「腹腔鏡手術」の版間の差分

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[[腹部]]に3~15ミリ程度の穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡や専用の手術[[器具]]を挿入し、[[モニター]]に映し出される腹腔内の様子を[[観察]]しながら手術を行う方法で、開腹手術よりも[[患者]]の[[肋骨]]を切断する必要も無く身体的負担が少なく、回復も早い反面、高度な[[技術]]が必要とされる。手術の種類にもよるが、高難度の腹腔鏡手術では、開腹手術を選んだ方が[[死亡率]]が低くなる可能性がある<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23H4K_T20C15A3000001/ 腔鏡の肝臓手術死亡率、保険適用外5倍 学会調査]日本経済新聞</ref>。
[[腹部]]に3~15ミリ程度の穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡や専用の手術[[器具]]を挿入し、[[モニター]]に映し出される腹腔内の様子を[[観察]]しながら手術を行う方法で、開腹手術よりも[[患者]]の[[肋骨]]を切断する必要も無く身体的負担が少なく、回復も早い反面、高度な[[技術]]が必要とされる。手術の種類にもよるが、高難度の腹腔鏡手術では、開腹手術を選んだ方が[[死亡率]]が低くなる可能性がある<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23H4K_T20C15A3000001/ 腔鏡の肝臓手術死亡率、保険適用外5倍 学会調査]日本経済新聞</ref>。


腹腔鏡手術は開腹手術に比較し傷は小さく、美容面に優れるといった利点をもつ一方で、患部直接掴んだ感が伝わらないため過剰な力が加わって傷つけてしまう危険性や、平面ディスプレイに拡大された画面を見ながら行うので、遠近感が掴み難いなど<ref>[http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/surg1.dir/html/shinryo/laparoscopy.html 腹腔鏡下手術]</ref>特殊な環境下で行う手術であるため技術的に難しく、[[合併症]]も開腹手術に比較しておこりやすい傾向にあるとの見方がある<ref>[http://www.nerima-hosp.or.jp/sanfujinka/index.html 婦人科腹腔鏡手術のご案内]</ref>。そのため、遠近感のない平面[[ディスプレイ]]の欠点を補うべく[[内視鏡手術]](腹腔鏡手術など)向けに[[3D]]対応[[内視鏡]]と3D[[ヘッドマウント]]・ディスプレイを用いる[[システム]]も開発されてきている<ref>[http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130724/293920/?ST=ndh 内視鏡手術向けに3Dヘッドマウント・ディスプレイを用いるシステムを発売]日経デジタルヘルス</ref>。
腹腔鏡手術は開腹手術に比較し傷は小さく、美容面に優れるといった利点をもつ一方で、患部直接触ないことや、平面ディスプレイに拡大された画面を見ながら行うので、遠近感が掴み難いなど<ref>[http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/surg1.dir/html/shinryo/laparoscopy.html 腹腔鏡下手術]</ref>特殊な環境下で行う手術であるため技術的に難しく、[[合併症]]も開腹手術に比較しておこりやすい傾向にあるとの見方がある<ref>[http://www.nerima-hosp.or.jp/sanfujinka/index.html 婦人科腹腔鏡手術のご案内]</ref>。そのため、遠近感のない平面[[ディスプレイ]]の欠点を補うべく[[内視鏡手術]](腹腔鏡手術など)向けに[[3D]]対応[[内視鏡]]と3D[[ヘッドマウント]]・ディスプレイを用いる[[システム]]も開発されてきている<ref>[http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130724/293920/?ST=ndh 内視鏡手術向けに3Dヘッドマウント・ディスプレイを用いるシステムを発売]日経デジタルヘルス</ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2019年4月23日 (火) 11:13時点における版

腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ 英:Laparoscopic surgery)とは、内視鏡器具を体表皮膚より腹腔内へ挿入して行う手術技法のこと。腹腔鏡の下で行うので、腹腔鏡下手術とも呼ばれる[1]

概要

腹腔鏡とは内視鏡(小型カメラ)の1つで、内視鏡を体内(腹腔)に入れて手術するため、腹腔鏡手術と呼ばれる。 同じ内視鏡でも、体のどの部位に入れるかによって、名前が変わる。例えば、に入れて、の手術をするときは「胸腔鏡(きょうくうきょう)下手術」、関節などで手術するときは「関節鏡(かんせつきょう)下手術」という名前になる[2]
腹腔鏡下手術は直径1cmほどのカメラを用いて行う[3]ので、手術の際見える視野が限られている為、内臓脂肪が多かったり、胆嚢がんが疑われる場合、腹部手術の既往など癒着のはげしい場合は初めから開腹手術になったり、手術の途中から開腹手術に移行する場合もある。 腹部に3~15ミリ程度の穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡や専用の手術器具を挿入し、モニターに映し出される腹腔内の様子を観察しながら手術を行う方法で、開腹手術よりも患者肋骨を切断する必要も無く身体的負担が少なく、回復も早い反面、高度な技術が必要とされる。手術の種類にもよるが、高難度の腹腔鏡手術では、開腹手術を選んだ方が死亡率が低くなる可能性がある[4]

腹腔鏡手術は開腹手術に比較し傷は小さく、美容面に優れるといった利点をもつ一方で、患部に直接触れられないことや、平面ディスプレイに拡大された画面を見ながら行うので、遠近感が掴み難いなど[5]特殊な環境下で行う手術であるため技術的に難しく、合併症も開腹手術に比較しておこりやすい傾向にあるとの見方がある[6]。そのため、遠近感のない平面ディスプレイの欠点を補うべく内視鏡手術(腹腔鏡手術など)向けに3D対応内視鏡と3Dヘッドマウント・ディスプレイを用いるシステムも開発されてきている[7]

関連項目

脚注

外部リンク