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'''ウィリアム・ボーモル'''('''William Baumol'''、[[1922年]][[2月26日]] - )は、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[経済学者]]。[[ニューヨーク市|ニューヨーク]]に生まれ、[[ニューヨーク市立大学]]で学び、[[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]] (LSE)より[[博士号]]を取得した。[[ミクロ経済学]]から[[マクロ経済学]]まで、活躍の範囲は広い。1981年[[アメリカ経済学会]]会長
'''ウィリアム・ボーモル'''('''William J. Baumol'''、[[1922年]][[2月26日]] - )は、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[経済学者]]。[[ニューヨーク市|ニューヨーク]]に生まれ。[[ミクロ経済学]]から[[マクロ経済学]]まで、活躍の範囲は広い。

==略歴==
*1922年 ニューヨークで生まれる。
*1942年 [[ニューヨーク市立大学]]で学び、[[BSS]]取得。
*1947年 [[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]]([[LSE]])で教え始める。
*1949年 [[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]] ([[LSE]])より[[博士号]]を取得した。
*1949年 [[プリンストン大学]]で教え始める。
*1954年 [[プリンストン大学]]で[[教授]]となる。
*1965年 博士論文『厚生経済学と国家の理論』を出版。
*1967年 アメリカ経済学会副会長となる。
*1971年 [[ニューヨーク市立大学]]にも籍をおく。
*1978年 西洋経済学会の会長となる。
*1981年 [[アメリカ経済学会]]会長となる。

==研究==
*ボーモルは、通常の企業が標準的なミクロ経済理論どおりに行動していないという現実の観察から、企業行動の原理として利潤最大化に代わる[[売上高極大仮説]]を提唱した。また、[[経営学]]と[[経済学]]とを結びつけることにも力を入れ、[[1961年]]に出版した著書『''Economics Theory and Operations Analysis''』は版を重ねロング・セラーとなった。他にも多くの教科書を執筆した。さらに、[[ジョン・メイナード・ケインズ|ケインズ]]の[[流動性選好説]]において、取引需要が利子弾力的になることを在庫利用を応用して説明した。不均衡成長についても業績を挙げている。1966年に出したウィリアム・ボーエンとの共著『舞台芸術:芸術と経済のジレンマ』によって、[[文化経済学]]の創始者として知られる。

*[[1971年]]に、[[ウォーレス・オーツ]]とともに、[[環境税]]の一つである[[ボーモル・オーツ税]]を提唱した。

*[[1982年]]にはニューヨーク市立大学の同僚らと[[コンテスタビリティ理論]]を提唱し、[[1980年代]]以後の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の航空輸送産業やトラック輸送産業における[[規制緩和]]の流れを作り出した。

==主な書籍==
*『経済動学序説』、[[山田勇]]・[[藤井栄一]]共訳、東洋経済新報社、1956年
*『経済分析とOR』(上)(下)、福場庸訳、丸善、1966年
*(アラン・S・ブラインダーと共著)『エコノミックス入門――マクロ・ミクロの原理と政策』、片岡晴雄ほか共訳、HBJ出版局、1988年
*(アラン・S・ブラインダーと共著)『ミクロエコノミックス入門――市場と制度の経済学』、箱木礼子・[[片岡孝夫]]共訳、HBJ出版局、1993年
*(アラン・S・ブラインダーと共著)『マクロエコノミックス入門――経済原理と経済政策』、川島康男・三野和夫共訳、HBJ出版局、1993年
*『新エコノミックス入門――現代経済の見方』、箱木礼子ほか共訳、HBJ出版局、1994年
*(ウィリアム・G・ボウエンと共著)『舞台芸術――芸術と経済のジレンマ』、[[池上惇]]監訳、[[渡辺守章]]訳、芸団協出版部、1994年
*『自由市場とイノベーション――資本主義の成長と奇跡』、足立英之監訳、中村保・山下賢二・大住康之・常廣泰貴・柳川隆・三宅敦史共訳、勁草書房、2010年

==参考==
*[[:en:William Baumol|William Baumol]](英語)


ボーモルは、通常の企業が標準的なミクロ経済理論どおりに行動していないという現実の観察から、企業行動の原理として利潤最大化に代わる[[売上高極大仮説]]を提唱した。また、[[経営学]]と[[経済学]]とを結びつけることにも力を入れ、[[1961年]]に出版した著書『''Economics Theory and Operations Analysis''』は版を重ねロング・セラーとなった。他にも多くの教科書を執筆した。さらに、[[ジョン・メイナード・ケインズ|ケインズ]]の[[流動性選好説]]において、取引需要が利子弾力的になることを在庫利用を応用して説明した。不均衡成長についても業績を挙げている。1966年に出したウィリアム・ボーエンとの共著『舞台芸術:芸術と経済のジレンマ』によって、[[文化経済学]]の創始者として知られる。


[[1971年]]に、[[ウォーレス・オーツ]]とともに、[[環境税]]の一つである[[ボーモル・オーツ税]]を提唱した。


[[1982年]]にはニューヨーク市立大学の同僚らと[[コンテスタビリティ理論]]を提唱し、[[1980年代]]以後の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の航空輸送産業やトラック輸送産業における[[規制緩和]]の流れを作り出した。


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2011年10月26日 (水) 10:07時点における版

ウィリアム・ボーモルWilliam J. Baumol1922年2月26日 - )は、アメリカ経済学者ニューヨークに生まれる。ミクロ経済学からマクロ経済学まで、活躍の範囲は広い。

略歴

研究

  • ボーモルは、通常の企業が標準的なミクロ経済理論どおりに行動していないという現実の観察から、企業行動の原理として利潤最大化に代わる売上高極大仮説を提唱した。また、経営学経済学とを結びつけることにも力を入れ、1961年に出版した著書『Economics Theory and Operations Analysis』は版を重ねロング・セラーとなった。他にも多くの教科書を執筆した。さらに、ケインズ流動性選好説において、取引需要が利子弾力的になることを在庫利用を応用して説明した。不均衡成長についても業績を挙げている。1966年に出したウィリアム・ボーエンとの共著『舞台芸術:芸術と経済のジレンマ』によって、文化経済学の創始者として知られる。

主な書籍

  • 『経済動学序説』、山田勇藤井栄一共訳、東洋経済新報社、1956年
  • 『経済分析とOR』(上)(下)、福場庸訳、丸善、1966年
  • (アラン・S・ブラインダーと共著)『エコノミックス入門――マクロ・ミクロの原理と政策』、片岡晴雄ほか共訳、HBJ出版局、1988年
  • (アラン・S・ブラインダーと共著)『ミクロエコノミックス入門――市場と制度の経済学』、箱木礼子・片岡孝夫共訳、HBJ出版局、1993年
  • (アラン・S・ブラインダーと共著)『マクロエコノミックス入門――経済原理と経済政策』、川島康男・三野和夫共訳、HBJ出版局、1993年
  • 『新エコノミックス入門――現代経済の見方』、箱木礼子ほか共訳、HBJ出版局、1994年
  • (ウィリアム・G・ボウエンと共著)『舞台芸術――芸術と経済のジレンマ』、池上惇監訳、渡辺守章訳、芸団協出版部、1994年
  • 『自由市場とイノベーション――資本主義の成長と奇跡』、足立英之監訳、中村保・山下賢二・大住康之・常廣泰貴・柳川隆・三宅敦史共訳、勁草書房、2010年

参考