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'''中国語圏では一貫して「偽春菜」の名称が使用されている。'''[[:zh:偽春菜#.E4.B8.AD.E6.96.87.E7.95.8C.E7.9A.84.E5.81.BD.E6.98.A5.E8.8F.9C|「中文界的偽春菜」]]を参照。 |
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2006年4月16日 (日) 06:22時点における版
伺か(うかがか)とはデスクトップ常駐型アプリケーションの一つである。
歴史
前史
「伺か」の源流は、ソフトウェア技術者・中西巧が国立舞鶴工業高等専門学校在学中の1993年に構想した仮想人格エージェントを用いたヒューマン・マシン・インターフェースに端を発する。中西は1995年に自動車整備業界向けシステム開発会社翼システムの支援を得て構想の実現に取り掛かり、「ペルソナウェア」の名で1998年10月に無償公開した。その後バージョンアップを重ね、2000年10月に有償公開に移行している。
伺か史
「伺か」は、ペルソナウェア同様のマスコットソフトとして、黒衣鯖人(ハンドルネーム)によって制作された。黒衣はペルソナウェアを数日使用し、そのコンセプトに感嘆したが、実際に出来上がったソフトウェアに不満を感じ、白紙状態から同様のソフトの開発を決意。ペルソナウェアへの皮肉を込めて「偽ペルソナウェア with 偽春菜」と命名し、2000年5月に公開した。ペルソナウェアとの大きな違いは、ペルソナウェアのキャラクター(仮想人格)が一体(『春菜』と呼ばれる)なのに対し、偽ペルソナウェアは「偽春菜」と「うにゅう」という二体で構成され、両者が会話する形で動作する点にあった。 偽春菜は名前は勿論のこと、外見も「春菜」と似せたものとなっており(服装や髪型が類似)、クリックした際に表示されるメニュー構成が春菜のパロディになっている、台詞の中に春菜の台詞と似通ったものがあるなど、総体として「ペルソナウェア with 春菜」のパロディとなっていた。各ニュースウェブサイトの更新情報を自動的に監視・報告する「ヘッドラインセンサ」という革新的な機能が、特に多くのユーザーに受け入れられる。インターネット掲示板2ちゃんねるで取り上げられた事もあって、偽ペルソナウェアはインターネットコミュニティに次第に広まっていった。なお同年12月に偽ペルソナウェアは名前をあれ以外の何か with 偽春菜に改めている。
ソフトの名称と「偽春菜」キャラクターの類似性を問題視したペルソナウェア側は、2001年1月25日、翼システムとプラエセンス(翼システム傘下のベンチャー企業として2000年9月設立)両社社長の名で、黒衣に対し、「あれ以外の何か」の公開停止や「ペルソナウェア」「春菜」などの名称の使用停止を要求。「あれ以外の何か」(1月26日、『あれ以外の何か with 任意』に改称)ユーザー側からは非難の声が高まった。
「あれ以外の何か」は1月31日に公開を停止。これに対し、一部の「あれ以外の何か」ユーザーは2月16日、プラエセンスに公開質問状を送付。2月20日に黒衣が自身のウェブサイトを閉鎖した(以後、黒衣は『消息不明』とされている)事も重なり、ペルソナウェア側と「あれ以外の何か」ユーザー側の緊張関係は極点に達した。
事態が沈静に向かったのは、黒衣が自サイトを閉鎖した翌日の2月21日、Doichan!によって「あれ以外の何か」の互換ソフト「SAKURA Script Player」(SSP)が公開されてからである。さらに2月23日、「あれ以外の何か」の後継バージョン開発が明らかにされ、3月18日、アペンドソフト(「ゴースト」と呼ばれる。後述)開発者限定ながら「何か。(仮)」(作者:閑馬永空)の名称で公開が再開された。なおこの際に標準添付されたゴーストは「偽春菜」などペルソナウェアの春菜と類似しないものとなっており、プラエセンス側からの再警告の動きはない。
その後は順調にバージョンアップが進み、名前も2001年8月5日公開分から「何か」に、2002年4月14日公開分から現在の「伺か」に改称されると同時に「川上新夜(現:ls)」に引き継がれる。
2002年6月22日に公開された「period 583」を最後に、バージョンアップは行われていない。作者であるlsの言によると「一アプリケーションがプラットフォームになった為」と言う理由による開発の終了で、アプリケーションとしての「伺か」は「しなちく」へと形を変えて開発が続行されたが、こちらも更新が停止し現在にいたる。
名称の変遷
中国語圏では一貫して「偽春菜」の名称が使用されている。「中文界的偽春菜」を参照。
- 任意系
- 偽ペルソナウェア with 偽春菜
- ペルソナウェア以外の何か with 偽春菜
- あれ以外の何か with 偽春菜
-
- あれ以外の何か with 任意
- あれ以外の何か with さくらとも呼ばれるひと
- 伺か系
- 何か。(仮)
- 何か
- 伺か
機能
主な機能はPCのメモリを無駄に占有しCPUパワーを無駄に消費する、メインキャラクタであるさくらとサブキャラクターであるうにゅうが毒の効いた掛け合い漫才を行うのを眺めることである。
副次的な機能として、NTPクライアント、POP3によるメール着信確認、ToDoリストの管理、Windows9x系用のメモリクリーニング、オンラインアップデート、SSTPを使用した通信等がある。
現在では多彩なゴースト(キャラクター)が用意され、美麗な画像やジャンル特化されたトーク、
萌えキャラ鑑賞などとしても利用されている。
Ghost
Ghostには
- SHIORIなどを含めた人格部分
- 上記の人格部分とShellデータを含めたキャラクタデータ
という二つの意味があり、後者をさす事が多い。
人格部分としてのGhostは
- Ghostを定義するdescript.txt
- 会話などを記述した辞書ファイル
- 辞書ファイルのスクリプトを理解してSSTPに沿って送受信するSHIORI
の三つで最低限構成されている。
キャラクタデータとしてのGhostは人格部分としてのGhostとShellの二つを最低限併せ持ったデータ。 SHIORIにサンプルGhostが同梱されていることが多く、Shellと会話の内容などを変更する事によって簡単に作れるようになった。
SHIORI
SHIORIはベースウェアからのリクエストに対して辞書ファイルに記述されたスクリプトを処理してベースウェアに送信する。DLLとして実装する。 主要なSHIORIは簡易言語となっており、比較的簡単なスクリプトで演出を制御できる。 辞書ファイルの書式やフォーマットは決められているものではなく、SHIORI毎に異なる。
漢字で「栞」と表記する事もあり、名称の由来はPCゲーム「Kanon」のキャラクタ「美坂 栞」より。
下に主なSHIORIの特徴を示す。
華和梨
作者は華和梨開発チーム。 派生テンプレートとして「Openkeeps」や「FUDS」(作者:とわ)などがある。
長所:SHIORIとしては古い部類に入るため、先達のスクリプトを参考にしやすい。また、拡張性にも富む。
短所:文法構造が少々複雑なので、初心者には取っ付き難い。
文
作者はumeici。C言語のような文法構造を持つ。
長所:
短所:
里々
作者は櫛ヶ浜やぎ。唯一の2バイト文法構造を持つ。
長所:SakuraScriptをほとんど気にせずに済むので、手軽にGhostを作ることが出来る。
短所:文法が楽な分、複雑なことをするのには向いていない。
結奈
作者はRhein。専用のエディタを持つGUIなshiori。 現在Rheinの結奈本家ウェブサイトは消滅しているが、エディタ搭載のテンプレートゴーストを綾河くものウェブサイトから落とすことが出来る。
長所:自らSakuraScriptを打つ必要が無く、全てのトークやイベントをエディタから記述するため、初心者でも手軽にGhostが作れる。
短所:専用のエディタからでないと辞書を編集出来ない。また、作者多忙につき、ただいま公開停止中。
Shell
キャラクタの外観部分。
初期はアニメーションの実現に大量の画像を必要としたが 現在では小パーツの組み合わせや ベースウェア側の拡大縮小表示(記述現在でSSPのみサポート)などにより より少ないファイルで多彩な効果を表現できるなどの進歩を見せている。
互換環境
本体(伺か=materia)のバージョンアップは前述の通り行われていないが、仕様が公開されているため、数々の互換環境が公開されている。
互換環境リスト
Windows向け
MacOS向け
- 何か on 林檎(OS9 以前)
- 偽林檎(OS X)
Unix系OS向け
- ninix
- ninix-aya
主な用語
上記以外の基本的な用語の説明を記しておく。
- ゴーストマスタ
- Ghostの制作者、シェルマスタを兼任している事が多い。
- シェルマスタ
- Shellの制作者、ゴーストマスタを兼任している事が多い。
- 辞書ファイル
- 各SHIORIで定められたスクリプトを用いて、会話などの内容を記述したファイル。
- フリーシェル
- 絵は描けないが、Ghostを制作したいというゴーストマスタのために配布されている、Shellとして自由に使用できるShellデータ。
人工無能として
この手のデスクトップ常駐型アプリケーションは、ユーザに対してアクションを求め、それに対して反応を求めるアーキテクチャをもつものが殆どであった。 これは、実装が非常に容易であるが、問いかけに対して必ずユーザが相手をしなければならないため、会話パターンの少なさも相まってユーザが相手をしたい時のみ起動される事が多かった。
これに対して伺かでは「うにゅう」と言う相方の導入とオンラインアップデートによる頻繁な会話辞書データの更新により、ユーザが介在する事無く(介入することも可能だが)画面上で会話が行われ、かつ話題も豊富であるため文字通り常駐させることに成功している。