Tiny BASIC

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Tiny BASIC(タイニーベーシック)とは、マイクロコンピュータないし初期の8ビットパソコンホビーパソコン用に仕様を簡略化(サブセット化)したBASICの、言語and・orその実装(処理系)の総称。プログラムサイズがコンパクトなため、ごく小規模(tiny)なシステムでも使用できた。可能なこともやはり限られて(tiny)いたが、機械語を使うよりははるかに手軽であり便利なものであった。

概要[編集]

Palo Alto Tiny BASIC他、いくつかの有名な実装がある。著名になったものは、ソースコードを雑誌等の形で公開したものが多い。バイナリコードの大きさは2Kバイト程度。そのため、プログラム言語が内蔵されていなかった初期(1970年代後半)のマイコンユーザの間で流行した。ROM-BASICを内蔵するパーソナルコンピュータが発売されるようになってからは下火となったが、現代でもTiny BASICを名乗る似たような機能のBASICは存在する。

細かい差異はあるが、当時のものは概ね以下のような仕様であった。

  • 単純変数はA~Zの26個のみ。
  • 配列は@のみ。
  • データ型は2バイト整数のみ。
  • グラフィックやスクリーンエディットの機能はない。

Palo Alto Tiny BASICのように、同じ作者がスタートレック (マイコンゲーム) のごく基本的な部分だけを遊べるようにした「Tiny Trek」を作成していることなどから、そのための工夫と思われるものが見られることもある。

当時の日本のTiny BASICとしては、東大版・東京版と呼ばれる移植版やオリジナルの電大版が書籍等でソースやダンプリストが公開されており 有名である。

  • 東大版 (8080) Palo Alto Tiny BASICベース、移植者小野、石田晴久共立出版刊『マイクロコンピュータのプログラミング』
  • 東京版 (8085) Texas Tiny BASICベース、製作者石田・小野、石田晴久著 近代科学社刊『マイクロコンピュータプログラミング入門』
  • 電大版 (6800) 開発者畑中・著者安田、安田寿明講談社ブルーバックス『マイ・コンピュータをつかう』

歴史[編集]

Tiny BASIC登場以前のBASICの歴史は、ダートマスBASICの記事などを参照のこと。

集積回路の発展と市場の需要などから、1970年代にマイクロプロセッサが次々と登場したことにより、一般の個人が、個人でコンピュータを所有・占有し、趣味や実用に使うことが可能となった。それまでのメインフレームミニコンピュータが限られた人のものであったのに対し、これからはコンピュータの力を誰もが活用できるということで、革命という言葉すら使われた(en:Microcomputer revolution)。

自然な流れとして[1]、初めのうちはマイクロコンピュータの活用には機械語が使われていたが、すぐにプログラミング言語が欲されるようになった。そこで、当時既にミニコンピュータなどで活用されていた言語のいくつかに目が付けられ、当時のマイクロコンピュータで可能な程度に機能などを絞って実装することなどが行われた。そんな中で、数多く発足した有志団体のひとつ、People's Computer Company(en:People's Computer Company)の機関紙の Vol. 3, No. 4(1975年3月)[2]の 6, 7 ページに掲載された BUILD YOUR OWN BASIC という記事において、最低限に機能・仕様を絞ったBASICを自作することが提案され、それに刺激を受けた人々により、色々な実装が作られた。前述の機関紙の発展版にあたるDr. Dobb's Journalに掲載されたものなどは有名になった。

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  1. ^ 通史的に見れば、コンピュータ自体が登場した後にも、ミニコンピュータが登場した後にも、似たような流れがあり、ここで3度目となる。
  2. ^ https://purl.stanford.edu/jz908ss3011

参考文献[編集]

  • bit臨時増刊『マイクロコンピュータのプログラミング』(1978年2月号増刊), pp. 83-111, 「Tiny BASICインタプリタ」, Palo Alto Tiny BASIC の逆アセンブルリストを示し解説

関連項目[編集]