSNSにたびたび登場している。2018年4月、キヤノンEOS Kiss M」のCMに竹内結子と出演している[4][5]

脚注

  1. ^ Bulldog. Oxford University Press. (2003). http://dx.doi.org/10.1093/gmo/9781561592630.article.j529400 
  2. ^ O’Neill, Dan G.; Baral, Lauren; Church, David B.; Brodbelt, Dave C.; Packer, Rowena M. A. (2018-05-03). “Demography and disorders of the French Bulldog population under primary veterinary care in the UK in 2013”. Canine Genetics and Epidemiology 5 (1): 3. doi:10.1186/s40575-018-0057-9. ISSN 2052-6687. PMC PMC5932866. PMID 29750111. https://doi.org/10.1186/s40575-018-0057-9. 
  3. ^ Liu, Hongwei; Pooch, Ashley S.; Pedersen, Niels C. (2016/12). “A genetic assessment of the English bulldog” (英語). Canine Genetics and Epidemiology 3 (1): 1–16. doi:10.1186/s40575-016-0036-y. ISSN 2052-6687. PMC PMC4965900. PMID 27478618. https://cgejournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40575-016-0036-y. 
  4. ^ 草なぎ剛の愛犬クルミ 飼い主譲りの名演、まめにケアも”. NEWSポストセブン (2018年4月27日). 2018年5月18日閲覧。
  5. ^ EOS Kiss M CM Gallery”. キヤノン EOS Kiss BRAND SITE. 2018年5月18日閲覧。

外部リンク