PS-30

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PS-30は、中華人民共和国上海新南船廠(現、中国船舶工業集団公司)が製造した旅客用全没翼型水中翼船である。ボーイング社からのライセンス生産であり、2隻が建造された。1994年香港遠東噴射船(現、TurboJET)が発注したものである。

概要[編集]

PS-30は、ボーイング929ジェットフォイルの拡大バージョンである。船の基本寸法が若干拡大されており、総トン数は1割強拡大されている。また燃料タンクの容量も約1.25倍に拡大されている。機関と推進器は、同じ物を搭載している。客室キャビンも同じく2層と変わりないが、モデル929が上部客室デッキ前方に操縦ブリッジを設けているのに対しPS-30は客室上部デッキの更に上に操縦ブリッジがある。

構造[編集]

船の推進システムと水中翼制御システムは、モデル929のシステムと変わらない。その特徴は以下のようになっている。

水中翼船としては全没翼型に属し、高速航行時も水中翼が全て水中に没する。ガスタービンを動力としたウォータージェット推進である。

停止時および低速では通常の船と同様、船体の浮力を用い、「艇走」状態であるが、航行速度が上がると翼に揚力が発生し、しだいに船体が浮上し離水、最終的には翼だけで航行する、「翼走」という状態になる。

船体の安定は Automatic Control System(ACS、自動姿勢制御装置)により制御された翼のフラップにより行われる。進行方向を変える場合もフラップを使うため航空機さながらに船体を傾けながら旋回する。翼走状態では、水面の波の影響を受けにくく高速でも半没翼式水中翼船に比べ乗り心地がよい。

翼は跳ね上げ式になっており、停止・低速時の吃水を抑えることができる。また半没翼型と異なり翼の左右への張り出しもないため港に特別の設備なしに着岸できる。また翼にはショックアブソーバーが付いており、材木など多少の障害物への衝突に耐えることができる。

姿勢制御はACSと油圧アクチュエータに依存するので、推進用のタービン共々、航空機なみのメンテナンスが必要である。

諸元[編集]

  • 速度: 約45ノット(時速約83km)
  • 船体材料: アルミニウム合金
  • 全長: 29.1m
  • 水線長: 25.37m
  • 全幅: 8.60m
  • 吃水: 4.50m(艇走状態でストラットを完全に下げた時)
  • 型深さ: 2.60m
  • 総トン数: 303トン
  • 純トン数: 110トン
  • 旅客定員: 222/272名(コビー/北星)
  • 機関: アリソン501-KF ガスタービン×2基(2767kW×2)
  • 推進器: ロックウェルR10-0002-501 ウォータージェット×2基

主な航路[編集]

日本-海外間[編集]

海外[編集]

  • 香港 - マカオTurboJET
    香港のTurboJETは2隻を所有していたが(名前は北星と南星。)、2001年韓国の未来高速に1隻を売却(南星)し、現在1隻(北星)が運航されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]