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'''狗古智卑狗'''(一般的には「くこちひこ」と読む)は、「[[魏志倭人伝|魏書東夷伝]]」に登場する[[狗奴国]]の官。王[[卑弥弓呼]]より先に記されていることから、狗奴国の実権を握っていたとも考えられる。
'''狗古智卑狗'''(一般的には「くこちひこ」と読む)は、「[[魏志倭人伝|魏書東夷伝]]」に登場する[[狗奴国]]の官。王[[卑弥弓呼]]より先に記されていることから、狗奴国の実権を握っていたとも考えられる。
その名前より「菊池彦」に通じるとし[[熊本県]][[菊池郡]]との関連を指摘する説がある。
その名前より「菊池彦」に通じるとし[[熊本県]][[菊池郡]]との関連を指摘する説がある([[倭名類聚抄]]には「菊池」と書いて「久々知(くくち)」と注釈されている)
ちなみに、魏略では拘右智卑狗とあり、河内彦だという説もある。古代の日本語では母音を続けることを嫌う傾向があることから否定する向きも強いが、この漢字の当て字は、当時の中国人が日本人(倭人)の発音をどのように聞こえたのかが重要であり、完全に捨て去ることはできない説だと思われる。
ちなみに、魏略では拘右智卑狗とあり、河内彦だという説もある。古代の日本語では母音を続けることを嫌う傾向があることから否定する向きも強いが、この漢字の当て字は、当時の中国人が日本人(倭人)の発音をどのように聞こえたのかが重要であり、完全に捨て去ることはできない説だと思われる。



2007年10月30日 (火) 11:18時点における版

狗古智卑狗(一般的には「くこちひこ」と読む)は、「魏書東夷伝」に登場する狗奴国の官。王卑弥弓呼より先に記されていることから、狗奴国の実権を握っていたとも考えられる。 その名前より「菊池彦」に通じるとし熊本県菊池郡との関連を指摘する説がある(倭名類聚抄には「菊池」と書いて「久々知(くくち)」と注釈されている)。 ちなみに、魏略では拘右智卑狗とあり、河内彦だという説もある。古代の日本語では母音を続けることを嫌う傾向があることから否定する向きも強いが、この漢字の当て字は、当時の中国人が日本人(倭人)の発音をどのように聞こえたのかが重要であり、完全に捨て去ることはできない説だと思われる。

読み下し文・原文

  • その南に狗奴国あり。男子を王となす、その官に狗古智卑狗あり。女王に属さず。
  • 「其南有狗奴國 男子爲王 其官有狗古智卑狗 不囑女王」 -- 『魏書』東夷伝

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