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ノックアウト (1914年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノックアウト
The Knockout
監督 チャールズ・アヴェリー
脚本
製作 マック・セネット
出演者 ロスコー・アーバックル
ミンタ・ダーフィ
エドガー・ケネディ
チャールズ・チャップリン
フランク・オッパーマン
アル・セント・ジョン
ハンク・マン
マック・スウェイン
撮影 フランク・D・ウィリアムズ
配給 キーストン・フィルム・カンパニー
公開 1914年6月11日
上映時間 27分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 サイレント映画
英語字幕
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The Knockout

ノックアウト』(The Knockout) は、1914年公開の短編サイレント映画キーストン社による製作で、監督はチャールズ・アヴェリー英語版。1971年に映画研究家ウノ・アスプランドが制定したチャールズ・チャップリンのフィルモグラフィーの整理システムに基づけば、チャップリンの映画出演17作目にあたる[1][注釈 1]

日本語表記の別名は『デブの選手[2]

あらすじ

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ボクサーのパグ(ロスコー・"ファッティ"・アーバックル)は周囲におだてられた末に、サイクロン・フリン(エドガー・ケネディ英語版)との「勝者総取り」の試合に臨むこととなった。試合ではパグとフリンはレフェリー(チャップリン)にパンチを浴びせかけ、レフェリーはふらふらになりながらも仕事を務めた。やがてパグはなぜか二丁拳銃を手に入れ、アリーナ狭しとフリンを追い掛け回す。そこにキーストン・コップスの一団が現れ、パグを海の中までも追いかけて捕縛する[3]

背景・評価

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『ノックアウト』はあくまでアーバックル扮するパグとケネディ扮するフリンが主人公であるが、公開の時点ではポスターのようにチャップリンの名前が強調されてチャップリン映画の一つとして売り出された[4]。チャップリンの出演時間はおよそ2分程度であるが、客寄せの意味で出演したか手空きの俳優がいれば例外なく出演させるキーストン映画の流儀の一つのどちらかと考えられている[4]。しかし、わずか2分程度の出演とはいえその演技には『チャップリンの拳闘』や『街の灯』のボクシングシーンに通じるものがあり、強烈なパンチを食らったあと、座り込んだ態勢のままロープを頼りに移動してテンカウントを数えるギャグについてチャップリンの伝記を著した映画史家のデイヴィッド・ロビンソン英語版は、「ほかの部分とは水と油ほど違う」と評している[4]。ノンフィクション作家で映画史家のテッド・オクダ英語版は、ミンタ・ダーフィ扮するパグの女友達が変装しながら試合を観戦するシーンについて「女性が男性優位のスポーツを見ることすらはばかられた時代を象徴するもの」とし、女子ボクサーが主題の『ガールファイト』(2000年)や『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)を見たことがある人が見れば、おそらく興味深く映るだろうと述べている[5]。本作は『ニュー・シネマ・パラダイス』でボクシングのシーンがアルフレッドの上映する映画という設定で使われている。また、熊切和嘉監督の『#マンホール』でも、この映画が登場する[6]

クライマックスの屋敷でのシークレンスは『醜女の深情け』のセットを流用している。

キャスト

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etc

脚注

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注釈

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  1. ^ 1914年製作、2010年発見の『泥棒を捕まえる人』を除く

出典

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参考文献

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  • チャールズ・チャップリン『チャップリン自伝』中野好夫(訳)、新潮社、1966年。ISBN 4-10-505001-X 
  • デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347430-7 
  • デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 下、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347440-4 
  • 大野裕之『チャップリン再入門』日本放送出版協会、2005年。ISBN 4-14-088141-0 
  • Charlie Chaplin at Keystone And Essanay: Dawn of the Tramp - Google ブックス
  • 大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年。ISBN 978-4-14-081183-2 

外部リンク

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