「ジュール熱」の版間の差分

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ジュール熱の量は、抵抗と電流の二乗の積に[[比例]]する。

これは[[イギリス]]の[[物理学者]] [[ジェームズ・プレスコット・ジュール]]が実験によって発見した物理法則で、'''ジュールの法則'''(ジュールのほうそく)と呼ばれる。
これは[[イギリス]]の[[物理学者]] [[ジェームズ・プレスコット・ジュール]]が実験によって発見した物理法則で、'''ジュールの法則'''(ジュールのほうそく)と呼ばれる。



2006年5月13日 (土) 15:25時点における版

ジュール熱(ジュールねつ)は、電流のはたらきによって生じる

ジュールの法則

電気抵抗 R [Ω] の物体に、I [A] の電流t 間流したときに発生する熱量、すなわちジュール熱の量 H [J] は、

H = R I² t

となる。 ジュール熱の量は、抵抗と電流の二乗の積に比例する。

これはイギリス物理学者 ジェームズ・プレスコット・ジュールが実験によって発見した物理法則で、ジュールの法則(ジュールのほうそく)と呼ばれる。

ジュール熱の利用

ジュール熱の大きさは、抵抗に印加する電力によって変化させることができる。 制御が容易であるため、古くから暖房や調理器具などに利用されている。

ジュール熱の抑制

ジュール熱を利用した機器が多く存在する一方で、ジュール熱の発生が歓迎されない機器も存在する。 すなわち、発生した熱を利用することを目的としない機器である。

一例を挙げると、電動機発電機変圧器照明器具半導体製品などである。

こうした機器においてジュール熱は損失として見なされる。 発生した熱をいかに最小限に抑えるか、そしていかに逃がすかが設計の急所である。

機器だけでなく、配線に用いる電線にも抵抗が存在しており、ジュール熱は発生する。 電線路における電力損失の有効分はジュール熱によるものである。 発生した熱量があまりにも大きいと、電線路は溶けて断たれてしまう。 したがって、電線の仕様として許容電流が定められている。

参考文献

  • 加地正義『標準 電気基礎(上)』オーム社、1994年。

関連項目