敦盛 (能)

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敦盛(あつもり)は、の演目のひとつで、二番目物、公達物。「平家物語」の「敦盛最期」の章をもとに、世阿弥が編作した。 中之舞(黄鐘早舞・男舞)を舞う優雅な演目である。

敦盛
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作者(年代)
世阿弥
形式
複式夢幻能
能柄<上演時の分類>
二番目物 修羅能
現行上演流派
観世・宝生・金春・金剛・喜多
異称
なし
シテ<主人公>
平敦盛
その他おもな登場人物
蓮生法師(熊谷次郎直実)
季節
場所
摂津国須磨
本説<典拠となる作品>
平家物語
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演者[編集]

  • 前シテ - 草刈男
  • 後シテ - 平敦盛(霊形)
  • 前ツレ - 草刈男
  • ワキ - 蓮生(出家した熊谷直実)
  • アイ - 里人

あらすじ[編集]

源平の戦いの緒戦に疲れた源氏の武将熊谷直実は、出家して法名蓮生と名乗った。秋八月、蓮生はかつて一ノ谷の戦いで討った平敦盛の菩提を弔うために摂津国須磨の浦へ赴いた際、笛の音が聞え、草刈男らに出会う。蓮生が男らに誰が笛を吹いていたのかと尋ねると、男らの一人が笛にまつわる因縁について語り、十念を授けて欲しいと言う。蓮生が理由を質すと、その男は敦盛の化身である事をほのめかして姿を消す。夜、蓮生が読経していると敦盛の霊が現れて平家一門の栄枯盛衰を語り、平家最後の宴を懐かしんで中之舞を舞い、一ノ谷合戦での討ち死にの模様を再現して見せる。そしてやっと敵である直実に巡り会えたと仇を討とうとするが、すでに出家して蓮生となって弔いにつとめる直実はもはや敵ではないと悟り、極楽浄土では共に同じ蓮に生まれる身になろうと言い残して敦盛の霊は姿を消す。

俗説[編集]

最近はテレビ文化のめざましい発達で、織田信長が好んで謡い舞った曲が謡曲のごとく誤り伝えられているむきがあるが、信長が好んだのは幸若舞の「敦盛」で、能の「敦盛」ではない[1]

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  1. ^ 松田存『能・狂言 伝統芸能シリーズ5』ぎょうせい、1990年、ISBN 4324018146、42ページ

関連項目[編集]