「当別ダム」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
38行目: 38行目:
*[[水源地域対策特別措置法]]
*[[水源地域対策特別措置法]]
*[[ダム建設の是否]]
*[[ダム建設の是否]]
*[[日本の長期化ダム事業]]

[[Category:北海道のダム|とうへつ]]
[[Category:北海道のダム|とうへつ]]

2006年4月15日 (土) 09:31時点における版

当別ダム
画像募集中
所在地 左岸:北海道石狩郡当別町大字十万坪(石狩支庁
右岸:北海道石狩郡当別町大字十万坪
河川 石狩川水系当別川
ダム湖 名称未定
ダム諸元
ダム型式 台形CSGダム
堤高 52.7 m
堤頂長 632.0 m
堤体積 479,000
流域面積 231.1 km²
湛水面積 670.0 ha
総貯水容量 78,400,000 m³
有効貯水容量 70,400,000 m³
利用目的 洪水調節不特定利水上水道
事業主体 北海道
施工業者 未定
着手年/竣工年 1980/(予定)2012
備考 補助多目的ダム
水源地域対策特別措置法第9条指定ダム
テンプレートを表示

当別ダム(とうべつ-)は北海道石狩郡当別町大字十万坪地先、石狩川水系当別川に建設中のダムである。

当別川には1962年昭和37年)、農林省(現・北海道開発局農業水産部)によって上流の当別町青山地先に青山ダム(35.5m。アースダム)が建設されていた。だが、治水に関しては整備が立ち遅れており、洪水による被害を受けていた。又、札幌市小樽市の人口増加に伴う水需要の増大に対応する為、1980年昭和55年)北海道によって補助多目的ダムとして計画された。

ダムの高さは52.7m。型式は重力式コンクリートダムとして計画されていたが、コスト縮減の為に台形CSGダムに変更になった。台形CSGダムとは日本で開発されたダム形式で、セメントで固めた砂礫を台形に固めて建設する方式のダムである。一見重力式コンクリートダムに似ているが、骨材の優劣に関係なく材料を使用する事が出来る為材料の合理化を図る事が可能となる。この為コストを縮減し経済性に優れ、更に強度もダム建設で満足できる安全性を保てる事から近年注目されている工法である。日本では現在完成しているダムは無いが、当別ダムの他北海道ではサンルダム(天塩川水系名寄川右支サンル川。国土交通省北海道開発局旭川開発建設部。計画中)がこの形式である。

洪水調節・不特定利水・上水道を目的として2012年(平成24年)完成予定であるが、計画当時から反対運動が強く補償交渉が長期化した。特に水没農地面積が350haに及ぶ事から1997年(平成9年)に水源地域対策特別措置法の「法9条指定ダム」に認定され補償の為の国庫補助額が増額された。この結果現在は交渉も妥結し住民は全て退去したが、公共事業再検討の風潮が高まり当別ダムも事業の再検討を迫られた。この中で建設費縮減を図る為ダムの規模縮小が図られ、その一環として台形CSGダムへの形式変更となったのである。ダムに反対する市民団体は建設差し止めの署名活動を行ったが、建設費を分担する下流受益地の札幌市がダムの必要性を訴え、小樽市も水道供給量を減らしたもののダムは必要であるとの認識を示した。2005年平成17年)、北海道の諮問機関である「北海道公共事業評価委員会」は当別ダムについて長い間行われた建設可否の議論を纏め、堤高3m抑制と台形CSGダムへの型式変更といった規模縮小・建設費節減の努力を評価してダム建設は妥当であるとの結論を出した。これを受け北海道は凍結状態であったダム建設を継続させると表明し、2012年の完成に向けて建設を現在進めている。

関連項目