タバコ入れ
タバコ入れ(英:cigarette case、cigarette tin)はタバコを入れるための容器である。中身がぐしゃぐしゃにならないようにするため、金属など頑丈な素材で作られていることが多く、たいていは2つ折りにした平たい形状であり、ばねや伸縮性のあるひもで開け閉めができるようになっている。
たいていは両側に数本ずつ入れる仕組みとなっている一方、箱入りタバコをそのまま保管するタイプのものもある。
形状・用途
[編集]現代においてはプラスチック製のタバコ入れも存在するほか、ライターや灰皿が内蔵されたタイプもある。
また、サイズが小さいことから、タバコとは無関係のものを入れることもできる。
シガレット・ボックス
[編集]シガレット・ボックスとは、葉巻の保湿箱に相当するものであり、木やガラスなどでできている。この箱はタバコ入れよりも大きい分タバコの入る量も多く、家主や客人が使えるよう、事務机やコーヒーテーブルの上に置いてあることが多い。1920年代から30年代に一般的だったタイプは50本も入ることから"flat fifties"と呼ばれることもあった。
アクセサリおよびコレクターズ・アイテムとしてのタバコ入れ
[編集]喫煙文化において、タバコ入れはアクセサリ としての一面もあり、素材に貴金属や宝石を用いたり、 エングレービングやモノグラムを施すこともあった[1]。 インペリアル・イースター・エッグで知られるピーター・カール・ファベルジェも、 皇帝一家のために金や宝石をあしらったタバコ入れを献上しており[2] たとえば ダニエル・スティールが所有しているタバコ入れの場合は25,000ドルの価値がついているという[3][4]。
また、タバコ入れは収集の対象となることもある[2]
一般的に「シルバーのタバコ入れ」と言われるものは、クロムめっきであることが多いものの、銀メッキやアルミ、さらにはスターリングシルバーが用いられることもあった。 [5]
NAICSにおいて、タバコ入れの装飾を行う事業者は339914 "Costume jewelry and novelty manufacturing"に割り振られる
歴史
[編集]江戸時代の日本においては、擬革紙で作られたタバコ入れが伊勢参りの土産物として人気を集めた[6]。
弾除けとしての効能があったことから、第一次および第二次世界大戦に参加した兵士たちの間で愛用されてきた[5]。
2003年、欧州連合におけるたばこ警告表示の取り決めに関する不備がきっかけで、物騒な警告表示を見たくないというニーズからタバコ入れが急に売れるようになった[5]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ B. “Dedications on silver cigarette boxes - an article on ASCAS: Association of Small Collectors of Antique Silver website”. www.ascasonline.org. 2017年3月19日閲覧。
- ^ a b "Smoking Related Collectables" Archived March 9, 2011, at the Wayback Machine., originally published in the UK monthly magazine What It's Worth?)
- ^ Vickie L. Bane, Lorenzo Benet (1995) "The Lives of Danielle Steel: The Unauthorized Biography of America's #1 Best-Selling Author" ISBN 0-312-95575-8 p. 340
- ^ “E-Cigarettes 95% Less Harmful Than Traditional Tobacco” (オランダ語). esigaret-kopen.nl. April 29, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月19日閲覧。
- ^ a b c Day, Elizabeth (October 15, 2003). “Film star glamour of cigarette cases hides truth for smokers”. The Daily Telegraph 2009年1月14日閲覧。
- ^ “江戸の伊勢参りで人気、紙製たばこ入れを復刻 三重:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年4月27日). 2024年5月2日閲覧。