イサキ科
イサキ科 | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Haemulidae T. N. Gill, 1885 | ||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||
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本文参照
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イサキ科(Haemulidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。17属で構成され、イサキ・コショウダイなど沿岸付近に生息する汽水魚・海水魚を中心に145種が含まれる。
概要
[編集]145種を含むイサキ科は、79科を擁するスズキ亜目の中で5番目に大きい科である。太平洋・インド洋・大西洋など世界中の海に分布し、主に沿岸域の岩礁やサンゴ礁で暮らしている。汽水域で生活する仲間も多いが、淡水に進出するものはまれである。体長は最大で60cmほどになり、食用魚として重要な種類が多く含まれる。
日本沿岸には主にイサキ属・コショウダイ属・コロダイ属の仲間が分布する。そのほとんどが食用に利用され、特にイサキ・チョウチョウコショウダイ・コロダイなどは水産重要種として扱われ、各地で漁獲対象にされる[1]。
ヒゲダイ属(ヒゲダイ・ヒゲソリダイなど)の仲間は従来イサキ科に含められることが多かったが、形態上の相違点が多いこと、沿岸だけでなく大陸棚など深所にまで分布することから、独立のヒゲダイ科として扱うことが提唱されている[2]。
形態
[編集]イサキ科魚類は左右に平たく側扁した体型をもつものが多い。いわゆるコショウダイ亜科(後述)の仲間は、厚い肉質の唇と鮮やかな体色が特徴となっている。体表は全面が微小な櫛鱗で覆われる。口は小さく、顎の歯は絨毛状で細かい。また、鋤骨の歯はないことが多い。背鰭は1つで、9-14本の棘条と11-26本の軟条で構成される。臀鰭の棘条は3本、軟条は6-18本。尾鰭は二又に分かれるものから、丸みを帯びるものまでさまざま。鰓条骨は7本(ヒゲダイ類は6本)、椎骨は26あるいは27個。
分類
[編集]イサキ科は17属145種で構成される[2]。いくつかの亜科に細分されることもあり、1980年代にはミゾイサキ亜科・コショウダイ亜科の2亜科を[2]、またこれに加えてヒゲダイ亜科を置くこともあった[1]。ミゾイサキ亜科の魚類は主に新世界に分布し、13-16本の背鰭軟条をもつのに対し、コショウダイ亜科はインド太平洋と大西洋東部が主な分布域で、背鰭の軟条数は17-26本である。日本沿岸に分布するグループの多く(イサキ属・コロダイ属・コショウダイ属など)はコショウダイ亜科に含まれる。
大西洋東部の熱帯域に分布する Parakuhlia macrophthalmus をイサキ科に所属させる見解もあるが、通常はユゴイ科に置かれることが多い。また、従来イサキ科に含められていたヒゲダイ属 Hapalogenys を、独立のヒゲダイ科(Hapalogeniidae または Haplogeniidae)として分割することが提唱されている。
- アツクチイサキ属 Anisotremus
- イサキ属 Parapristipoma
- クロオビイサキ属 Conodon
- クロホシイサキ属 Orthopristis
- コショウダイ属 Plectorhinchus
- コロダイ属 Diagramma
- タイセイヨウイサキ属 Haemulon
- ミゾイサキ属 Pomadasys
- Boridia 属
- Brachydeuterus 属
- Genyatremus 属
- Haemulopsis 属
- Isacia 属
- Microlepidotus 属
- Xenichthys 属
- Xenistius 属
- Xenocys 属
出典・脚注
[編集]参考文献
[編集]- Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
- 上野輝彌・坂本一男 『新版 魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 2005年 ISBN 978-4-486-01700-4
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2