コンテンツにスキップ

鳥居維

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鳥居 維
別名
  • 鳥居 ツナ
  • 鳥居 つな
  • 鳥居 維子
  • 鳥居 つな子
生誕 1886年4月11日[1][2]
日本の旗 日本 愛知県[3]
死没 (1966-09-14) 1966年9月14日(80歳没)[2]
学歴 東京音楽学校本科器楽部卒業[3]
東京音楽学校研究科器楽部修了[4]
ジャンル クラシック音楽邦楽
職業 ヴァイオリニスト作曲家、音楽教師

鳥居 維(とりい つな、1886年4月11日 - 1966年9月14日)は、日本のヴァイオリニスト作曲家、音楽教師。

経歴

[編集]

愛知県出身。1906年7月に東京音楽学校本科器楽部を卒業[3]1909年9月に同校研究科器楽部ヴァイオリン専攻を修了した[4]安藤幸アレクサンドル・モギレフスキーに師事[5]。1906年9月から1944年3月まで東京音楽学校の器楽部ヴァイオリン専攻の音楽教師を務め、1912年4月に教務嘱託、1919年4月に講師、1929年6月に助教授、1934年11月に教授となった。1930年から1941年まで同校管弦楽部員(ヴァイオリン)[6]。大日本作曲家協会員および大日本音楽協会員[5]

邦楽に通じ、三味線楽譜の著作がある[1]1924年から1926年まで日本舞踊花柳流の花柳舞踊研究会(第2回から第6回)に作曲家、ヴァイオリニストとして参加[7]。同研究会で知り合った舞踊家の初代花柳寿美とともに、1926年から音楽と舞踊の会である曙会を主宰した[1][8]1929年長唄三味線方の今藤綾子に楽理を教え、共同で創作活動をした[9]

作品

[編集]

歌曲

[編集]

ピアノ独奏曲

[編集]

舞踊音楽

[編集]
  • 蜘蛛と蝶(5代目福原百之助 調、繁岡鑒一 衣装・舞台、三味線のための作品)[14][15]
  • 新日本音楽 春信幻想曲(町田佳声との共作、ヴァイオリン、2挺の三味線、箏、篠笛との管楽四重奏のための[16]/ヴァイオリンと4挺の三味線のための作品[17][14][18]
  • 杜若(ヴァイオリンと4挺の三味線のための作品)[19]
  • 舞踊詩曲 秋(ヴィオラ独奏、三味線と虫笛などのための作品)[20][21]
  • 長唄調 槍持(北原白秋 詞)[20][22]
  • 何所へ(ヴァイオリンと三味線のための作品)[23][24]

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c 音楽年鑑 1941.
  2. ^ a b 東京芸術大学百年史 東京音楽学校篇 第2巻 2003, p. 1567.
  3. ^ a b c 東京音楽学校一覧 1910, p. 127, 第10部第1章 卒業生氏名.
  4. ^ a b 東京音楽学校一覧 1910, p. 149, 第10部第2章 修了生氏名.
  5. ^ a b レコード音楽技芸家銘鑑 1940.
  6. ^ 東京芸術大学百年史 東京音楽学校篇 第2巻 2003, pp. 1584, 1596, 1613, 1637.
  7. ^ 花柳舞踊研究会 1935, pp. 1–4, 花柳舞踊研究会 記録.
  8. ^ 西国領君嘉『吾妻流の再興と展開 : 初代吾妻徳穂の舞踊活動を中心に』(博士(音楽)論文・音楽研究科 音楽専攻)東京藝術大学、2015年3月25日。学位授与番号: 甲第759号https://ci.nii.ac.jp/naid/500001012762 
  9. ^ 今藤 綾子”. コトバンク. 新撰 芸能人物事典 明治 - 平成. 2020年1月3日閲覧。
  10. ^ 音楽 第2巻 1938, p. 5, ほのぼのと・後鳥羽天皇御製・鳥居ツナ.
  11. ^ 音楽 第2巻 1938, pp. 6–7, 今さくら・式子内親王・鳥居ツナ.
  12. ^ 音楽 第2巻 1938, p. 6, 山里の・能因法師・鳥居ツナ.
  13. ^ 大日本作曲家協会 編 編「祭禮の幻想 鳥井ツナ」『日本作曲年鑑 昭和16年度』共益商社書店、1943年、132-141頁。 
  14. ^ a b 花柳舞踊研究会 1935, p. 1, 第2回 1924年9月.
  15. ^ 花柳舞踊研究会 1935, 蜘蛛と蝶.
  16. ^ 花柳舞踊研究会 1935, 春信幻想曲.
  17. ^ 新日本音楽;春信幻想曲(一)”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 国立国会図書館. 2020年1月4日閲覧。
  18. ^ 花柳舞踊研究会 1935, p. 4, 第6回 1926年11月.
  19. ^ 花柳舞踊研究会 1935, p. 2, 第3回 1925年3月.
  20. ^ a b 花柳舞踊研究会 1935, p. 3, 第4回 1925年11月.
  21. ^ 花柳舞踊研究会 1935, .
  22. ^ 花柳舞踊研究会 1935, 槍持.
  23. ^ 花柳舞踊研究会 1935, p. 4, 第5回 1926年5月.
  24. ^ 花柳舞踊研究会 1935, 何所へ.

参考文献

[編集]
  • 東京音楽学校一覧 従明治四十三年 至明治四十四年』東京音楽学校、1910年。NDLJP:813020https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/813020/105 
  • 『花柳舞踊研究会上演記念画集』花柳舞踊研究会、1935年。NDLJP:1235810 
  • 島田芳文 編「鳥居 維」『レコード音楽技芸家銘鑑』 昭和15年版、レコード世界社、1940年、307頁。NDLJP:1056525https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1056525/168 
  • 大日本音楽協会 編「鳥居 維」『音楽年鑑』 昭和16年度、共益商社書店、1941年、198頁。NDLJP:1109457https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1109457/131 
  • 東京芸術大学百年史編集委員会 編『東京芸術大学百年史 東京音楽学校篇 第2巻』音楽之友社、2003年。ISBN 978-4-2760-0615-7 
  • 乗杉嘉壽 編『音楽 : 伴奏附』 第2巻、帝国書院、1938年。NDLJP:1121216