元犬
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元犬(もといぬ)は、落語の演目の一つ。原話は、文化年間に出版された笑話本「写本落噺桂の花」の一編である「白犬の祈誓」。
あらすじ
[編集]白犬は人間に近く、信心すれば来世には人間に生まれ変われる。
近くに住む(人間の)ご隠居からそんな話を聞き、一念発起して目黒不動にお百度を踏みに来た白い犬。
「できれば、今生のうちに人間になりたいと思います」
満願の日、一心不乱に祈っているとにわかに毛が抜け、あっという間に人間の姿になった。
大喜びした犬は、たまたま通りかかった件の隠居に事情を話し、『四郎』という名前を付けてもらって仕事の世話をしてもらう。
片岡さんという人のところで奉公をすることになった彼だが、つい犬の習性が出て失敗ばかり。
「焙炉(ほいろ)を火にかけてくれ」と言われ、『吼えろ』と聞きちがえて「ワンワン!」。
そのうち、女中のお元さんに用事ができ、片岡さんが「お元はいぬか?」と声をあげると四郎が勘違いして
「元は犬でございましたが、今朝がた人間になりました」
概要
[編集]サゲは、「お元はいぬ(いる)か」と「元は犬か」を引っ掛けた地口落ち。
『白犬は人間に近い』という俗信をもとにしたもので、説教などにも似たような内容の噺が存在する。
その他
[編集]- 飯野文彦『白い犬』はこの落語をベースとしている。
- 2024年放送のテレビアニメ『わんだふるぷりきゅあ!』の主人公が犬から人間に変身するという設定は元犬から着想を得ている[1]。
- 犬がお参りする場所を「蔵前の八幡様」としている場合もあり、これに因み東京都台東区蔵前の蔵前神社(元は八幡宮)には元犬像が建てられている。
元犬が初高座の落語家
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 『わんだふるぷりきゅあ!』通算21作目の『プリキュア』ED。その舞台裏をいち早く紹介 CGWORLD.JP 2024年4月5日 2024年9月12日 閲覧
参考
[編集]- 武藤禎夫「定本 落語三百題」解説