Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/星座の書 20190812

星座の書 - ノート[編集]

選考終了日時:2019年8月25日 (日) 16:18 (UTC)

  • (自動推薦)2019年7月度の月間新記事賞受賞記事。--totti会話2019年8月11日 (日) 16:18 (UTC)[返信]
  • コメント 悩みましたが、やはり内容の説明も評価も、良質な記事で求められる水準からするとまだ手薄のような気がします。他言語版と比較しても、日本語版が一番内容があるように見えるので、これ以上は難しいのかもしれませんが…。--Tam0031会話2019年8月15日 (木) 14:42 (UTC)[返信]
  • 賛成 非常にコンパクトにまとまった状態であるので、良質な記事に選定される記事一般の規模感との差異は同じく悩みますが、通常の百科事典をイメージするとこの規模でまとめる形もありだと思うので賛成で投票します。簡潔ではありますが、成立背景・内容・評価・現存写本と、古書物について書かれなければならないことは抑えられており、数少ないであろう日本語の参考文献に良くあたっていてきちんと作られている記事だと思います。近藤二郎『星の名前のはじまり』のみ出典と記事を比較し、実際にきちんと出典を見て記述されていることを確認しました。外部リンクも写本現物の画像データへのアクセスなど、より深く知りたい読者を適切な情報へ誘導できていると思います。--TEN会話2019年8月20日 (火) 14:24 (UTC)[返信]
  • コメント TENさんご指摘の通り、コンパクトながら全体構成は整っています。したがって、ワード数が足りないとは決して感じず、むしろ「濃度が高くて読みやすい」とさえ感じ、「トピックがある程度網羅され」の選考基準はクリアしていると思います。しかし「中立性」および「信頼できる情報源」の2つの選考基準でやや懸念が残り、現時点では反対寄りのコメントです。これらの懸念は、全体の2/3が英語版からの翻訳であり、英語版の出典の中身を精査せずにそのまま単純翻訳したことに大きく起因しているのではないかと。
  • たとえば「#評価」節を読んで、ちょっと『星座の書』をヨイショしすぎであり、当時の観測技術の限界も補足すべきではないかと感じました。「アルフォンソ10世の下で編纂された天文学書の中で、主要な情報源として数多く参照されている」と書かれています。その出典となっている博士号論文をチェックしたところ、単に参照しているだけでなく、アルフォンソ天文表などの編纂時に、『星座の書』の内容を「修正した」と書かれています (Hafez論文P71に"correct anomalies" の表記あり)。天文学にご執心だったスペインのアルフォンソ10世 (13世紀の人) が参照するぐらいなので、『星座の書』(10世紀の書) がどれだけ長く世界的に影響を与えたかが窺える事実です。その一方で、この時代にはすでに修正が入っていたわけです。したがって、同じく天文学にご執心だったイスラムのウルグ・ベク (14世紀の人) が『星座の書』に「敬意を払い、絶えず参照した」とありますが、単に参照するだけでなく、アルフォンソ10世の成果なども踏まえて、修正の必要性をも認識していたのではないかと推察されます。
  • 英語のHafez論文の次に依拠しているのが、廣瀬匠「近代学問の基礎を築いた イスラム世界の天文学 Part2」(2011年、アストロアーツ出版の『星ナビ』収録) です。同氏は2017年に集英社インターナショナルから『天文の世界史』(256ページ相当) を上梓しています。校正の甘そうな2011年アストロアーツにやや不安が残り、校正体制がより充実している2017年集英社の書を併用した方が良いのではないでしょうか。また、廣瀬氏の略歴を見るとややお若い研究者なので、6年の間でかなり執筆内容が進化している気がしますし。『天文の世界史』をAmazon Kindleでサンプルダウンロードした限り、『天文の世界史』を使えばもう少し加筆できそうな印象を受けました。
  • #参考文献」の節に、本文中で出典として一切使っていない文献が多く列挙されていてミスリーディングに感じます。参考文献記載の注意を読む限り、また他の記事を読む限り、出典として使っていない文献は「関連文献」など別の節に分けることが多いようです。ところが出典として使っていない文献の一部は「#外部リンク」にも存在し、節の使い分けがいまいち分かりませんでした。英語版とも違う節の使い方なので、翻訳移入とは関係ない問題だと思うのですが、執筆者様に意図をお伺いしたいところです。以上です。--ProfessorPine会話2019年8月22日 (木) 05:47 (UTC)[返信]
  • 初版-第3版の執筆者です。ProfessorPineさんのご指摘は、執筆した側としても懸念しているところでして、全体のボリュームに対しHafez2010への依存度が高いな、と感じておりました。とはいえ、ここまで詳細が書かれている近年のWP:RSを、他に読むことができずにいるため、やや手詰まり感があります(Kunitzsch1989くらい読んでおくべきなのでしょうが……)。
  • #評価」については、具体例を加筆したことで、却って「この程度か」と矮小化した感覚があったもので、ヨイショというご指摘はちょっと予想の外でした。自分自身がアッ・スーフィーに肩入れするスタンスになっていたかもしれません。アッ・スーフィーの結果に対する批判は、多少把握している内容もあり、それで加筆できるかもしれませんが、「#データ」小節で触れた、『アルマゲスト』のデータを(結果的に)無批判に使用している部分についてのもので、どう手を加えるか……少し考えてみたいところです。なお、ご指摘の"correct anomalies"の記述は、ザルカーリーの『トレド天文表』を修正した、ということであり、アルフォンソ天文表の著者らがアッ・スーフィーにどう批判的だったか、Hafez2010からはわからないように思えます。
  • 廣瀬氏の文献について、『星ナビ』だけで『天文の世界史』を参照しなかったのは、一つは『星ナビ』は手元にあるが、『天文の世界史』は近隣の図書館にもないということ、もう一つは『天文の世界史』は全世界を網羅したもので、アラビアの、それもアッ・スーフィーの一例がどこまで詳しく書かれているか、懐疑的だったということがあります。ただ、これは執筆者の怠慢と言われても仕方のないところです。近日中に『天文の世界史』は確認したいと思います。
  • #参考文献」説については、単にWP:GENREFに対する執筆者の理解不足です。"Further Reading"的な資料も深く考えずに「参考文献」に入れていました。ここはガイドラインを尊重し、「関連文献」節に分けようと思います。文献の一部が「#外部リンク」節にもある、というのはSchellerupの仏語訳のことでしょうか。一応、「参考文献」は書誌情報、「外部リンク」はWeb上のコンテンツ、としています。また、Schellerup1874は一応本文で出典として用いています。--ぷんすけ会話2019年8月23日 (金) 20:38 (UTC)[返信]
  • ぷんすけさん、早速の返信と修正対応ありがとうございます。廣瀬氏の『天文の世界史』に言及した理由だけ補足しておきます。たぶん小項目である 星座の書 だけを加筆しようとしても、これ以上は手詰まり感が強いのではないでしょうか。その理由の一つが、大項目である 天文学史 のクオリティの問題です。無出典記述が多く、しかもアッ・スーフィーへの言及もないので、アッ・スーフィーの『星座の書』が本当に天文学史的に重要だったのか情報が不足しているんですよね。アッ・スーフィーの前世および後世の天文学者たちを調べ、まずは 天文学史 を加筆して外堀を埋める作業をしていかないと、アッ・スーフィーの評価に言及した文献がなかなか見つからないのではないでしょうか。たとえば 天文学史#アラビア天文学 を読むと、フワーリズミーバッターニー もプトレマイオスの天文学を改良したとあるので、彼らの少し後の世代であるアッ・スーフィーにも影響を与えているのではないでしょうか。で、廣瀬氏の『天文の世界史』は体系的に流れを追っているようなので、アッ・スーフィーの前後のつながりを把握するのにちょうど良さそうだと思いました (Kindleサンプルしか読んでないから予想ですけど)。--ProfessorPine会話2019年8月24日 (土) 06:43 (UTC)[返信]

選考終了時点で賛成1票のため、今回は見送りとなります。--Tam0031会話2019年8月27日 (火) 14:08 (UTC)[返信]