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ビス(ピナコラート)ジボロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビス(ピナコラート)ジボロン
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識別情報
略称 B2pin2
CAS登録番号 73183-34-3 チェック
PubChem 2733548
ChemSpider 2015334 ×
特性
化学式 C12H24B2O4
モル質量 253.94 g mol−1
融点

137-140 °C, 410-413 K, 279-284 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ビス(ピナコラート)ジボロン (Bis(pinacolato)diboron) は2つのホウ素原子にピナコラート配位子が1つずつ結合しており、その2つのホウ素原子が共有結合で結ばれている化合物である。化学式は[(CH3)4C2O2B]2で表される。ピナコール基は"pin"と略される場合があるため、この化合物の構造式もB2pin2と表される場合がある。無色の固体で有機溶媒に可溶である。ピナコールボロン酸エステルを有機合成するための試薬として市販されている。他のジボロン化合物とは異なり、B2pin2は湿気に敏感ではないため空気中での取り扱いが可能である[1]

調製と構造

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ビス(ピナコラート)ジボロンはテトラキス(ジメチルアミノ)ジボロンとピナコール酸性条件で反応させることで得られる[1]。この化合物のB-B結合の結合長は1.711(6) Åである[2]

反応

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B-B結合はアルケンアルキンに付加し、1,2-ジボリル化アルカン、アルケンを与える。様々な有機ロジウム化合物英語版有機イリジウム化合物触媒を使うことで、飽和炭化水素にも導入することができる[3]

CH3(CH2)6CH3 + [pinB]2 → pinBH + CH3(CH2)7Bpin

これらの反応は遷移金属ボリル錯体を経由して進行する。

脚注

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  1. ^ a b Tatsuo Ishiyama; Miki Murata; Taka-aki Ahiko; Norio Miyaura (2004). "Bis(pinacolato)diboron". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 10, p. 115
  2. ^ Kleeberg, Christian; Crawford, Andrew G.; Batsanov, Andrei S.; Hodgkinson, Paul; Apperley, David C.; Cheung, Man Sing; Lin, Zhenyang; Marder, Todd B. (2011). “Spectroscopic and Structural Characterization of the CyNHC Adduct of B2pin2 in Solution and in the Solid State”. J. Org. Chem. 77 (1): 785–789. doi:10.1021/jo202127c. 
  3. ^ Xinyu Liu (2003). “Bis(pinacolato)diboron”. Synlett英語版: 2442–2443. doi:10.1055/s-2003-43344.