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'''通信線路'''(つうしんせんろ) は、有線[[電気通信]]の[[伝送路]]である。
'''通信線路'''(つうしんせんろ) は、[[有線通信|有線]][[電気通信]]の[[伝送路]]である。


==無線通信との比較==
==無線通信との比較==
[[無線通信]]と比べ、以下の特徴がある。
[[無線通信]]と比べ、以下の特徴がある。
*[[盗聴|通信傍受]]が比較的困難である。
*[[盗聴|通信傍受]]が比較的困難である。
*管鉄塔など、必要な[[土木工学|土木]]工作物が多い。
*[[地下]][[配]][[電柱]]など、必要な[[土木工学|土木]]工作物が多い。
*コストが比較的高い。
*コストが比較的高い。
*回線容量が大きい。
*回線容量が大きい。
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==用途==
==用途==
用途として次のものがある。
*[[電話回線]]
*[[電話回線]]
*[[専用線]]
*[[専用線]]
*[[ケーブルテレビ]]
*[[ケーブルテレビ]]
*[[有線ラジオ放送]]
*[[有線ラジオ放送]]

==区間区分==
区間区分として次のものがある。
*加入者線路 : 加入者端末に直接接続されているもの。一般に迂回路は用意されていない。信頼性を高めるために加入者負担で二重化することもある。
*中継線路 : 中継局間を接続するもの。公衆網の場合は二重化が義務付けられている。
**市内中継線路 : [[単位料金区域]]内の中継線路。
**市外中継線路 : 単位料金区域外と接続を行う中継線路。


==敷設場所とその方法==
==敷設場所とその方法==
敷設場所として次のようなものがある。
*海底
*架空 : [[電柱]]などを使用して、空中に配線するものでコストが低い。[[配電]]線の下部に敷設することになっている。車道・歩道・水路などとの最低空頭が定められている。
*地中
*地中 : [[電線類地中化]]のために推進されている。コストが高い。
**共同構
**共同構
**地中管路
**地中管路
*海底・水底 : 大陸間を結ぶ長距離のものは、水中中継器の実用化によって可能となった。
*架空


==使用される伝送路とその歴史==
==使用される伝送路とその歴史==


よい絶縁被覆座資料が無かった時代には、碍子引きの裸[[電線]]が使用されていた。後に絶縁電線が碍子引きで使用されるようになった。
適当な[[絶縁体|絶縁]]被覆が無かった時代には、碍子引きの裸[[電線]]が使用されていた。後に絶縁電線が碍子引きで使用されるようになった。


機器の高感度化に伴い、[[ツイストペアケーブル]]が使用されるようになった。また、通信需要の増大に対応するため多重化[[伝送路]]として[[同軸ケーブル]]・[[導波管]]が使用されるようになった。
機器の高感度化に伴い、[[ツイストペアケーブル]]が使用されるようになった。また、通信需要の増大に対応するため多重化[[伝送路]]として[[同軸ケーブル]]・[[導波管]]が使用されるようになった。
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==関連項目==
==関連項目==
*[[電話回]] - [[電話網]]
*[[主配]]
*[[光収容]]
*[[電話回線]] : [[電話機]]の接続[[インターフェース]]
*[[電話網]]


[[Category:有線通信|つうしんせんろ]]
[[Category:有線通信|つうしんせんろ]]

2005年9月24日 (土) 00:22時点における版

通信線路(つうしんせんろ) は、有線電気通信伝送路である。

無線通信との比較

無線通信と比べ、以下の特徴がある。

  • 通信傍受が比較的困難である。
  • 地下配管電柱など、必要な土木工作物が多い。
  • コストが比較的高い。
  • 回線容量が大きい。
  • 安定した通信が可能。
  • 線状につながっているものなので、故障地点の判別が重要である。

用途

用途として次のものがある。

区間区分

区間区分として次のものがある。

  • 加入者線路 : 加入者端末に直接接続されているもの。一般に迂回路は用意されていない。信頼性を高めるために加入者負担で二重化することもある。
  • 中継線路 : 中継局間を接続するもの。公衆網の場合は二重化が義務付けられている。
    • 市内中継線路 : 単位料金区域内の中継線路。
    • 市外中継線路 : 単位料金区域外と接続を行う中継線路。

敷設場所とその方法

敷設場所として次のようなものがある。

  • 架空 : 電柱などを使用して、空中に配線するものでコストが低い。配電線の下部に敷設することになっている。車道・歩道・水路などとの最低空頭が定められている。
  • 地中 : 電線類地中化のために推進されている。コストが高い。
    • 共同構
    • 地中管路
  • 海底・水底 : 大陸間を結ぶ長距離のものは、水中中継器の実用化によって可能となった。

使用される伝送路とその歴史

適当な絶縁被覆が無かった時代には、碍子引きの裸電線が使用されていた。後に絶縁電線が碍子引きで使用されるようになった。

機器の高感度化に伴い、ツイストペアケーブルが使用されるようになった。また、通信需要の増大に対応するため多重化伝送路として同軸ケーブル導波管が使用されるようになった。

1990年代より、価格の低下に伴って光ファイバーを束ねた光ケーブルによる有線光通信が幹線から導入されるようになった。2000年代より、FTTHFTTxと呼ばれる、より加入者に近い部分の光通信化も行われるようになった。

法的規制

有線電気通信法により、有線電気通信設備令に従って敷設・管理を行うこととなっている。

電気通信事業法では、事業用電気設備規則に従って線路電気通信主任技術者が工事・保守の監督を行うこととなっている。

関連項目