明見彦山古墳群

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明見彦山 古墳群の位置(高知県内)
明見彦山 古墳群
明見彦山
古墳群
明見彦山古墳群の位置
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土佐の横穴式石室古墳の変遷[1][2]
須恵器型式 特徴 主な古墳
盟主墳 その他
TK10新相
-TK43
明見3号型石室導入 明見彦山3号墳
長畝4号墳
蒲原山東1・2号墳
TK43 舟岩型石室導入 伏原大塚古墳
TK209 舟岩型石室普及
風水的選地導入
小蓮古墳 舟岩1・3・8号墳
明見彦山1号墳
一宮大塚古墳
三ツ塚下古墳
新改古墳
TK217 角塚型石室導入 朝倉古墳

明見彦山古墳群(みょうけんひこやまこふんぐん)は、高知県南国市明見にある古墳群。南国市指定史跡に指定されている。

「彦山」と称される丘陵の麓において、3基の古墳(1号墳・2号墳・3号墳)で構成される古墳時代後期の古墳群である[3]

一覧[編集]

1号墳[編集]

明見彦山1号墳
石室俯瞰図

明見彦山1号墳北緯33度34分13.39秒 東経133度36分57.68秒 / 北緯33.5703861度 東経133.6160222度 / 33.5703861; 133.6160222 (明見彦山1号墳)座標: 北緯33度34分13.39秒 東経133度36分57.68秒 / 北緯33.5703861度 東経133.6160222度 / 33.5703861; 133.6160222 (明見彦山1号墳))は古墳群の南西に位置し、朝倉古墳高知市朝倉)・小蓮古墳(南国市岡豊町小蓮)と合わせて「土佐三大古墳」と総称される。近年では2005年度(平成17年度)に墳丘測量・石室実測調査が[4]2010年度(平成22年度)に発掘調査が実施されている[5]

直径14メートルの円墳と見られ(一辺14メートルの方墳の可能性もある)、中央に両袖式横穴式石室を開口する[6]。石室規模は次の通り[4][5]

  • 石室全長:8.96メートル
  • 玄室
    • 長さ:5.64メートル
    • 幅:2.16メートル(奥壁付近)、2.14メートル(玄門付近)
    • 高さ:2.8メートル
  • 羨道
    • 長さ:3.32メートル
    • 幅:1.20メートル

1号墳は盗掘を受けているが、発掘調査では須恵器・玉類などの副葬品が出土している[5]。出土品より、築造時期は古墳時代後期の6世紀末-7世紀初頭頃と推定される[5]

2号墳[編集]

明見彦山2号墳は1号墳の東にあったとされるが、現在は破壊され消滅しており詳細は不明。3号墳よりも大きな横穴式石室を持ち、首長墓的位置づけであったといわれる[3]

3号墳[編集]

明見彦山3号墳
石室俯瞰図

明見彦山3号墳北緯33度34分17.81秒 東経133度37分1.18秒 / 北緯33.5716139度 東経133.6169944度 / 33.5716139; 133.6169944 (明見彦山3号墳))は、1号墳の北東約200メートルの地に位置する。直径5メートル・高さ2.3メートルの円墳で、両袖式の横穴式石室を開口する[7]。石室規模は次の通り[3]

  • 石室全長:5.8メートル
  • 羨道長さ:1.8メートル

3号墳からは、人骨とともに須恵器・直刀・刀子・馬具・鉄鎌・鉄製鋤先・勾玉・管玉などの副葬品が出土している[7]。出土品より、築造時期は古墳時代後期の6世紀後半頃と推定される[7]

文化財[編集]

南国市指定文化財[編集]

  • 史跡
    • 明見彦山古墳群 - 1966年(昭和41年)4月30日指定[8]

脚注[編集]

  1. ^ 古墳時代終末期の大型横穴式石室にみる瀬戸内とその周辺の政治的関係(高知大学考古学調査研究報告 第10冊)』 高知大学人文学部考古学研究室、2012年、pp.7-20(リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」)。
  2. ^ 科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書「横穴式石室導入に見る南四国と瀬戸内の古墳展開の研究」 (PDF) 清家章、2013年。
  3. ^ a b c 明見彦山古墳群(平凡社) 1983.
  4. ^ a b 南国市における大型後期古墳の調査 2006, pp. 1–4, 5–11, 23–29.
  5. ^ a b c d 埋文こうち 第25号 2012, p. 7.
  6. ^ 南国市における大型後期古墳の調査 2006, pp. 5–11, 23–29.
  7. ^ a b c 史跡説明板。
  8. ^ 「明見彦山古墳群」『南国市史 下巻』 南国市史編纂委員会編、南国市、1982年、pp. 1020-1021。

参考文献[編集]

  • 史跡説明板(南国市教育委員会設置)
  • 「明見彦山古墳群」『日本歴史地名大系 40 高知県の地名』平凡社、1983年。ISBN 4582490409 
  • 南国市における大型後期古墳の調査(高知大学考古学調査研究報告 第3冊)』高知大学人文学部考古学研究室、2006年http://sitereports.nabunken.go.jp/9544  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
  • 「南国市 明見彦山1号墳」『埋文こうち 第25号 (PDF)』高知県教育委員会文化財課、2012年、7頁。 

外部リンク[編集]

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