近衛信尋

近衛 信尋（このえ のぶひろ　慶長4年5月2日(1599年6月24日) - 慶安2年10月11日(1649年11月15日)）は、江戸時代前期の公家。官位は従一位関白。御幼称は二宮。法号は応山。

系譜

後陽成天皇の第四皇子。母は近衛前久の女、(中和門院)前子。兄弟に後水尾天皇、一条昭良、高松宮好仁親王、慈胤法親王らがいる。 母方の近衛家に嗣子がないことから、叔父、近衛信尹の養子となり近衛家を継承する。正室不詳。

• 子女
  • 近衛尚嗣
  • 寛俊（勧修寺門）
  • 泰姫（水戸藩藩主徳川光圀室）

略歴

慶長10年(1606年)元服し、正五位下に叙せられ、昇殿を許される。慶長11年(1607年)従三位に叙せられ、公卿に列する。慶長12年(1608年)権中納言、慶長16年(1612年)権大納言、慶長17年(1613年)内大臣に進む。慶長19年(1615年)には、右大臣に進み、元和6年(1620年)左大臣、元和9年 (1623年)関白に補せられる。正保2年(1645年)出家し応山と号する。慶安2年(1649年)薨去。享年51。近衛家の菩提寺・京都大徳寺に葬られる。法名、本源自性院応山大云。

近衛前久、信尹の文化人の資質を受け継ぎ、諸芸道に精通した文化人であった。書道は、養父信尹の三藐院流を継承し、卓越した能書家であった。茶道は古田織部に学ぶ。連歌も巧みであった。実兄である後水尾天皇を中心とする宮廷文化・文芸活動を良恕法親王、一条昭良らとともに中心人物として担った。また、松花堂昭乗などの文人と宮廷の橋渡しも行っていた。

六条三筋町（後に嶋原に移転）一の名妓・吉野太夫を灰屋紹益と競ったエピソードでも知られる。 太夫が紹益に身請けされ、結婚した際には大変落胆したという話が伝わっている。

関連項目

• 藤原氏
• 尊円流
• 皇別摂家