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サーソー子爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サーソー子爵
Viscount Thurso

紋章記述

Arms:Quarterly: 1st, Azure a Ship at anchor her oars erect in saltire within the Royal Tressure Or; 2nd and 3rd, Or a Lion rampant Gules; 4th, Azure a Ship under sail Or; over all dividing the quarters a Cross engrailed quarterly Argent and Sable all within a Bordure quartered Or and Gules the last charged with three Stars of the first Crest:A Star of six points waved Argent rising from a Cloud proper Supporters:On either side a Red Deer proper
創設時期1952年4月10日
創設者エリザベス2世
貴族連合王国貴族
初代4代準男爵サー・アーチボルド・シンクレア英語版
現所有者3代子爵ジョン・シンクレア英語版
相続人ジェームズ・シンクレア閣下
付随称号(ウルブスターの)準男爵
現況存続
モットー善行は窮まるところを知らず
(Ad Astra Virtus)
最善を愛す
(J'Aime Le Meilleur)

サーソー子爵 (サーソーししゃく、英語: Viscount Thurso) は、イギリスの子爵貴族連合王国貴族。元自由党党首サー・アーチボルド・シンクレア英語版が1952年に叙されたことに始まる。

シンクレア家は前身として準男爵位を保持しており、本項ではその歴史についても触れる。

歴史

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子爵家の祖 サー・ジョン・シンクレア

庶民院議員サー・ジョン・シンクレア英語版(1754-1835)統計学農学の専門家として知られ、『英国歳入史(History of the Public Revenue of Great Britain)』や『健康長寿事典(Code of Health and Longevety)』といった著書を記した人物である[1][2]。そのジョンが1786年(ケイスネス州ウルブスターの)準男爵(Baronet, of Ulbster in the County of Caithness)を得ており[1][2]、彼が子爵家に連なる始祖となる。

2代準男爵ジョージ(1790–1868)大陸を流浪したのち、父同様に文筆業を生業として紀行文・随筆を残している[3]

3代準男爵ジョン(1824-1912)は庶民院議員[4]やケイスネス副統監[5]を務めている。ジョンの死去時、その息子クラレンス・シンクレアは父に先立って死去していたため、孫アーチボルドが準男爵位を継承した。

4代準男爵アーチボルド(1890-1970)自由党党首や幹事長を歴任した政治家であった[6]。引退後の1952年ケイスネス州ウルブスターのサーソー子爵(Viscount Thurso, of Ulbster in the County of Caithness)に叙されて子爵家を興した[6][7][8]。以降は彼の直系男子による爵位継承が続いている。

その孫の3代子爵ジョン(1953-)1999年貴族院法施行に伴って強制的に議席を喪失したものの、2001年庶民院議員に立候補して世襲貴族ながら当選を果たしている[8]。その後、2015年総選挙により失職したが、翌年に第4代エーヴベリー男爵エリック・ラボック英語版が死去したため、互選を経て再度貴族院議員となり現在に至る[9]


一族の邸宅は、ケイスネス地方にあるサーソー城英語版ハートフォードシャー州チャンプニズ英語版近郊のオーカード・コテージ。

紋章に刻まれるモットーは『善行は窮まるところを知らず(Ad Astra Virtus)』、『最善を愛す(J'Aime Le Meilleur)[8]

現当主の保有爵位

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サーソー城英語版

サーソー子爵家の居城。現在はほとんどが廃墟だが、一部は現在もシンクレア家の邸宅となっている。

現当主である第3代サーソー子爵ジョン・アーチーボルド・シンクレア英語版は、以下の爵位を有している[8]

  • 第3代ケイスネス州ウルブスターのサーソー子爵(3rd Viscount Thurso, of Ulbster in the County of Caithness)
    (1952年4月10日の勅許状による連合王国貴族爵位)
  • (第6代ケイスネス州ウルブスターの)準男爵(6th Baronet, of Ulbster in the County of Caithness)
    (1786年2月14日の勅許状によるグレートブリテン準男爵位)

一覧

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(ウルブスターの)準男爵 (1786年)

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サーソー子爵(1952年)

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第3代サーソー子爵

1999年貴族院改革以降も世襲貴族として貴族院に在籍。

爵位の法定推定相続人は、現当主の息子であるジェイムズ・アレクサンダー・ロビン・シンクレア閣下 (1984-)。

脚注

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註釈

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出典

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  1. ^ a b Biographical Index of Former Fellows of the Royal Society of Edinburgh 1783–2002. The Royal Society of Edinburgh. (July 2006). ISBN 0-902-198-84-X. オリジナルの4 March 2016時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304074135/https://www.royalsoced.org.uk/cms/files/fellows/biographical_index/fells_indexp2.pdf 28 June 2018閲覧。 
  2. ^ a b SINCLAIR, Sir John, 1st Bt. (1754-1835), of Ulbster and Thurso Castle, Caithness. | History of Parliament Online”. www.historyofparliamentonline.org. 2022年9月11日閲覧。
  3. ^ Stronach, George, revised by H. C. G. Matthew (23 September 2004) [2004]. "Sinclair, Sir George, second baronet". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/25617 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  4. ^ Sir John Sinclair (Hansard)”. api.parliament.uk. 2022年9月11日閲覧。
  5. ^ "No. 22504". The London Gazette (英語). 23 April 1861. pp. 1754–1754.
  6. ^ a b Addison, Paul. "Sinclair, Archibald Henry Macdonald, first Viscount Thurso". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/36108 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  7. ^ "No. 39516". The London Gazette (英語). 15 April 1952. p. 2077.
  8. ^ a b c d Thurso, Viscount (UK, 1952)”. www.cracroftspeerage.co.uk. 2022年9月11日閲覧。
  9. ^ “Former Lib Dem MP John Thurso to return to House of Lords” (英語). BBC News. (2016年4月19日). https://www.bbc.com/news/uk-politics-36084455 2022年9月11日閲覧。 

関連項目

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