ペンギン・クラシックス

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ペンギン・ブックスの80周年(2015年)に発行されたPenguin Little Black Classics80冊のタイトル

ペンギン・クラシックス英語: Penguin Classics)とは、ペンギン・ブックス出版社の出版物の内、文学古典作品英語スペイン語ポルトガル語韓国語やその他広く世界の言語からの作品が出版されているシリーズを指す。文学批評家たちはこのシリーズの書籍を西洋正典の重要な要素と見なす傾向があるが、多くのタイトルは翻訳されたか、西洋以外の起源のものであった。実際、このシリーズの誕生から数十年間は翻訳書のみであったが、1986年になってやっと英語からの図書がペンギン・ブックスに組み込まれた。

歴史[編集]

最初のペンギン・クラシックスは『オデュッセイア』のE.V.リュー(E. V. Rieu)による英訳で(1946年出版)、リューはこのシリーズの総合編集者になった。彼はロバート・グレーヴスドロシー・セイヤーズなどの文学小説家を翻訳者として探しだして、彼らが「多くの既存の翻訳が現代人に合わない、古風な好みと外国の言い回しを避けてくれるだろう」と信じてのことであった。

1964年にベティ・ラディス(Betty Radice)とウィリアム・バルディック(William Baldick)が共同編集者としてリューを引き継ぎ、1974年にラディスが単独の編集者となり、21年間編集者を務めた。[1]編集者としてのラディスは、人気のある本には奨学金を設定するように主張し、以前の平文のペンギン・ブックスの慣習を修正し、脚注、参考図書、地図、注釈、索引を追加した。彼女は「古典」の規範を広げ、学術的基準を守りながらも読者を励まし、多様化させた。[2]

シリーズ[編集]

ペンギン・ブックスには、次のような専門化した分野のシリーズがある。

参照項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Radice, William; Reynolds, Barbara (1987). The Translator's Art. Essays in honour of Betty Radice. Harmondsworth, UK: Penguin. p. 29.
  2. ^ Fowler, R (2016) 'Betty Radice and the survival of classics' in Wyles, R. and E. Hall (eds) Women Classical Scholars: Unsealing the Fountain from the Renaissance to Jacqueline de Romilly, Oxford. p.347-349,358

外部リンク[編集]

  • オフィシャルサイト (米国、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカのサイトへ移動できる)