「バランス釜」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
→‎欠点: copyedit
「出典の明記」付加
1行目: 1行目:
{{出典の明記|date=2012年3月}}
'''バランス釜'''とは、[[BF]](Balanced-Flue)式の給排気方式をとる密閉型の[[風呂釜]]で、主に浴室内に浴槽に隣接して設置される。同様の燃焼部、給排気構造をもつ[[給湯器]]も存在する。
'''バランス釜'''とは、[[BF]](Balanced-Flue)式の給排気方式をとる密閉型の[[風呂釜]]で、主に浴室内に浴槽に隣接して設置される。同様の燃焼部、給排気構造をもつ[[給湯器]]も存在する。



2012年3月16日 (金) 04:17時点における版

バランス釜とは、BF(Balanced-Flue)式の給排気方式をとる密閉型の風呂釜で、主に浴室内に浴槽に隣接して設置される。同様の燃焼部、給排気構造をもつ給湯器も存在する。

構造

バランス釜は、BF式と呼ばれる給排気口が同一雰囲気の室外に出ている構造となっているため、吸気と排気のバランスが常に取れ、風雨の影響を受ける事が無い。BF式が開発される以前は、給気が浴室内で排気が室外というCF(Conventional-Flue)式や、給排気共に浴室内の風呂釜が主流であり、給排気が不十分だったり、排気が強風の影響を受けたりすることにより不完全燃焼が発生し、風呂場での酸欠事故が時折発生していた。風呂釜は浴槽と2本のパイプで繋がっており、バーナーの燃焼により温められた釜内部の湯が自然対流により上方のパイプから浴槽に送り出され、その分の水が下方のパイプから釜内部に引き入れられることで浴槽内の水が加熱される。風呂釜とは別の燃焼部、熱交換器を持ち、水道水を引き込み給湯器の機能(シャワーなど)を付加したものもある。

着火方法

運転ダイヤルを着火位置まで押し回しつつ、着火レバーを回転させ、種火(口火)を点火させる。種火が点火した後、運転ダイヤルを湯沸かし位置まで回して釜に着火する。湯沸かし位置までダイヤルを回しても着火音がしない場合には、種火が付いていないためであり、再度、着火手順をやり直す必要がある。また種火を使用せず、連続放電点火で直接メインバーナーに点火させる機種もある。

普及と衰退

1960年代公団住宅が建設された際に考案され、全国的に普及したが、近年では屋外壁掛け式のふろ給湯器が主流となり衰退傾向にある。これは、住宅の集中給湯システム化が進んだこと、浴槽を広く取れること、バランス釜の多くの欠点(下記参照)が忌避されたこと等が理由である。1990年代以降に建築された住宅では、ほとんど見られなくなった。

長所

  • 大抵の形状の浴室に設置が可能である。
  • 追い焚きが可能で、経済的である。

欠点

  • あらかじめ吸排気用に、大きな穴を壁に開けておかねばならない(屋外設置のバランス釜もあり、外壁に開ける水路の穴は給排気用のそれより小さく済む)。
  • 浴槽と釜を結ぶパイプの上部10cm以上まで水を張っていないと、空だきによる火災の危険性がある(空だき防止機能を備えた機種もある)。
  • 浴槽の水栓の抜け、摩耗があると水抜け、空だきによる火事の危険性がある。
  • 構造上、浴槽の上部だけが熱くなり適温を設定することが難しい。
  • 浴槽内の湯を循環させるため、湯垢が溜まりやすい。
  • 浴槽の裏側や釜の裏側は狭く手が届きにくいため、清掃が十分にできない。
  • 口火を30日間つけ続けると、マイコンガスメーターが漏洩警報点滅する(口火を消し、他の火器具ともに60分以上ガスを使用しなければ警報は消える)。

製造メーカー