ダヌムバレー保護地域
ダヌムバレー保護地域 Danum Valley Conservation Area | |
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日の出のダヌム・バレー | |
地域 | マレーシア、サバ州 |
最寄り | ラハダトゥ |
座標 | 北緯4度55分 東経117度40分 / 北緯4.917度 東経117.667度座標: 北緯4度55分 東経117度40分 / 北緯4.917度 東経117.667度 |
面積 | 438km² |
創立日 | 1998年 |
運営組織 | サバ財団 |
公式サイト |
ダヌムバレー保護地域(ダヌムバレーほごちいき、英語: Danum Valley Conservation Area)は、マレーシアのサバ州に位置するセガマ川の源流域にある、相対的に人手の及んでいない低地フタバガキ林の438平方キロメートル区域である[1][2]。ダナンバレー保護区(自然保護地域)などとも称される。
保護地域になる前、地域内に人の定住はなく、狩猟、伐採、その他人間の干渉がなかった特有の地域であったことから、一帯は独自の状態を保っている。地域は保護、研究、教育、および自然研修の目的で、サバ財団により管理されている。
地理
[編集]最寄りの町であるラハダトゥの西70キロメートルに位置し[2]、行程にして97キロメートルの距離(主に林道を車で約2時間)にある[3]。保護地域にはその名にもなったセガマ川の支流ダヌム川が流れる[1][4]。
1986年に開設されたダヌムバレー・フィールドセンターは科学者や教育目的のための研究施設であり、また、1995年に保護地域指定の後オープンしたボルネオ・レインフォレスト・ロッジという宿泊施設が旅行者の滞在のためにある[1]。そこから訪問者は低地雨林の小道(トレイル、Trail)をガイドと一緒に散策することができ、多くの人が主に野鳥観察のために出かける。林冠を渡す吊り橋である高さ27メートル、延長300メートルのキャノピー・ウォークウェイ (Canopy Walkway) も設置されている[2]。その他の活動としてはナイトウォークやナイトドライブが挙げられる[5]。
野生生物
[編集]低地雨林は多くの鳥や哺乳動物の生息場所であり、2009年に新種のメガネハナドリ(英名: Spectacled Flowerpecker)が記録された唯一の場所である[6][7]。哺乳類は125種が記録されており[1]、オランウータン、テナガザル、およびメガネザルを含むその他の霊長目のほか、シカ(スイロク[5])、ヤマネコ、希少なボルネオゾウ (Elephas maximus borneensis) も観察される。その他注目すべき種として、マレーグマやスマトラサイが地域に生息する。
脚注
[編集]- ^ a b c d 安間 (2002)、140-144頁
- ^ a b c “Danum Valley Conservation Area”. Sabah Tourism Board(サバ州政府観光局、英語版). 2013年5月9日閲覧。
- ^ “ダヌン・バリー自然保護区”. サバ州政府観光局(日本語版). 2013年5月9日閲覧。
- ^ 上島善之『熱帯雨林を歩く』旅行人、2010年、17-23頁。 (PDF)
- ^ a b 浅間 (2005)、212-213頁
- ^ “東南アジアのボルネオ島で新種の鳥発見=英研究者ら”. ロイター (2010年1月14日). 2013年9月8日閲覧。
- ^ David P. Edwards; Richard E. Webster & Rose Ann Rowlett (2009-12). “‘Spectacled Flowerpecker’ : a apecies new to science discovered in Borneo?”. BirdingASIA (Oriental Bird Club): 38-41.
参考文献
[編集]- 浅間茂『フィールドガイド ボルネオ野生動物』講談社〈ブルーバックス〉、2005年。ISBN 4-06-257498-5。
- 安間繁樹『ボルネオ島 アニマル・ウォッチングガイド』文一総合出版、2002年。ISBN 4-8299-2165-X。
外部リンク
[編集]- “Danum Valley Field Centre”. 2013年5月9日閲覧。 - ダヌムバレー・フィールドセンター