Kazaa Lite

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Kazaa Lite
最新版
2.4.3 / 2003年
対応OS Windows
サポート状況 終了
種別 ファイル共有ソフト
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Kazaa
開発元 Sharman Networks
最新版
3.2.5 / 2006年
対応OS Windows
サポート状況 終了
種別 ファイル共有ソフトアドウェアスパイウェア付き)
公式サイト http://www.kazaa.com - ウェイバックマシン(2012年7月28日アーカイブ分)
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Kazaa Lite(カザー ライト、K-Lite)はFastTrack ネットワークに接続するピア・ツー・ピアファイル共有ソフト。同じくファイル共有ソフトのKazaaの無許可修正版であり、バンドルされているスパイウェアアドウェアをKazaaから取り除いたものである。K++ Loader と KL Extensionsプラグインによって多くの付加機能が加えられている。

概要[編集]

Kazaa[編集]

Gnutellaを越えるピュアP2P型ソフトとして2001年3月に開発された。プロトコル名はFastTrack。

「スーパーノード」といわれる上位のノードがサーバとして働き、下位のノードは検索情報などを保持しない。ピュア型ハイブリッド型の利点を併せ持つ。(スーパーノード型ハイブリッドP2P

Kazaa Lite[編集]

本家Kazaa社がオーストラリアベンチャー投資会社Sharman Networks社に売却されたことにより、スパイウェアやアドウェアが組み込まれた為、有志が、スパイウェアやアドウェアの入っていない海賊版を作成した。

歴史[編集]

Kazaa[編集]

2001年3月ニクラス・ゼンストロームジャニス・フリースがKazaaを開発し、配布(この二人は、後にskypejoostを生み出す)。Gnutellaの分散特性に、「スーパーノード」を加えたことにより、効率と安定性が上がり、みるみるユーザー数を増やしていくことになる。両名は2002年にオーストラリアのシャーマン・ネットワークス社にカザー社を売却した。シャーマン・ネットワークス社が多数のマルウェアを組み込んだ形でKazaaを配布したため、マルウェアを取り除いたKazaa Liteが無許可で作られることになる。その後、シャーマン・ネットワーク社は、提訴されていた裁判に和解し、巨額な和解金を支払う。2002年には、Morpheusとのライセンスを巡る問題から、MorpheusをFastTrackネットワークから追い出し、一時は、ダウンロード数が世界一になったと言われていたが、後発のBitTorrenteDonkeyなどが台頭し、ユーザー数は大きく減少した。

Kazaaの公式ウェブサイトは2012年7月末まで運営されていたが[1]、2012年8月、サービス停止を告知する簡素なページに置き換えられた[2]。そのままウェブサイトは2014年10月頃まで残されていたが[3]、2017年現在は閲覧不能となっている。

Kazaa Lite[編集]

シャーマン・ネットワーク社から配布されることになったKazaaにマルウェアが組み込まれていたために、作成された。Yuriというモスクワ在住者が作者と言われている。オリジナルKazaaがマルウェア付きになったため、Kazaa Liteに乗り換えたユーザーもかなりいたようで、Kazaa Liteのユーザー数は、オリジナルKazaaと同程度のユーザー数だとも言われた。

  • 2002年3月 KaZaA.comなどのカザーの資産をシャーマン・ネットワークス社に売却。
  • 2002年4月 マルウェアを取り除いた無許可修正版のKazaa Liteを公開。

Kazaaにバンドルされていたマルウェア[編集]

  • Cydoor (spyware)
このプログラムは、インターネット接続を利用して広告をダウンロードし、利用に関する統計情報を送信。
  • B3D (adware)
PCがB3Dコードの引き金となるウェブサイトにアクセスしたときに、広告ポップアップを出させる。
  • Altnet (adware)
P2Pネットワークを形成し,広告や有料コンテンツのダウンロードを促進させるソフト。
  • The Best Offers (adware)
広告を表示し、サーフィング嗜好を追跡。
  • InstaFinder (hijacker)
存在しないサイトへの検索を、事前に定義された Web サイトにリダイレクトするブラウザヘルパーオブジェクト。広告を表示し、他のアドウェアプログラムをダウンロードし実行することが可能。
  • TopSearch (adware)
コンテンツ所有者のファイルをKaZaAネットワークで検索結果の上位に表示するというサービス。
  • RX Toolbar (spyware)
このツールバーは、Microsoft Internet Explorerで見るすべてのサイトをモニターして、インターネットへ接続し第三者へ情報を配信する。
  • New.net (hijacker)
このプログラムは、ブラウザのアドレスバーに名前解決できないドメイン名、存在しないURLを入力した場合、自身のスポンサーの関連Webサイトに接続をリダイレクトする。また、このプログラムはNEW.net社が提供するTLD(Top Level Domain)をもつWebサイトに接続をリダイレクトする。

K++について(通称:Kpp)[編集]

K++はKazaaプログラムの機能のいくつかを向上させるためのローダ。K++はKazaa Liteをメモリ上に読み込み、プログラムをロードしている間にプログラムコードの部品を改変して、Kazaa Liteによって使用される内部機能を変更する。

  • 「さらに検索」の回数を無制限にする
  • 複数ソースからのダウンロードの方式を改善
  • 参加レベル(PL)を最も高いレベルに固定
  • サードパーティ製のDLLをロードしない
  • 到達することがないようなソースは.datファイルに保存しない
  • デバッグオプション
  • ネットワーク名を変更可能

カザー事件[編集]

豪カザー事件[編集]

2001年10月3日 Morpheus・KaZaA・GroksterMPAARIAA著作権侵害で提訴

2005年9月5日  豪州連邦裁で敗訴、KaZaAユーザーが著作権を侵害していると判断、開発元にソフトウェアの修正を命じた

2006年7月28日 1億1500万ドルでレコード業界と和解

  • この和解をもって、レコード業界が豪州と米国で提起したKaZaAに対する訴訟は終了

蘭カザー事件[編集]

2001年11月29日 オランダ地裁で責任ありの判決

2002年3月28日  控訴審では覆され、責任無しの判決

2003年12月19日 オランダ最高裁で控訴審の判決を支持『KaZaA』配布は合法と判断

  • オランダの音楽著作権団体Buma/Stemraとの差止請求で勝訴

関連事件[編集]

2005年12月9日  米国控訴審P2P利用者に有罪判決

  • KaZaAから無料でダウンロードしたシカゴの女性に22,500ドルの支払いを命じた

2006年11月1日  NMPA(米国音楽出版社協会)と和解

  • 著作権侵害に対して、相当額の賠償金を支払うことに合意

種類[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Kazaa.com - ウェイバックマシン(2012年7月28日アーカイブ分)
  2. ^ Kazaa.com - ウェイバックマシン(2012年8月2日アーカイブ分)
  3. ^ Kazaa.com - ウェイバックマシン(2014年10月20日アーカイブ分)

外部リンク[編集]