磁気定数
磁気定数 magnetic constant | |
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値 | 1.25663706212(19)×10−6 N⋅A−2[1] |
相対標準不確かさ | 1.5×10−10 |
磁気定数(じきていすう、英語: magnetic constant)とは、磁気的な場を関係付ける構成方程式の係数として表れる物理定数である。磁気定数は真空の透磁率(permeability in vacuum, permeability in freespace)とも呼ばれるが、透磁率は磁場に対する磁性体の応答を表す物性量であり、真空は磁性体ではないため磁気定数は透磁率ではない。磁性体の物性は、磁気定数に対する透磁率の比である比透磁率が表現する。 記号は μ0 が用いられる。 電磁気量の体系には歴史的に幾つかの流儀があり、量体系の選択によっては表れない定数である。
国際単位系(SI)における値は
μ0 = 1.25663706212(19)×10−6 N⋅A−2
現在はSIの定義の変更に伴って、その値は上記のように不確かさを持つ測定値であるが、かつてはアンペアの定義に基づいた不確かさのない定義値
4π × 10−7 N⋅A−2 = 1.25663706143...×10−6 N⋅A−2
であった。現在の測定値とかつての定義値の比は
{μ0}/4π×10−7 = 1.00000000054(15)
である。
概要[編集]
磁気的な場としては、電流に力を及ぼす場である磁束密度 B と、電流が周囲につくる場である磁場の強度 H がある。これら二つの場は由来は異なるが磁化 M を介して構成方程式で関係付けられ、ISQにおいては
で関係付けられる[3]。この係数が磁気定数である。一方、ガウス単位系が基づく量体系においては構成方程式が
で表されるので[3]、磁気定数は現れない(磁気定数が μ0 = 1 に固定されている)。
出典[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- “7.Electromagnetic relations” (PDF). 2016 Review of Particle Physics. Reviews, Tables & Plots. Particle Data Group. 2017年5月4日閲覧。
- “CODATA Value: vacuum magnetic permeability”. NIST. 2019年6月16日閲覧。