「苔」の版間の差分

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'''苔'''(たいとは、生物学的には[[苔類]](たいるい)ことをさす'''コケ'''と言った場合苔類、[[蘚類]]、[[ツノゴケ類]]の総称として使われ伝統的な分類で[[コケ植物]]とめられる。
'''苔'''(こけ・'''コケ'''地表や[[]]の上にはつくばように成長し、広がるような植物的なもの。狭義のコケは[[苔類]]、[[蘚類]]、[[ツノゴケ類]]の総称として[[コケ植物]]を指すがコケはそれに加え[[菌]]と[[藻類]]の共生体ある「[[地衣類]]」や、一部のごく小型の維管束植物や[[藻類]]、[[シダ植物]]などが含まれる。語源は「木毛」にあり、ももとは樹の幹などに生えいる小さな植物の総称だったする説がある。[[岩茸]]など食用の苔もある。


苔は[[日本庭園]]や[[盆栽]]で利用されるほか、日本の国歌[[君が代]]で歌われる。「苔」という漢字が日本に伝わった当時は苔を主に[[藻]]を指す言葉として用いられコケにつては「蘿」という漢字が当てられている歌もある。[[京都市]]には地面一面に苔をはやした[[西芳寺]](通称:苔寺)という寺がある。[[ミズゴケ類]]は吸水性の良さから梱包材や[[脱脂綿]]の代用や、止血剤として用いられた
しかし、日常用語にて'''苔'''(こけ)・'''コケ'''は、[[植物]]であるコケ植物のほかに、[[菌類]]と[[藻類]]の共生体である「[[地衣類]]」をも指す。その他、一部のごく小型の維管束植物や[[藻類]]もコケと呼ばれる場合がある。[[地域]]によっては、[[キノコ]]の類をコケと呼ぶことがある。

漢字では、蘚は蘚類を、苔は苔類をさし、総称としては蘚苔(せんたい)または苔蘚(たいせん)という。しかし日本では、俗には蘚・苔・ツノゴケを区別せずに、まとめて苔の字を使っていることが多い。

要するに地表や[[岩]]の上にはいつくばるように成長し、広がるような植物的なものをまとめてこう呼ぶ。食用の苔もある。

日本においては、苔は[[日本庭園]]や[[盆栽]]で利用されるほか、日本の国歌[[君が代]]で歌われるなど馴染み深いものである。[[京都市]]には地面一面に苔をはやした[[西芳寺]](通称:苔寺)という寺がある。


また、コケは岩や地表が長く放置されたときに生え、耕すなどの攪乱が行われていると育たない、との認識がある。例えば「'''苔むす'''」という言葉はその状態が長く続いてきたことを示す。これは善悪両面の取り方があり、「転石苔むさず」は、「腰を落ち着けて長く一つのことを続けないと成果は上がらない」の意味に取るのが普通であるが、ときに「活動を続けている人は古びない」という意味に使われる。英語ではA Rolling Stone gathers No Mossで、[[イギリス]]では前者の意味で使うが、[[アメリカ]]では後者の意味に使う。
また、コケは岩や地表が長く放置されたときに生え、耕すなどの攪乱が行われていると育たない、との認識がある。例えば「'''苔むす'''」という言葉はその状態が長く続いてきたことを示す。これは善悪両面の取り方があり、「転石苔むさず」は、「腰を落ち着けて長く一つのことを続けないと成果は上がらない」の意味に取るのが普通であるが、ときに「活動を続けている人は古びない」という意味に使われる。英語ではA Rolling Stone gathers No Mossで、[[イギリス]]では前者の意味で使うが、[[アメリカ]]では後者の意味に使う。

2012年7月29日 (日) 09:50時点における版

樹木に生えた身近な苔 - コケ植物蘚類苔類地衣類がまじる
苔むした石段

(こけ)・コケは地表やの上にはいつくばるように成長し、広がるような植物的なもの。狭義のコケは苔類蘚類ツノゴケ類の総称としてコケ植物を指すが、コケはそれに加え菌類藻類の共生体である「地衣類」や、一部のごく小型の維管束植物や藻類シダ植物などが含まれる。語源は「木毛」にあり、もともとは樹の幹などに生えている小さな植物の総称だったとする説がある。岩茸など食用の苔もある。

苔は日本庭園盆栽で利用されるほか、日本の国歌「君が代」で歌われる。「苔」という漢字が日本に伝わった当時は苔を主にを指す言葉として用いられ、コケについては「蘿」という漢字が当てられている歌もある。京都市には地面一面に苔をはやした西芳寺(通称:苔寺)という寺がある。ミズゴケ類は吸水性の良さから梱包材や脱脂綿の代用や、止血剤として用いられた。

また、コケは岩や地表が長く放置されたときに生え、耕すなどの攪乱が行われていると育たない、との認識がある。例えば「苔むす」という言葉はその状態が長く続いてきたことを示す。これは善悪両面の取り方があり、「転石苔むさず」は、「腰を落ち着けて長く一つのことを続けないと成果は上がらない」の意味に取るのが普通であるが、ときに「活動を続けている人は古びない」という意味に使われる。英語ではA Rolling Stone gathers No Mossで、イギリスでは前者の意味で使うが、アメリカでは後者の意味に使う。

苔の花言葉は母性愛、信頼、孤独、物思いである。

生物の名称として

小型な植物は往々にしてコケの名を持つ。 蘚苔類は当然であるが、地衣類の和名も「○○ゴケ」を使う。それ以外のものでは以下のような例がある。

また、動物でも基質上を這うような固着性のものにコケの名を持つ例がある。

苔の育て方

苔は乾燥に強いが、高温のムレに弱い。暑い日中の水やりが苔を蒸らすことになり、非常に苔の生育を阻害するので避けるべきである。夏は苦手で冬は強いので、秋に苔を蒔いて、来年の春までに、大きく育てるのがよい方法である。強い日当たりの場所は、苔は弱る。やはり半日蔭(木漏れ日が動く場所)で苔はよく育つ。木陰を作ってやると良い。

  • 苔の育て方のポイントは

1:水やりは夕方にたくさんやる。

2:水はけをよくする。

3:風あたりの強いところは苦手なので、風避けを設ける。

4:落ち葉を取り除く。光合成ができなくなり、生育を阻害する。

関連項目