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ジェラルディン・ファーラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェラルディン・ファーラー
Geraldine Farrar
Geraldine Farrar
1918年撮影
本名 Alice Geraldine Farrar
生年月日 (1882-02-28) 1882年2月28日
没年月日 (1967-03-11) 1967年3月11日(85歳没)
出生地 アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 メルローズ
死没地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 コネチカット州 リッジフィールド
職業 歌手
女優
ジャンル オペラ
映画
活動期間 1901年 - 1923年
活動内容 1901年ベルリン国立歌劇場ロメオとジュリエット』でオペラデビュー
1904年イギリスグラモフォン社で,黒ラベルレコードの発売開始される
1906年メトロポリタン歌劇場初出演
1907年 - 1923年ビクタートーキングマシン社よりレコード発売[1]
1915年『カルメン』で映画初出演
1923年:事実上の引退
配偶者 ルー・テルゲン(1916年 - 1923年)
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ジェラルディン・ファーラーファラー、Geraldine Farrar, 本名:アリス・ジェラルディン・ファーラー〈Alice Geraldine Farrar〉、1882年2月28日 - 1967年3月11日)は、アメリカ合衆国ソプラノ歌手・映画女優である。

来歴

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蝶々夫人に扮したファーラー
夫のルー・テルゲン。女遊びが理由で離婚。1934年に自殺

マサチューセッツ州メルローズに野球選手の娘として生まれ、5歳から音楽を学ぶ。ヨーロッパに留学後、1901年ベルリン国立歌劇場の『ロメオとジュリエット』ジュリエットを歌ってオペラデビュー、グラモフォン社で、レコードの録音を開始し、黒ラベルレコードで発売された。当時の新人歌手としては発売枚数が多く、そのために1906年には祖国のメトロポリタン歌劇場にジュリエット役で初出演を果たした。これで、アメリカヴィクターの赤盤[注 1]アーティストとして、赤ラベルレコードの録音発売が開始され、同一資本であったグラモフォン社でも、His Mastor's Voiceレーベルの赤ラベルレコードが発売されはじめることとなり、1907年にはベルリン国立歌劇場蝶々夫人を演じて大成功をおさめ、ニューヨークに凱旋した[3]。オペラ出演とアメリカヴィクターでのレコーディングのかたわら1915年にはセシル・B・デミル監督の映画『カルメン』に主演している。1916年にサラ・ベルナールの元恋人でオランダ出身の俳優ルー・テルゲンと結婚したが、1923年に離婚[3]1922年、40歳でオペラの舞台から事実上引退した。電気録音の技術でのレコード作成のため、電気録音のレコードを13面録音した。しばらく未発売であったが、後年製品化されている。その後、有名な指揮者のアルトゥーロ・トスカニーニの愛人となっていたために、トスカニーニはアメリカ合衆国を追放されることとなった。1967年祖国で死去。

出演オペラ

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出演映画

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脚注

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注釈

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  1. ^ グラモフォン社およびアメリカヴィクター社の赤盤アーティストは、クラシック音楽の演奏家や歌手のなかで一流人のみ、この色のラベルをレコード盤に貼ることで、一般人の黒ラベルのレコードと差別化を図り、ギャランティとレコードの発売金額も高い値段が設定されていた。ただし一流のオーケストラのウインナフィルハーモニックオーケストラは、よい録音のよい音楽を世間一般にも広めたいと、黒ラベルレコードでの発売にしていた。[2]

出典

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  1. ^ Geraldine Farrar (vocalist : soprano vocal) - Discography of American Historical Recordings
  2. ^ 野村あらえびす『名曲決定版』。
  3. ^ a b 三浦環「お蝶夫人を通して想うこと」『わが芸術の道』世界創造社、1942年。
  4. ^ Roméo et Juliette {102} Metropolitan Opera House: 11/26/1906
  5. ^ La Damnation de Faust {4} Metropolitan Opera House: 12/7/1906
  6. ^ Faust {241} Metropolitan Opera House: 12/31/1906
  7. ^ Tannhäuser {146} Metropolitan Opera House: 02/6/1907
  8. ^ Madama Butterfly {1} Metropolitan Opera House: 02/11/1907
  9. ^ Hänsel und Gretel {23}, Pagliacci {61} Philadelphia, Pennsylvania: 03/5/1907
  10. ^ La Bohème {45} Metropolitan Opera House: 03/15/1907
  11. ^ Mefistofele {15} Metropolitan Opera House: 11/20/1907
  12. ^ Don Giovanni {71} Metropolitan Opera House: 02/12/1908
  13. ^ La Traviata {63} Metropolitan Opera House: 02/28/1908
  14. ^ Mignon {23} Metropolitan Opera House: 03/6/1908
  15. ^ Carmen {199} Metropolitan Opera House: 12/3/1908
  16. ^ Carmen {207} Metropolitan Opera House: 11/19/1914
  17. ^ Le Nozze di Figaro {40} Metropolitan Opera House: 01/13/1909
  18. ^ Manon {21} Metropolitan Opera House: 02/3/1909
  19. ^ Werther {4} New York, Manhattan, New Theatre: 11/16/1909
  20. ^ Tosca {59} Metropolitan Opera House: 11/22/1909
  21. ^ Königskinder {1} Metropolitan Opera House: 12/28/1910
  22. ^ Ariane et Barbe-bleue {1}, Ballet Divertissement. Metropolitan Opera House: 03/29/1911
  23. ^ Le Donne Curiose {1}, Imperial Russian Ballet. Metropolitan Opera House: 01/3/1912
  24. ^ Il Segreto di Susanna {1}, Pagliacci {136} Metropolitan Opera Premiere ed. Metropolitan Opera House: 12/13/1912
  25. ^ Julien {1} Metropolitan Opera House: 02/26/1914
  26. ^ Madame Sans-Gêne {1} Metropolitan Opera House: 01/25/1915
  27. ^ Thaïs {1} Metropolitan Opera House: 02/16/1917
  28. ^ Lodoletta {1} Matinee ed. Metropolitan Opera House: 01/12/1918
  29. ^ Il Trittico {1}, Il Tabarro {1}, Suor Angelica {1}, Gianni Schicchi {1} Metropolitan Opera House: 12/14/1918
  30. ^ La Reine Fiammette {1} Metropolitan Opera House: 01/24/1919
  31. ^ Zazà {1} Metropolitan Opera House: 01/16/1920
  32. ^ Louise {1} Matinee ed. Metropolitan Opera House: 01/15/1921
  33. ^ La Navarraise {9}, Cavalleria Rusticana {202} Metropolitan Opera House: 11/30/1921

参考文献

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  • 野崎正俊『オペラ黄金時代のプリマ・ドンナー名ソプラノたちの肖像』(ハンナ、2011)ISBN 488364314X

外部リンク

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