Wikipedia:井戸端/subj/データベースサイトの出典利用はその利用規約に違反しないか?

データベースサイトの出典利用はその利用規約に違反しないか?[編集]

日本軽種馬協会(JBBA)の「JBISサーチ」というデータベースがあり、これは競争馬や調教師・生産牧場などの競馬関連記事で出典としてよく使用されています。しかし、

  • 利用者は、本サービスから取得した情報を、本協会に事前の承諾なしに私的利用以外の目的で、複製、改変してはなりません。
  • 本サービスから得た情報を第三者が自由に接することができる場所に置き、自由に取得させることを禁じます。 — “業務利用・二次利用について”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年1月28日(UTC)閲覧。

に抵触し、Wikipediaの出典に利用できない可能性があります。井戸端の過去の議論としては「Wikipedia:井戸端/subj/オリコンのチャート記載」(お問い合わせ - ORICON)が関連するかもしれませんが、これは途中から著作権著作物の観点から議論されており、あまり参考にはならなさそうでした。以下、「JBISサーチ」以外のデータベースサイトも含めて、利用規約の観点から質問したいと思います。--Assemblykinematics会話2024年1月28日 (日) 18:39 (UTC)[返信]

個人利用の範囲外や、第三者利用が可能になることを禁じる規約[編集]

前述の「JBISサーチ」には利用規約の「第8条(本サービスから取得した情報の取り扱い、情報の利用制限)」にも下記のように書かれています。

1. 利用者は、本サービスを利用して入手された全ての情報について、利用者の個人的な利用または法人(但し、軽種馬生産、育成牧場に限る)の内部利用に限ってのものであるということを認識しているものとします。
5. 本サービスから得た情報を第三者が自由に接することができる場所に置き、自由に取得させることを禁じます。 — “利用規約”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年1月28日(UTC)閲覧。

株式会社ネットドリーマーズが運営する「netkeiba.com」も競馬記事の出典によく使用されますが、こちらも利用規約に

第14条 (私的利用の範囲外の利用禁止)
1. 当社が承認した場合 (当該情報に関して権利をもつ第三者がいる場合には、当社を通じ当該第三者の承諾を取得することを含みます。) を除き、サービスを通じて入手した いかなるデータ、情報、文章、発言、ソフトウェア等 (以下、併せて「データ等」といいます。) も、著作権法で認められた私的利用の範囲を超える複製、販売、出版のために 利用することはできません。なお、サービスの利用においては、著作物に該当しないデ ータ等であっても、サービスを通じて入手したものは著作物とみなします。また、データ等を不特定または多数の者が知りうる状態におく行為は、いかなる目的であっても私的利用の範囲を超える利用行為とみなします。
2. 利用者は、前項に違反する行為を第三者にさせることはできません。 — “netkeiba.com 利用規約”. 利用規約. netkeiba.com 2024年1月28日(UTC)閲覧。

と書かれており、同様の問題が生じます。ちなみにnetkeiba.comはデータベースだけでなく、ニュース記事やコラム記事もあり、上記利用規約はnetkeiba.comの全てのコンテンツに適用されるようです。

なお、南関東4競馬場の公式サイトである「nankankeiba.com」にもこちらのようなデータベースがあり出典に利用されますが、

本サーバをご利用になるユーザーは、非営利の目的でかつユーザー自身で利用する場合に限り、本サーバー上の文書を複製、使用、ダウンロードすることができます。 — “著作権について・免責事項・個人情報保護”. サイトの利用について. 南関東4競馬場の公式サイト. 2024年1月28日(UTC)閲覧。

と書かれており、「ユーザー自身で利用する場合に限り」という点が抵触しないか気になります。--Assemblykinematics会話2024年1月28日 (日) 18:39 (UTC)[返信]

営利目的の利用やその準備を禁じる規約[編集]

Wikipediaの記事はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスのもとで公開されており、これには

共有 — どのようなメディアやフォーマットでも資料を複製したり、再配布できます。 営利目的も含め、どのような目的でも。 — “CC BY-SA 4.0 Deed 、 表示 - 継承 4.0 国際”. Creative Commons. 2024年1月28日(UTC)閲覧。

とあるとおり、営利目的の利用も可能になっています。しかし、「JBISサーチ」には

6. また、販売、出版、放送など方法の如何に拘らず、営業目的で使用し、もしくは、第三者に使用させないものとします。 — “利用規約”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年1月28日(UTC)閲覧。

とあり、「netkeiba.com」も利用規約の「第15条 (営業活動の禁止)」に

サービスを使用して営業活動、営利を目的とした利用およびその準備を目的とした利用 (以下「営業活動」といいます。) をすることができません。 — “netkeiba.com 利用規約”. 利用規約. netkeiba.com 2024年1月28日(UTC)閲覧。

と書かれており、前節で引用した「第14条 (私的利用の範囲外の利用禁止)」と合わせてデータベースの利用自体の制約に引っかかると考えられます。

なお、同じく前節であげた「nankankeiba.com」も

本サーバをご利用になるユーザーは、非営利の目的でかつユーザー自身で利用する場合に限り、本サーバー上の文書を複製、使用、ダウンロードすることができます。 — “著作権について・免責事項・個人情報保護”. サイトの利用について. 南関東4競馬場の公式サイト. 2024年1月28日(UTC)閲覧。

と書かれており、CC BY-SA 4.0で公開されるWikipediaの記事への利用は問題になりそうです。

また、将棋の棋士棋戦の出典でよく使用される日本将棋連盟の公式サイト(例:今年度棋士成績・記録歴代ベスト記録)についても、

本サイトから提供されるすべての情報(文書、画像、音声、映像、など)の営利目的でのご使用はご遠慮ください。 — “肖像権・著作権について”. 日本将棋連盟. 2024年1月28日(UTC)閲覧。

という規定があります。これもCC BY-SA 4.0で公開されるWikipediaへの記載が、間接的な営利目的と扱われないか気になります。--Assemblykinematics会話2024年1月28日 (日) 18:39 (UTC)[返信]

議題のまとめと議論[編集]

長くなりましたのでまとめますと、データベースサイトの情報をWikipediaの記事の出典として利用した際に、

  1. 個人利用の範囲外や、第三者利用が可能になることを禁じる規約に抵触するのではないか
  2. 営利目的の利用やその準備を禁じる規約に抵触するのではないか

という懸念についてお伺いしたい次第です。なお、個々のデータベースで微妙に扱いが変わりそうです。

皆様ご多忙のところ恐れ入りますが、上記見解についてご意見いただけると幸いです。なお、基本的にこちらのサブセクションで議論できればと考えています。--Assemblykinematics会話2024年1月28日 (日) 18:39 (UTC)[返信]

  • Nux-vomica 1007さんがおっしゃっているように法的側面のみが問題だと思いますので、データベースにある情報だけを持ってくるのは問題ないと思います。データベースの一部をごっそり転載したりすると問題になるでしょうが、情報・データじたいには著作権はないはずだと思いますので。また、meta:Wikilegal/Database_RightsによるとEUなどについても"copying all or a substantial part of a protected database"がダメということなので、ごく一部の情報だけを引用するのはOKであるはずです。--さえぼー会話2024年2月1日 (木) 15:53 (UTC)[返信]
コメント 皆様コメントありがとうございます。著作権に関する観点としては御指摘の見解は理解できるのですが、例えばJBISサーチの利用規約にある
  • 「本サービスから得た情報を第三者が自由に接することができる場所に置き、自由に取得させることを禁じます。」[1][2]
  • 「また、販売、出版、放送など方法の如何に拘らず、営業目的で使用し、もしくは、第三者に使用させないものとします。」[3]
を無視してよい理屈がよく分かりません。利用規約の上記記述に法的根拠がないから無視して良い、ということなのでしょうか?JBISサーチではすべてのページの下部に「サービスを利用することによって利用規約の内容を承諾いただいたものとみなします。」[4][5]と書かれており、サイト側と利用者の契約関係(?)に基づけば利用が難しいと思えるのですが……。--Assemblykinematics会話2024年2月1日 (木) 22:06 (UTC)[返信]
契約とは両者の意思の合致によってはじめて成立するものであり、利用規約ページで「承諾いただいたものとみなします」と一方的に宣言しておけば成立させられるようなものではありません。--Keeezawa会話2024年2月1日 (木) 22:34 (UTC)[返信]
コメント 自分もそのように思っていましたが、JBISサーチには有料を含む会員限定サービスもあります(プレミアム会員JBBA会員)。会員登録なしで閲覧できる部分は限定サービスの呼び水として公開しているはずで、その観点から懸念した次第です。
「非会員にも公開している部分は著作権を侵害しない範囲で出典に利用できるが、会員登録が必要な限定サービスでないと閲覧できない部分は出典に利用できない」
という認識で大丈夫でしょうか?--Assemblykinematics会話2024年2月1日 (木) 23:21 (UTC)[返信]
少なくとも利用規約への同意なしで利用できる部分については、利用規約に関する問題は発生せず、著作権の侵害にあたるかどうかのみで判断すればよい、と考えられると思います。
利用規約への同意が必須な部分については明確な判断を控えますが、たとえばこちらの文科省の議事概要では[6]、法32条で定められた「引用」を利用規約でオーバーライドできるかどうかについて、要約すると「法32条は強行規定ではないと考えられるためオーバーライドが一律無効とは言えないが、同条の持つ公益性の高さを考慮するとオーバーライドが認められるケースは限定的だろう」というような結論を出しており、利用規約への同意を得たからといって適法な利用を拒めるかどうかについては議論があるようです。なのでそもそも引用にすらあたらない情報の利用(例:netkeibaの会員限定記事を出典とする)を利用規約を理由に制限できるかというと相当怪しいのではないでしょうか。--Keeezawa会話2024年2月2日 (金) 00:25 (UTC)[返信]
コメント 素人質問で大変恐縮なのですが、データのみの利用で有れば、そもそも著作物にも当たらないような気はしますけれども(例えば「●●の馬主は××だ」「●●は●月●日のレースで●着だった」という事実のみを掲載するのであれば、タウンページの裁判のような「創作性を有するデータベースの著作権である」とは判断されないと思います。ただ利用規約に反しているといえばそうなのですが、文章量に対してデータベースを引っ張ってくる、「●●が××ということで△△した」と出典を付けて持ってくるだけであれば引用に該当すると思いますがね(これが日本国外でどうなるかというと難しい話ですが、著作権であればそれこそ(作者の死後or公表後70年経っていない)全ての著作物にある以上どの記事・書籍からも持ってこれないみたいな話になりそうですが…。)--冰川碧生会話) 2024年2月6日 (火) 22:31 (UTC) 修正。後者の『「●●が××ということで△△した」と出典を付けて持ってくる』は引用ではないと判断したため。--冰川碧生会話2024年2月11日 (日) 00:36 (UTC)[返信]
コメント 私も競馬あまり詳しくないのですが、お示しの競馬情報サイト等で有料会員になることで得られる情報は、不正競争防止法にある「限定提供データ」に該当するようにみえます(参考 経産省「限定提供データについて」)。その場合、当該サイト側が「wikipediaに情報が載ることでサイトの利益が侵害されている」と考えたなら、差止請求などされる可能性もあるかもしれません。
あと「読んでないけど同意したとみなされる利用規約」については「定型約款」というものがありますが(参考 法務省「約款(定型約款)に関する規定の新設」)、上で例示された競馬情報サイト等の利用規約が「定型約款」かどうかは分かりません。一般に、データベースサイトで有料で得られる情報は、他で有料で得られる情報(一般的な書籍や「読売新聞・有料会員」のようなサイト)とは区別して考えた方がよい(そのため利用規約も他とはちょっと違った内容で書かれている)とは思います。--ぽん吉会話2024年2月13日 (火) 08:19 (UTC)[返信]
規約違反であるかどうかは結局の所あまりここで議論しても仕方ないのではないかと思います。ある企業とある個人の間が何らかの契約をしているかもしれない、その契約が破られてしまっているかもしれない、破られているとしたら是正措置が必要かもしれない、といったことは、第三者が関知することではなく、その二者の間で解決すべき問題でしょう。当事者ではないコミュニティが議論すべきことがあるとするなら、仮に規約違反であった場合に既にウィキペディアに書かれたものをコミュニティが(誰にもそう求められない内に)積極的に除去したり削除したりする必要はあるか、ではないかと思われます。 --106.155.3.252 2024年2月21日 (水) 01:38 (UTC)[返信]