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'''修羅能'''(しゅらのう)とは、[[能]]の演目の中で武人が[[シテ]]になるものを言う。修羅物とも言う。[[能#上演形式|五番立]]においては二番目物となる。[[修羅道]]に落ちて苦しむさまが語られることからこう呼ばれる。多くは『[[平家物語]]』に取材し、源平の武将を主人公とするが、『[[田村]]』などの例外もある。
'''修羅能'''(しゅらのう)とは、[[能]]の演目の中で武人が[[シテ]]になるを言う。修羅物とも言う。[[能#上演形式|五番立]]においては二番目物となる。[[修羅道]]に落ちて苦しむさまが語られることからこう呼ばれる。多くは『[[平家物語]]』に取材し、源平の武将を主人公とするが、『[[田村]]』などの例外もある。


戦いに負けた側がシテである'''負修羅'''(まけしゅら)がほとんどであるが、戦いに勝った側をシテとする'''勝修羅'''(かちしゅら)もある。
戦いに負けた側がシテである'''負修羅'''(まけしゅら)がほとんどであるが、戦いに勝った側をシテとする'''勝修羅'''(かちしゅら)もある。
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『田村』『[[箙]](えびら)』『[[八島 (能)|八島]]』
『田村』『[[箙]](えびら)』『[[八島 (能)|八島]]』


勝修羅三番と言われる。扇の図柄は、松に旭日。[[面]]は平太
勝修羅三番と言われる。

使用する扇は勝修羅扇と言われ、図柄は「老松に旭日」で、扇骨は軍扇を表す意味で黒になる。[[面]]は平太。


==負修羅==
==負修羅==
『朝長』『実盛』『頼政』『忠度』『俊成忠度』『清経』『通盛』『[[敦盛 (能)|敦盛]]』『生田敦盛』『実盛』『友章』『経政』『兼平』『[[巴 (能)|巴]]』
『朝長』『実盛』『頼政』『忠度』『俊成忠度』『清経』『通盛』『[[敦盛 (能)|敦盛]]』『生田敦盛』『実盛』『友章』『経政』『兼平』『[[巴 (能)|巴]]』


この中で『朝長』『実盛』『頼政』は特に重い曲とされ、三修羅と呼ばれる。扇の図柄は立波に入日
この中で『朝長』『実盛』『頼政』は特に重い曲とされ、三修羅と呼ばれる。

使用する扇は負修羅扇と言われ、図柄は「立波に入日」で、扇骨は軍扇を表す意味で黒骨になる。


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2008年7月26日 (土) 06:58時点における版

修羅能(しゅらのう)とは、の演目の中で武人がシテになる曲を言う。修羅物とも言う。五番立においては二番目物となる。修羅道に落ちて苦しむさまが語られることからこう呼ばれる。多くは『平家物語』に取材し、源平の武将を主人公とするが、『田村』などの例外もある。

戦いに負けた側がシテである負修羅(まけしゅら)がほとんどであるが、戦いに勝った側をシテとする勝修羅(かちしゅら)もある。


勝修羅

『田村』『(えびら)』『八島

勝修羅三番と言われる。

使用する扇は勝修羅扇と言われ、図柄は「老松に旭日」で、扇骨は軍扇を表す意味で黒になる。は平太。

負修羅

『朝長』『実盛』『頼政』『忠度』『俊成忠度』『清経』『通盛』『敦盛』『生田敦盛』『実盛』『友章』『経政』『兼平』『

この中で『朝長』『実盛』『頼政』は特に重い曲とされ、三修羅と呼ばれる。

使用する扇は負修羅扇と言われ、図柄は「立波に入日」で、扇骨は軍扇を表す意味で黒骨になる。