「連続確率分布」の版間の差分
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'''連続確率分布'''([[英語|英]]: continuous probability distribution)は、[[確率論]]において、[[累積分布関数]]が[[連続 (数学)|連続]]な[[確率分布]]である。これはその確率分布の[[確率変数]] ''X'' において、全ての[[実数]] ''a'' について Pr[''X'' = ''a''] = 0 であることと等価である。すなわち、''X'' が値 ''a'' を取る確率は、任意の ''a'' についてゼロである。''X'' の分布が連続の場合、''X'' を'''連続確率変数''' と呼ぶ。 |
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一方[[離散確率分布]]では、ある事象の[[確率]]がゼロということはその事象があり得ないことを意味する(例えばサイコロの目が3.5になる確率はゼロ)。しかし、連続確率変数ではこれは正しくない。例えば、ある木の葉っぱの幅を測るとして、それが3.5cmとなることもありうるが、その確率はゼロである。何故なら3cmと4cmの間には無限に多数の値があるためであり、個々の値が測定できる確率はゼロだが、ある[[区間 (数学)|区間]]の値となる確率はゼロではない。[[パラドックス]]のように見えるが、''X'' が区間のような[[無限]]集合内のなんらかの値を取る確率は、個々の確率値を単純に加算することでは求められない([[積分法]])。形式的には、それぞれの値をとる確率は[[無限小|無限に]]小さく、これは統計学的にはゼロに等しい。 |
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== 絶対連続性との比較 == |
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「連続」という用語は、「ルベーグ測度に対して絶対連続」という意味で使われることもある([[ラドン-ニコディムの定理]])。(ルベーグ測度に対して)絶対連続な分布には[[確率密度関数]]がある。確率変数 ''X'' が絶対連続であることは、''X'' が[[ルベーグ測度]]ゼロの区間の[[部分集合]] ''S'' に含まれる値をとる確率がゼロであることと等しい。ルベーグ測度がゼロの非可算な集合(たとえば[[カントール集合]])も存在するため、このときあらゆる実数 ''a'' について Pr[''X'' = ''a''] = 0 は成り立つとは限らない。 |
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[[カントール分布]]の確率変数は(本来の意味では)連続だが、絶対連続ではない。 |
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実際の応用においては、確率変数は離散的な場合も絶対連続な場合も、それらの混合の場合もある。しかし、カントール分布は離散的でも離散分布と絶対連続分布の重み付き平均でもない。 |
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[[正規分布]]、連続[[一様分布]]、[[ベータ分布]]、[[ガンマ分布]]は、絶対連続分布としてよく知られている。正規分布は、[[中心極限定理]]があるため、自然界や統計ではよく現れる。多数の小さな独立変数の総和としてモデル化できる変数は総じて、正規分布に近似できる。 |
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== 外部リンク == |
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* [http://webpages.dcu.ie/~applebyj/ms207/CNSRV1.pdf Continuous Random Variables.] John Appleby, School of Mathematical Sciences, Dublin City University. |
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[[Category:確率論]] |
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[[en:Continuous probability distribution]] |
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[[es:Distribución de probabilidad continua]] |
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[[it:Variabile casuale continua]] |
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[[hu:Folytonos eloszlás]] |
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[[nl:Continue stochastische variabele]] |
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[[pl:Ciągły rozkład prawdopodobieństwa]] |
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[[pt:Variável aleatória contínua]] |
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[[su:Variabel acak kontinyu]] |
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[[tr:Sürekli olasılık dağılımları]] |
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[[uk:Абсолютно неперервна випадкова величина]] |
2009年10月3日 (土) 14:30時点における版
連続確率分布(英: continuous probability distribution)は、確率論において、累積分布関数が連続な確率分布である。これはその確率分布の確率変数 X において、全ての実数 a について Pr[X = a] = 0 であることと等価である。すなわち、X が値 a を取る確率は、任意の a についてゼロである。X の分布が連続の場合、X を連続確率変数 と呼ぶ。
一方離散確率分布では、ある事象の確率がゼロということはその事象があり得ないことを意味する(例えばサイコロの目が3.5になる確率はゼロ)。しかし、連続確率変数ではこれは正しくない。例えば、ある木の葉っぱの幅を測るとして、それが3.5cmとなることもありうるが、その確率はゼロである。何故なら3cmと4cmの間には無限に多数の値があるためであり、個々の値が測定できる確率はゼロだが、ある区間の値となる確率はゼロではない。パラドックスのように見えるが、X が区間のような無限集合内のなんらかの値を取る確率は、個々の確率値を単純に加算することでは求められない(積分法)。形式的には、それぞれの値をとる確率は無限に小さく、これは統計学的にはゼロに等しい。
絶対連続性との比較
「連続」という用語は、「ルベーグ測度に対して絶対連続」という意味で使われることもある(ラドン-ニコディムの定理)。(ルベーグ測度に対して)絶対連続な分布には確率密度関数がある。確率変数 X が絶対連続であることは、X がルベーグ測度ゼロの区間の部分集合 S に含まれる値をとる確率がゼロであることと等しい。ルベーグ測度がゼロの非可算な集合(たとえばカントール集合)も存在するため、このときあらゆる実数 a について Pr[X = a] = 0 は成り立つとは限らない。
カントール分布の確率変数は(本来の意味では)連続だが、絶対連続ではない。
実際の応用においては、確率変数は離散的な場合も絶対連続な場合も、それらの混合の場合もある。しかし、カントール分布は離散的でも離散分布と絶対連続分布の重み付き平均でもない。
正規分布、連続一様分布、ベータ分布、ガンマ分布は、絶対連続分布としてよく知られている。正規分布は、中心極限定理があるため、自然界や統計ではよく現れる。多数の小さな独立変数の総和としてモデル化できる変数は総じて、正規分布に近似できる。
外部リンク
- Continuous Random Variables. John Appleby, School of Mathematical Sciences, Dublin City University.