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'''テリハノイバラ'''(照葉野茨、学名:''Rosa luciae'')は、[[バラ科]][[バラ属]]の[[落葉]][[つる性]][[低木]]。
'''テリハノイバラ'''(照葉野茨、学名:''Rosa luciae'')は、[[バラ科]][[バラ属]]の[[落葉]]または[[常緑]][[つる性]][[低木]]。


== 特徴 ==
== 特徴 ==
[[幹|主幹]]は長く地面を這い、[[枝]]には鉤形の[[刺]]があり、側枝は直立して先端には[[花]]がつく。[[葉]]は奇数羽状複葉で、7-9の小葉からなる。小葉は厚く、円形または広卵形で、縁にはあらい歯牙があり、表面は深緑色で光沢あり、裏面は黄緑色になる。
[[幹|主幹]]は根から放射状に長く地面を這い、あまり太くならない。[[枝]]には鉤形の[[刺]]があり、側枝は直立して先端には[[花]]がつく。[[葉]]は奇数羽状複葉で、7-9の小葉からなる。小葉は厚く、円形または広卵形で、縁にはあらい歯牙があり、表面は深緑色で光沢あり、裏面は黄緑色になる。


花期は6-7月。枝の先端に径3-3.5cmの白色の5弁花をつける。[[花序]]の主軸は稲妻形に屈曲する。[[果実]]はやや大きく、長さ8-10mmの球状になり、赤熟し光沢がある。
花期は6-7月。枝の先端に径3-3.5cmの白色の5弁花をつける。[[花序]]の主軸は稲妻形に屈曲する。[[果実]]はやや大きく、長さ8-10mmの球状になり、赤熟し光沢がある。


野生のバラの普通種としては[[ノイバラ]]があるが、本種は葉のつやが強いこと、花の数が少なくて、一つ一つはずっと大きいことで区別できる。
野生のバラの普通種としては[[ノイバラ]]があるが、本種は葉のつやが強いこと、葉が小さく揃っていること、花の数が少なくて、一つ一つはずっと大きいことで区別できる。


== 分布と生育環境 ==
== 分布と生育環境 ==
日本では、本州、四国、九州、琉球に分布し、海岸や河川敷の礫地、山間部のブナ帯の裸地や草原などに自生する。アジアでは、朝鮮、中国本土に分布する。
日本では、本州、四国、九州、琉球に分布し、海岸や河川敷の礫地、造成地、山間部のブナ帯の裸地や草原などに自生する。アジアでは、朝鮮、中国本土に分布する。


==ギャラリー==
==ギャラリー==

2014年12月13日 (土) 11:27時点における版

テリハノイバラ
福島県会津地方 2008年6月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: バラ属 Rosa
: テリハノイバラ R. luciae
学名
Rosa luciae Rochebr. et Franch. ex Crép.
シノニム
  • Rosa wichuraiana Crép.
和名
テリハノイバラ(照葉野茨)

テリハノイバラ(照葉野茨、学名:Rosa luciae)は、バラ科バラ属落葉または常緑つる性低木

特徴

主幹は根から放射状に長く地面を這い、あまり太くならない。には鉤形のがあり、側枝は直立して先端にはがつく。は奇数羽状複葉で、7-9の小葉からなる。小葉は厚く、円形または広卵形で、縁にはあらい歯牙があり、表面は深緑色で光沢あり、裏面は黄緑色になる。

花期は6-7月。枝の先端に径3-3.5cmの白色の5弁花をつける。花序の主軸は稲妻形に屈曲する。果実はやや大きく、長さ8-10mmの球状になり、赤熟し光沢がある。

野生のバラの普通種としてはノイバラがあるが、本種は葉のつやが強いこと、葉が小さく揃っていること、花の数が少なくて、一つ一つはずっと大きいことで区別できる。

分布と生育環境

日本では、本州、四国、九州、琉球に分布し、海岸や河川敷の礫地、造成地、山間部のブナ帯の裸地や草原などに自生する。アジアでは、朝鮮、中国本土に分布する。

ギャラリー

下位品種

  • リュウキュウテリハノイバラ Rosa luciae Rochebr. et Franch. ex Crép. f. glandulifera (Koidz.) H.Ohba
  • トゲナシテリハノイバラ Rosa luciae Rochebr. et Franch. ex Crép. f. ohwii (Oishi) Yonek.

参考文献