ショウジョウヤシ
ショウジョウヤシ | ||||||||||||||||||||||||
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ショウジョウヤシ
(沖縄県本部町 熱帯ドリームセンター) | ||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Cyrtostachys renda Blume | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
sealing wax palm, lipstick palm |
ショウジョウヤシ(猩々椰子[1]、学名:Cyrtostachys renda[2])はヤシ科の高木。和名の「猩々」は本種の赤い葉軸と葉鞘筒にちなむ[3]。
分類
[編集]ショウジョウヤシ属Cyrtostachysは、7種[4]~10種あまり[1]がマレーシア熱帯地域周辺に分布するとされる。
日本国内には、高さ10 mに達するショウジョウヤシC. renda(スマトラ原産)と、高さ5 mほどのヒメショウジョウヤシC. lakka(マレー・ボルネオ原産)の2種[5][1]が導入とされてきたが、近年の分類ではC. lakkaはC. rendaのシノニムとされている[6][7]。このため本項ではショウジョウヤシC. renda1種としてまとめて記す。
特徴
[編集]樹幹は株立で、高さ5–12 m、径10–15 cmに達し、目立った環状紋を有し竹稈状で、葉鞘筒は長さ60 cmほどで鮮やかな橙~紅色。葉は羽状複葉で長さ2 m、弧を描く。葉軸は長さ15 cmほどで鮮やかな紅色。小葉は50対ほどで長さ45 cm、線形または剣形で、先端は鈍頭または2裂、下面は灰緑色で幼時は鮮緑色、葉軸に対して上向きに鋭角につく。雌雄同株。花序は葉腋に生じ、長さ1.2 m、下垂して分枝し、赤色を呈する。花は緑黄色。果実は長さ1 cm、卵円形、黒色で基部のみ緋色[7]。
分布と生育環境
[編集]マレー半島やスマトラ島、ボルネオ島原産で、泥炭湿地林に分布が限られ、伐採等で自生地は縮小している[3]。
利用
[編集]地表部に多数の側芽を出して大株になることから、熱帯域の植物園では鑑賞樹として見所となっており、シンガポール植物園では並木道として有名[3]。観賞用に栽培されるが、耐寒性は弱く、多湿な熱帯環境が生長に必要とされる。日本国内では、東京ディズニーリゾート [8](注:温室ではない)、フラワーパークかごしま[9]、熱帯ドリームセンター(海洋博公園 沖縄県)[10]などの温室内で主に展示される。
脚注
[編集]- ^ a b c (堀田 1989, p. 357)
- ^ (米倉 & 梶田 2003)
- ^ a b c (Dransfield 1997, p. 119–121)
- ^ “Cyrtostachys”. Kew garden. 2024年8月12日閲覧。
- ^ (白井 1980, p. 77)
- ^ “Cyrtostachys renda”. Kew garden. 2024年8月12日閲覧。
- ^ a b (中須賀, 高山 & 金城 1992, p. 113–114)
- ^ “花と緑の探索 2017年8月23日”. 東京ディズニーリゾート. 2024年8月12日閲覧。
- ^ “ヒメショウジョウヤシ”. フラワーパークかごしま. 2024年8月12日閲覧。
- ^ “熱帯ドリームセンター施設マップ”. 海洋博公園. 2024年8月12日閲覧。
参考文献
[編集]- 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “ショウジョウヤシ Cyrtostachys renda Blume”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年8月12日閲覧。
- DransfieldJohn 著「ショウジョウヤシ C. renda」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 11巻、朝日新聞社、東京、1997年、119–121頁。ISBN 9784023800106。
- 中須賀常雄; 高山正裕; 金城道男『沖縄のヤシ図鑑』ボーダーインク、那覇市、1992年。
- 堀田満 著「ショウジョウヤシ属」、堀田満・緒方健・新田あや・星川清親・柳宗民・山崎耕宇 編『世界有用植物事典』平凡社、東京、1989年、357頁。
- 白井祥平『沖縄園芸植物大図鑑』 2巻《観葉植物(上)》、沖縄教育出版、那覇市、1980年。