チャーク城
チャーク城 Chirk Castle | |
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Castell y Waun | |
ウェールズ北部レクサム州区内の位置 | |
概要 | |
現状 | 博物館 |
用途 |
城 ステイトリー・ホーム |
所在地 | チャーク |
自治体 | レクサム |
国 | イギリス、 ウェールズ |
座標 | 北緯52度56分07秒 西経3度05分23秒 / 北緯52.93528度 西経3.08972度座標: 北緯52度56分07秒 西経3度05分23秒 / 北緯52.93528度 西経3.08972度 |
OS | grid reference SJ268380[2] |
標高 | 208メートル (682 ft)[1] |
着工 | 1295年 |
完成 | 1310年 |
所有者 | ナショナル・トラスト |
管理機関 | ナショナル・トラスト |
土地面積 | 480エーカー (190ヘクタール) |
設計・建設 | |
建築家 |
マスター・ジェイムズ[2] (ウォルター・オブ・ヘレフォード)[3] |
著名な点 | 庭園 |
ウェブサイト | |
Chirk Castle, National Trust | |
指定建築物 – 等級 I | |
登録日 | 1952年10月20日 |
登録コード | 598[4] |
チャーク城(チャークじょう、英語: Chirk Castle、ウェールズ語: Castell y Waun〈カステス・ア・ワイン[5]〉)は、ウェールズの北部、レクサム州区のチャークにあるイギリス指定建造物1級 (Grade I) の城である[2][4]。
歴史
[編集]チャーク城は1295年、初代マーチ伯ロジャー・モーティマーの叔父、ロジャー・モーティマー・ド・チャークにより、北ウェールズを取り囲んだ王エドワード1世の城の鎖[6](鉄の輪[7])の一部として築かれていった。城は1310年に完成し[3]、ケイリオグ渓谷の入口を防御した。また、チャークはチャークランド(ウェールズ語: Swydd y Waum)のマーチャーロードシップにとっての行政的中心地であった。
1595年、城はトマス・ミドルトンにより[2]、5000ポンドで買い取られた。彼の息子トマス・ミドルトン卿 (Sir Thomas Myddelton of Chirk Castle) は、イングランド内戦には国会議員(円頂党)であったが、1659年のジョージ・ブースの蜂起 (‘Cheshire rising’) の際には国王派(騎士党)となった。城は1659年に一部が取り壊され、その後、王政復古に次ぐ1673-1678年に、第2代准男爵トマス・ミドルトンにより、方立と無目の窓 (Mullioned and transomed windows) が挿入されるなどして再建されていった[2]。
19世紀、シャーロット・ミドルトン (Charlotte Myddelton) と結婚したロバート・ビドゥルフが、ミドルトン・ビドゥルフを名乗り、城はミドルトン家からミドルトン・ビドゥルフ家に継承されている。第一次世界大戦前の1910年、第8代ハワード・ド・ウォルデン男爵トマス・スコット・エリスに貸与されると[9]、1911年の入居前に大規模な修繕が施されたほか、チャークに多くの足跡を残した[10]。また、第二次世界大戦後期には、城の一部が避難者のために開放されたことも知られる[11][12]。ミドルトン家が長く所有していたチャーク城は、1981年よりナショナル・トラストに移管された[3][13]。子孫のリリッド・ミドルトン中佐は[14]、1952年から1988年に亡くなるまで女王エリザベス2世の侍従 (extra equerry) であった[15]。
緑地・庭園
[編集]チャーク城は、面積 480エーカー (190ヘクタール) の広大な敷地内にあり[17]、その18世紀に造園された緑地公園にある 5.5エーカー (2.2ヘクタール) の庭園が知られ[18]、刈り込まれたイチイ (yew) の垣根、草木の植栽、ロックガーデン(石庭)[19]、それにテラスがある[20]。
周囲の緑地帯は、当初14世紀にディアパーク(deer park〈シカ園地〉)として配置された[21]。17世紀初頭からは城に隣接して、おそらく東側に、公式庭園(フォーマルガーデン)と家庭菜園(キッチンガーデン)双方があった。
チャーク城の錬鉄製の門は、1712年、第3代准男爵トマス・ミドルトンの依頼によりバーシャムの鍛冶職人であったデイヴィス兄弟が製作し、1719年に完成した[16]。1770年[22](-1771年)と1888年に移動した後、何度か改修されているこの精緻な城門も[16]イギリス指定建造物1級 (Grade I) に登録されている(1966年1月4日指定)[23]。門の傍らにある平屋で半木骨造のスゥイン・ア・キル・ロッジ (Llwyn-y-cil Lodge) は1888年に建てられたもので[24]、同じく指定建造物2級 (Grade II) である(1998年7月29日指定)[25]。また、この一帯は、チャーク城と緑地公園(英語: Chirk Castle and Parkland、ウェールズ語: Castell y Waun a’i Barcdir)として[26]、学術研究上重要地域 (Site of Special Scientific Interest; SSSI) に指定されている[21]。
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緑地からの遠景
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チャーク城付近
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中庭と小塔(タレット)の時計
脚注
[編集]- ^ “Elevation of National Trust - Chirk Castle, Chirk LL14 5AF, UK”. Worldwide Elevation Map Finder. 2021年10月9日閲覧。
- ^ a b c d e “Chirk Castle”. British Listed buildings. 2021年10月9日閲覧。
- ^ a b c “Chirk Castle, Wrexham (Accredited Museum)”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ a b “Summary Description of a Listed Buildings; 598”. Full Report for Listed Buildings. Cadw. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “カムリの地名カタカナ表記リスト” (XLS). カムリの地名のカタカナ表記. 日本カムリ学会(日本ウェールズ学会). 2021年10月9日閲覧。
- ^ 田辺雅文 著、「旅名人」編集部 編『ウェールズ - 英国の中の“異国”を歩く』(第2版)日経BP社〈旅名人ブックス 16〉、2002年(原著1999年)、163-164頁。ISBN 4-8222-2209-8。
- ^ R・G・グラント、アン・ケイ、マイケル・ケリガン、フィリップ・パーカー 著、田口孝夫、田中英史、丸川桂子 訳『ビジュアル版 イギリスの歴史』東洋書林、2012年(原著2011年)、90頁。ISBN 978-4-88721-800-0。
- ^ “The North East Prospect of Chirk Castle (after Thomas Badeslade)”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Twentieth-century indulgence”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Lord Howard de Walden, patron of Wales”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ oldpetanquer (2005年4月29日). “WW2 People's War: an Evacuee in Chirk”. BBC. 2021年10月9日閲覧。
- ^ Powell, David (2005年6月27日). “The evacuees who were made kings of our castles”. NorthWalesLive. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “A Welshman's home is NOT his castle”. NorthWalesLive (004-03-24). 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Changing fashions in the Myddelton family home”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Ririd Myddelton”. NorthWalesLive (004-03-24). 2021年10月9日閲覧。
- ^ a b c Sayer, Huw (2018年9月23日). “October 2018 - Building a legend”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Explore the Chirk Castle estate”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Relax in our glorious gardens”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Chirk Castle enters solar age”. National Trust. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Chirk Castle 2-for-1 entry”. Gardener's World.com. Immediate Media. 2021年10月9日閲覧。
- ^ a b “Find space to explore on the Chirk estate”. National Trust. 2021年10月7日閲覧。
- ^ “Chirk Castle Gates, Chirk”. Coflein. Site Record. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Chirk Castle Gates, Screen and Piers”. British Listed buildings. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Chirk Castle Lodge, Llwyn-y-cil, Chirk”. Coflein. Site Record. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Llwyn-y-cil Lodge”. British Listed buildings. 2021年10月9日閲覧。
- ^ Alexander, K.N.A. (2019) (PDF), An Assessment of the Current Condition of the Saproxylic Invertebrate Assemblage at Castell y Waun a’i Barcdir/Chirk Castle and Parkland SSSI in 2018, NRW Evidence Report No. 317, Natural Resources Wales 2021年10月9日閲覧。
関連文献
[編集]- Mahler, Margaret (1912). A History of Chirk Castle and Chirkland. London: G. Bell and Sons