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ヌエバ・エスパーニャ副王の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ヌエバ・エスパーニャ副王の一覧(ヌエバ・エスパーニャふくおうのいちらん)は、1535年から1821年にいたる300年間弱の間に在職した62代(ルイス・デ・ベラスコ2世とフアン・デ・オルテガの2人は2期在職しているため60人)のヌエバ・エスパーニャ副王の一覧である。

概要

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スペインによる北アメリカ大陸の植民地化は1521年のエルナン・コルテスによるアステカ帝国征服にはじまるが、副王制がはじまったのはかなり遅れて1535年のことである。副王はスペイン本国から赴任し、他の権力者であるアウディエンシア、メキシコ大司教などと対立しながらも1821年のメキシコ独立まで続いた。

副王に任命されてから実際にメキシコシティに到着して就任式を行うまでには年単位のずれがあることが多い。下の表の在職年は後者から数えている(ただし最後のフアン・オドノフはメキシコシティに到着する前にメキシコの独立を承認している)。

カルロス1世

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カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)が1535年にはじめて副王を任命した。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
1 アントニオ・デ・メンドーサ 1535-1550 ペルー副王に転任
2 ルイス・デ・ベラスコ1世 1550-1564 在職中に死亡

フェリペ2世

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フェリペ2世の時代(1556-1598年)に任命された副王。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
3 ガストン・デ・ペラルタ
第3代ファルセス侯爵
1566-1567 解任
4 マルティン・エンリケス・デ・アルマンサ 1568-1580 ペルー副王に転任
5 ロレンソ・スアレス・デ・メンドーサ
第4代コルーニャ伯爵
1580-1583 在職中に死亡
6 ペドロ・モヤ・デ・コントレラス 1584-1585 臨時の副王
7 アルバロ・マンリケ・デ・スニガ
初代ビリャマンリケ侯爵
1585-1590 解任
8 ルイス・デ・ベラスコ2世
初代サリナス侯爵
1590-1595 第2代副王の子
ペルー副王に転任
9 ガスパール・デ・スニガ
第5代モンテレイ伯爵
1595-1603 ペルー副王に転任

フェリペ3世

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フェリペ3世時代(1598-1621年)に任命された副王。日本に使節を送ったのは第11代のサリナス侯爵ルイス・デ・ベラスコ2世であり、支倉常長らの慶長遣欧使節を迎えたのは第13代のグアダルカサル侯爵ディエゴ・フェルナンデス・デ・コルドバである。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
10 フアン・デ・メンドーサ・イ・ルナ
第3代モンテスクラロス侯爵
1603-1607 ペルー副王に転任
11 ルイス・デ・ベラスコ2世
初代サリナス侯爵
1607-1611 第8代副王の再任
12 フランシスコ・ガルシア・ゲラ 1611-1612 臨時の副王、在職中に死亡
13 ディエゴ・フェルナンデス・デ・コルドバ
初代グアダルカサル侯爵
1612-1621 ペルー副王に転任

フェリペ4世

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フェリペ4世の時代(1621-1665年)に任命された副王。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
14 ディエゴ・カリーリョ・デ・メンドーサ
初代ガルベス侯爵
1621-1624
15 ロドリーゴ・パチェコ
第3代セラルボ侯爵
1624-1635
16 ロペ・ディエス・デ・アルメンダリス
初代カドレイタ侯爵
1635-1640
17 ディエゴ・ロペス・パチェコ
第7代エスカローナ公爵
1640-1642 解任
18 フアン・デ・パラフォクス 1642 臨時の副王
19 ガルシア・サルミエント・デ・ソトマヨル
第2代サルバティエラ伯爵
1642-1648 ペルー副王に転任
20 マルコス・デ・トーレス 1648-1649 臨時の副王
21 ルイス・エンリケス・デ・グスマン
第9代アルバ・デ・リステ伯爵
1650-1653 ペルー副王に転任
22 フランシスコ・フェルナンデス・デ・ラ・クエバ
第8代アルブルケルケ公爵
1653-1660
23 フアン・フランシスコ・デ・レイバ
第6代アドラダ侯爵
1660-1664 解任
24 オシリオ・デ・エスコバル 1664 臨時の副王
25 アントニオ・セバスティアン・デ・トレド
第2代マンセラ侯爵
1664-1673

カルロス2世

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カルロス2世の時代(1665-1700年)に任命された副王。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
26 ペドロ・ヌーニョ・コロン・デ・ポルトゥガル
第6代ベラグア公爵
1673 在職中に死亡
27 パヨ・エンリケス・デ・リベラ 1673-1680
28 トマス・デ・ラ・セルダ
第3代ラ・ラグナ・デ・カメロ・ビエホ侯爵
1680-1686
29 メルチョル・ポルトカレロ
第3代モンクローバ伯爵
1686-1688 ペルー副王に転任
30 ガスパル・デ・ラ・セルダ
第8代ガルベ伯爵
1688-1696
31 フアン・デ・オルテガ 1696 臨時の副王
32 ホセ・サルミエント・デ・バリャダレス
初代アトリスコ公爵
1696-1701

フェリペ5世

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スペイン・ブルボン朝フェリペ5世およびルイス1世の時代(1700-1746年)に任命された副王。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
33 フアン・デ・オルテガ 1701-1702 臨時の副王。第31代副王の再任
34 フランシスコ・フェルナンデス・デ・ラ・クエバ
第10代アルブルケルケ公爵
1702-1711
35 フェルナンド・デ・アレンカストレ
初代リナレス公爵
1711-1716
36 バルタサル・デ・スニガ
初代アリオン公爵
1716-1722
37 フアン・デ・アクニャ
初代カサ・フエルテ侯爵
1722-1734 在職中に死亡
38 フアン・アントニオ・デ・ビサロン 1734-1740 在職中に死亡
39 ペドロ・デ・カストロ・フィゲロア
初代ラ・コンキスタ公爵
1740-1741 在職中に死亡
40 ペドロ・デ・セブリアン
第5代フエンクララ伯爵
1742-1746

フェルナンド6世

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フェルナンド6世の時代(1746-1759年)に任命された副王。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
41 フアン・フランシスコ・デ・グエメス
初代レビジャヒヘド伯爵
1746-1755
42 アグスティン・デ・アウマダ
第2代アマリージャス侯爵
1755-1760 在職中に死亡

カルロス3世

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カルロス3世の時代(1759-1788年)に任命された副王。ブルボン改革の一環としてヌエバ・エスパーニャの行政組織は大幅に変更された。また七年戦争の結果スペイン領フロリダを失い、かわりにフランス領ルイジアナを得たが、アメリカ独立戦争でイギリスと戦い、その結果再びフロリダを得た。イエズス会が追放され、アルタ・カリフォルニアの植民地化がはじまったのもこの時期である。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
43 フランシスコ・アントニオ・カヒガル・デ・ラ・ベガ 1760 臨時の副王
44 ホアキン・フアン・デ・モントセラト
初代クルイジャス侯爵
1760-1766
45 カルロス・フランシスコ・デ・クロワ
初代クロワ侯爵
1766-1771
46 アントニオ・マリア・デ・ブカレリ 1771-1779 在職中に死亡
47 マルティン・デ・マヨルガ 1779-1783
48 マティアス・デ・ガルベス 1783-1784 在職中に死亡
49 ベルナルド・デ・ガルベス 1785-1786 マティアスの子、在職中に死亡
50 アロンソ・ヌニェス・デ・アロ 1787 臨時の副王
51 マヌエル・アントニオ・フロレス 1787-1789

カルロス4世

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カルロス4世の時代(1788-1808年)に任命された副王。フランス革命の時期と重なる。スペインは当初フランスと戦ったが後に同盟し、第三次サン・イルデフォンソ条約でルイジアナをフランスに返還した。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
52 フアン・ビセンテ・デ・グエメス
第2代レビジャヒヘド伯爵
1789-1794 第41代副王の子
53 ミゲル・デ・ラ・グルア・タラマンカ
初代ブランシフォルテ侯爵
1794-1798
54 ミゲル・ホセ・デ・アサンサ
初代サンタ・フェ侯爵
1798-1800
55 フェリクス・ベレンゲル・デ・マルキナ 1800-1803
56 ホセ・デ・イトゥリガライ 1803-1808 クーデターで逮捕される

半島戦争およびフェルナンド7世の時代(1808-1833年)に任命された副王。メキシコ独立革命の時代に重なる。1812年のカディス憲法の下ではヌエバ・エスパーニャは最高首長 (es:jefe político superiorによって統治されるが、この表では副王に含めている。フェルナンド7世がカディス憲法を破棄したため、法律上副王でなかったのはスペイン立憲革命中に任命されたオドノフのみである。

代数 副王(爵位) 在職年 備考
57 ペドロ・デ・ガリバイ 1808-1809 クーデターによる臨時の副王
58 フランシスコ・ハビエル・デ・リサナ 1809-1810 アランフエス最高中央評議会が任命
59 フランシスコ・ハビエル・ベネガス
初代レユニオン・イ・ヌエバ・エスパーニャ侯爵
1810-1813 カディスの評議会が任命
60 フェリクス・カジェハ
初代カルデロン伯爵
1813-1816 カディスの摂政委員会が任命
61 フアン・ルイス・デ・アポダカ
初代ベナディート伯爵
1816-1821 辞職させられる
62 フアン・オドノフ 1821 メキシコの独立を承認