タシスム
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タシスム(Tachisme または Tachism、フランス語の「tache」染み、から)は、1940年代から1950年代のフランスの抽象絵画の様式の一つである。評論家のシャルル・エスティエンヌが1954年、新しい抽象絵画、とりわけジョルジュ・マチューらのものに投げつけられた「タッシュ(しみ、汚点)のようだ」との批判的言説を逆用してタシスムという言葉を用い、これを理論付けている。
歴史
[編集]スタイルの違いはあるが、ヨーロッパからの反応ということもあり、抽象表現主義と解釈することも可能である[1]。
タシスムはアンフォルメルという第二次世界大戦後まもなくのヨーロッパなどにおける、激情の込められた抽象絵画の流れの一部をなしている。タシスムのほかに叙情的抽象という用語も使われる。また、ヨーロッパにおける抽象表現主義やアクション・ペインティングとみなされることもある。
タシスムはキュビズム[2]などのクールな幾何学的抽象に対する反動であり、無意識的な筆の動かし方、チューブから搾り出したままの絵具の斑点や滴り、書道を思わせる走り書きなどを特徴としていた。
主な作家
[編集]- ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet, 1901-1985)
- ジャン・フォートリエ(Jean Fautrier, 1898-1964)
- サム・フランシス(Sam Francis, 1923-1994)
- ハンス・アルトゥング(en:Hans Hartung, 1904-1989)
- ジョルジュ・マチュー(en:Georges Mathieu, 1921-2012)
- アンリ・ミショー(Henri Michaux, 1899-1984)
- ピエール・スーラージュ(Pierre Soulages, 1919- )
- アントニ・タピエス(Antoni Tapies, 1923-2012)
- ヴォルス(Wols (Alfred Otto Wolfgang Schulze), 1913-1951)
- セルジュ・ポリアコフ(en:Serge Poliakoff, 1900 – 1969)
脚注
[編集]- ^ Walker, John (1992). A Glossary of Art, Architecture and Design Since 1945 (3rd ed.). G. K. Hall & Co.. ISBN 9780853656395
- ^ ピカソやブラックらが有名画家だった