イゴール・ペトレンコ

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イゴール・ペトレンコ
Игорь Петренко
Игорь Петренко
本名 Игорь Петрович Петренко
生年月日 (1977-08-23) 1977年8月23日(46歳)
出生地 東ドイツの旗 東ドイツポツダム県ポツダム
国籍 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦ロシアの旗 ロシア
身長 183cm
職業 俳優
活動期間 2000年から現在
配偶者 イリーナ・レオノヴァ
(2000年 - 2004年)
エカテリーナ・クリモヴァ
(2004年 - 2014年)
クリスチャン・ブロディ(2016年 - )
主な作品
『東部戦線1944』(映画)
『ヴェーラの運転手』(映画)
『現代の英雄』(TV)
『タラス・ブーリバ』(映画)
『名探偵シャーロック・ホームズ』(TV)
受賞
2002年「ニカ」新人賞
2003年ロシア連邦国家賞(文芸・芸術)
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イゴール・ペトローヴィチ・ペトレンコロシア語: Игорь Петрович Петренко, ラテン文字転写: Igor Petrovich Petrenko1977年8月23日 - )は、ロシア連邦の俳優。2002年の戦争映画『東部戦線1944英語版』が出世作となり、同年「ニカ」新人賞を受賞。2003年ロシア連邦国家賞(文芸と芸術部門)を受賞。2009年4月1日よりロシア映画人連盟のメンバーである。なお、名前の発音は「イーゴリ」と表記するのが一般的である。

生い立ち[編集]

冷戦期の東ドイツポツダムの生まれ。ポツダムはソビエト連邦軍の軍人であった父の駐留先である。母は英語の通訳をしていた。彼が3歳の時、家族でモスクワに戻った。子供の頃の趣味はスポーツ(体操サンボ柔道)。学校は好きではないが、唯一好きな教科は英語だったという。

高校卒業後、シェープキン記念演劇大学の生徒募集を知り、冗談のつもりでテストを受けたところ、何百人もの候補者の中から選ばれて入学、真剣に演技を学び始めた。

キャリア[編集]

2000年にシェープキン記念演劇大学を卒業し、モスクワマールイ劇場に入ったが、しばらくして絶え間ない撮影のために離脱した。

2001年、映画『条件反射』(イリダール・イスラムグロフ監督)でスクリーンデビュー。映画も彼の役柄も不成功に終わったが、続いて出演したTVシリーズ『モスクワの窓』(2001年、アレクサンドル・アラヴィン監督)で初めて注目を集めた。

ペトレンコの人気を決定づけたのは、2002年の映画『東部戦線1944英語版』(ニコライ・レベデフ監督)である。独ソ戦における偵察部隊の活躍を描いた戦争ドラマで、主人公のトラフキン中尉を演じた。また、この役柄によって、2002年の国内映画賞「ニカ英語版」の「今年の新人」部門に選ばれた。

そのほかの代表的な役柄として、映画では『ヴェーラの運転手英語版』(2004年、パーヴェル・チュフライ監督[1])の純朴な運転手ヴィクター役、『タラス・ブーリバ英語版』(2009年)の悲恋に命を捧げるコサックの青年アンドレイ役などがある。

TVシリーズでは、『現代の英雄』(2006年)の悩める青年将校ペチョーリン役、『名探偵シャーロック・ホームズ』(2013年、アンドレイ・カヴン監督[2])での従来の紳士的な名探偵像を覆したホームズ役などがある。

なお、『名探偵シャーロック・ホームズ』で相棒ワトソン博士を演じたアンドレイ・パニン(2013年に死去)とは、『ヴェーラの運転手』、『離脱』(2011年)と合わせて3回の共演歴がある。

私生活[編集]

演劇学校在籍時に出会った女優イリーナ・レオノヴァ英語版と2000年の卒業後すぐ結婚し、2004年に離婚。女優エカテリーナ・クリモヴァ英語版とTVシリーズ『モスクワの窓』で共演し、2004年に結婚。クリモヴァとは2児を得たが、2014年に離婚。離婚後、女優クリスチャン・ブロディと交際を始め、2016年に結婚。現在はサンクトペテルブルクにて、ブロディとブロディとの間に生まれた2児と共に暮らしている。

主な出演[編集]

舞台[編集]

『レニングラードのロマンス』(アレクセイ・アルブーゾフの戯曲『私の哀れなマラート』が原作、ピーター・ステイン演出)- マラート役

映画・TVシリーズ[3][編集]

日本語題/原題 役名 備考
2001 条件反射/Условный рефлекс ロマン・ゾロトフ役、政治家の息子
モスクワの窓/Московские окна レオニード・テレホフ役
2002 東部戦線1944英語版Звезда ヴラジミール・トラフキン中尉役、偵察部隊の司令官 日本版DVDあり。
2003 地球で最高の街/Лучший город Земли レオニード・テレホフ役、コムソモールの秘書
カルメンКармен セルゲイ・ニキティン役、警察官
2004 ヴェーラの運転手英語版Водитель для Веры ヴィクター役、運転手 パーヴェル・チュフライ監督作。 アンドレイ・パニンと共演。
2006 現代の英雄/Герой нашего времени グリゴリー・ペチョーリン役 レールモントフの同名小説が原作。日本版DVDあり。
ウルフハウンド 〜天空の門と魔法の鍵〜Волкодав ニコライ・レベデフ監督作。日本版DVDあり。
2009 タラス・ブーリバ英語版Тарас Бульба アンドレイ役、ブーリバ隊長の息子 ゴーゴリ同名小説が原作。
インターセプター/Запрещённая реальность マトヴェイ・ソボレフ役、スパイ 日本版DVDあり。
2010 タイム・ソルジャー/Мы из будущего 2 セルゲイ・フィラトフ役 日本語題『タイム・ジャンパー』の続編。ただし『タイム・ジャンパー』でセルゲイ役を演じるのは別の俳優。両作品とも日本版DVDあり。
2011 離脱/Отрыв アレクセイ・ミトロヒン役 アンドレイ・パニンと共演。
2013 名探偵シャーロック・ホームズШерлок Холмс シャーロック・ホームズ役、諮問探偵 AXNミステリーにて字幕版放送。日本では未ソフト化。
ブラグ/Булаг セルゲイ役 「ブラグ」はブリヤート共和国の集落名。
レンタルパパ/Папа напрокат イリヤ・ペトローヴィチ・ソロマチン役
2014 スノークイーン 少女ゲルダと雪の女王/Тайна Снежной королевы ヴァン役 日本版DVDあり。
2015 星から生まれた(女性)/Рождённая звездой パーヴェル・アレクサンドロヴィチ・シェホフスコイ役
2016 ヴァイキング英語版Викинг ヴァリャシコ役
黒猫/Чёрная кошка ヴィクトル・カラトフ役

主な受賞[編集]

  • 2002年 国内映画賞「ニカ」(新人部門) -『東部戦線1944』
  • 2003年 ロシア連邦国家賞(文芸と芸術部門) -『東部戦線1944』
  • 2009年 サンクトペテルブルクの映画祭「ビバ!ロシア映画!」 最優秀男優賞 -『タラス・ブーリバ』

脚注[編集]

  1. ^ チュフライ監督の代表作は『パパってなに?』(1997年)など。
  2. ^ カヴン監督の代表作は『怒りの戦場 CODE:PIRANAH』(2006年)、『カンダハル 怒りの大脱出』(2010年)など。
  3. ^ kinopoisk.ru(ロシア語)”. 2017年3月8日閲覧。

外部リンク[編集]