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加えて、安価で優秀な性能を持つ旧[[ソビエト連邦|ソ連]]製突撃銃[[AK-47]]シリーズ及び、同様に安価で生身の女性や子供でも戦車を撃破できる携帯式対戦車兵器[[RPG-7]]の第三世界での爆発的普及も、非国家非正規交戦集団に、国家の正規軍を相手に戦いうるという自信を付けさせており、非対称戦争が頻発するようになった一因といえる。
加えて、安価で優秀な性能を持つ旧[[ソビエト連邦|ソ連]]製突撃銃[[AK-47]]シリーズ及び、同様に安価で生身の女性や子供でも戦車を撃破できる携帯式対戦車兵器[[RPG-7]]の第三世界での爆発的普及も、非国家非正規交戦集団に、国家の正規軍を相手に戦いうるという自信を付けさせており、非対称戦争が頻発するようになった一因といえる。

==非対称戦争==
{{独自研究|section=1}}
'''非対称戦争'''(ひたいしょうせんそう,'''asymmetric war''')とは[[戦争]]の形態のひとつで、はるかに戦力(質、量)差がある両者による{{要出典}}戦争である。このため、弱者側は通常の戦争{{要出典}}とは違う戦術、手段を使うことが多い。

非対称戦争の戦術、手段としては、[[奇襲]]、撹乱や山岳、要塞等での防衛、[[焦土戦術]]などもあり、必ずしも不正規戦争(Unconventional Warfare)となるわけではないが、近代に入って兵器の進歩が著しく、それに対抗するために{{要出典}}、弱者が[[ゲリラ]]戦、非通常兵器([[NBC兵器]])、[[非戦闘員]]への攻撃([[テロリズム]])、[[サイバーテロ]]等の通常戦力によらない[[戦術]]を主に使うことが増えてきた{{要出典}}。

ゲリラ戦、[[パルチザン]]、反政府勢力、[[反米]]勢力等の戦い{{要出典}}が含まれ、例として[[ベトナム戦争]]{{要出典}}、[[コソボ紛争]]{{要出典}}、[[チェチェン紛争]]、[[文化大革命]]{{要出典}}、[[パレスチナ問題|パレスチナ紛争]]{{要出典}}などが含まれる。

[[冷戦]]終了後、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[ロシア]]の圧倒的な軍事力に対して[[イスラム世界]]の反米組織などは通常戦力{{要出典}}ではまったく太刀打ちできないことから{{要出典}}、犯罪として扱われる攻撃を積極的に仕掛けるようになった。そのうち最大規模のものが[[ウサーマ・ビン=ラーディン|オサーマ・ビン=ラディン]]による[[アメリカ同時多発テロ事件]]である。この事件に対し[[ジョージ・W・ブッシュ]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]は宣言の中で'''「新しい戦争」'''という発言をし、これが現在の非対称戦争の概念となった{{要出典}}。これ以降[[アルカーイダ]]など[[イスラーム過激派]]に対する[[対テロ戦争]]が続くこととなった。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2009年6月4日 (木) 15:10時点における版

非対称戦争(ひたいしょうせんそう,asymmetric war)とは戦争の形態のひとつである。

定義

その交戦様態が、正規軍同士ではない戦闘である点を特徴とし、相手と同じ戦術では勝利が困難な交戦集団が、相手にとって予想も対抗も困難な別の手段によって戦闘をしかけることで戦われる[1]。一般にはテロゲリラ戦という言葉で認識される場合が多い[2]。このため、交戦集団の量的な意味での単なる戦力差、組織体力の大小強弱に着目した概念では必ずしもない。大国の正規軍の歩兵小隊が携行火器の成形炸薬弾でゲリラ組織その他の戦車部隊と戦う場合も、戦術としては非対称戦である。第二次世界大戦においても、アメリカ陸軍の歩兵部隊が日本陸軍戦車対戦車擲弾筒を使って盛んに撃破した。

冷戦終結後、武力による民族運動、宗教対立等が頻発するようになったが、多くの場合それらの紛争は主権国家の正規軍ではない民間武装勢力によるゲリラ戦によって実行されており、近代国家が従来重化学工業力を活用して整備してきた機械化戦力では対処が非常に困難であった。21世紀初頭現在、各国軍において、精強に訓練された生身の歩兵からなる特殊部隊の重要性が大きく高まっているのはこのためである。

加えて、安価で優秀な性能を持つ旧ソ連製突撃銃AK-47シリーズ及び、同様に安価で生身の女性や子供でも戦車を撃破できる携帯式対戦車兵器RPG-7の第三世界での爆発的普及も、非国家非正規交戦集団に、国家の正規軍を相手に戦いうるという自信を付けさせており、非対称戦争が頻発するようになった一因といえる。

脚注

  1. ^ 恵谷治「【概説】世界の特殊部隊 英米で生まれ世界に広まった精鋭たちの60年の軌跡」『[図説]最新 世界の特殊部隊』(学習研究社・2003)による。
  2. ^ 恵谷治「【概説】世界の特殊部隊 英米で生まれ世界に広まった精鋭たちの60年の軌跡」『[図説]最新 世界の特殊部隊』(学習研究社・2003)による。