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パガニーニの主題による変奏曲 (ブラームス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
音楽・音声外部リンク
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Brahms: Variations on a Theme by Paganini, Op. 35 - Book 1
Brahms: Variations on a Theme by Paganini, Op. 35 - Book 2
いずれもジュリアス・カッチェンの演奏、Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック

パガニーニの主題による変奏曲》(パガニーニのしゅだいによるへんそうきょく)作品35は、ヨハネス・ブラームスピアノ曲1862年から1863年にかけて作曲され、1865年11月に作曲者自身によりチューリヒにおいて初演された。

パガニーニの有名な《カプリッチョ第24番 イ短調》を主題にした変奏曲で、親交を結んだフランツ・リスト門下のカール・タウジヒの提案で作曲された上に、もともと芸術的練習曲として構想されたこともあり、情緒の深みと至難な超絶技巧の要求[1]で名高い。なお、初版の表紙には「変奏曲」の横に小さく「練習曲」と書かれていた。

弟子のピアニスト、エリーザベト・フォン・シュトックハウゼン(ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクの妻)に献呈された。

楽曲構成

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次のように2巻に分けられており、それぞれパガニーニの主題の後に、12の変奏が続いている。特記しているもの以外は、すべて調性は原調(イ短調)と主題の拍子が保たれている。第1部・第2部のいずれとも、超絶技巧を要する華麗で長めの終曲が置かれている。

第1部(作品35-1)

  • 主題 2/4拍子、ノン・トロッポ・プレスト Non troppo presto
    • 第1変奏 右手は平行6度、左手は平行3度の練習曲
    • 第2変奏 右手はオクターヴ、左手は平行6度の練習曲
    • 第3変奏 6/8拍子
    • 第4変奏 12/16拍子。アルペッジョトリルの練習曲
    • 第5変奏 右手が2/4拍子、左手が3/4拍子。クロスリズムクロスフレーズの練習曲で、楽譜どおりに弾くのは困難。
    • 第6変奏 オクターヴの練習曲
    • 第7変奏 6/8拍子。オクターヴ連打と跳躍の練習曲
    • 第8変奏 6/8拍子。オクターヴと平行3度の練習曲
    • 第9変奏 トレモロと、オクターヴによる半音階進行の練習曲
    • 第10変奏 シンコペーションと両手交叉の練習曲。右手は平行3度、左手はアルペッジョ。後半でカノン的に処理される。
    • 第11変奏 Andante (イ長調) ユニゾンの練習曲と4声を処理する練習曲。
    • 第12変奏 (イ長調)右手が6/8拍子、左手が2/4拍子。クロスリズムクロスフレーズの練習曲。
    • 第13変奏 オクターヴによる線的進行とグリッサンドおよび分散和音の練習曲
    • 第14変奏 Allegro - Con fuoco - Presto ma non troppo これまでに使われた演奏技巧の回想ならびに総括。

第2部(作品35-2)

  • 主題
    • 第1変奏 左手の平行3度、右手のオクターヴによる跳躍。
    • 第2変奏 Poco animato オクターヴによるアルペッジョとクロスリズムの練習曲。
    • 第3変奏 平行3度とオクターヴの交替。
    • 第4変奏 Poco allegretto (イ長調)3/8拍子。
    • 第5変奏 3/8拍子。
    • 第6変奏 Poco più vivace 3/8拍子。
    • 第7変奏
    • 第8変奏 Allegro 6/8拍子。
    • 第9変奏
    • 第10変奏 Feroce, energico 6/8拍子。
    • 第11変奏 Vivace
    • 第12変奏 Poco andante (ヘ長調)6/8拍子。
    • 第13変奏 Un poco più andante
    • 第14変奏 2/8拍子~6/8拍子~2/4拍子。

録音

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有名なものとしてアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリスヴャトスラフ・リヒテルヴィルヘルム・バックハウスエフゲニー・キーシンジュリアス・カッチェンペーター・レーゼルの演奏がある。若手ピアニストが国際コンクールの最終予選でよく弾く。録音点数はそのため、増加中である。

脚注

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  1. ^ Dubal, David (2004). The Art of the Piano: Its Performers, Literature, and Recordings (3rd ed.). Amadeus Press. p.435

外部リンク

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