DOSプロンプト

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DOSプロンプト(どすぷろんぷと)とは、マイクロソフトが、NT系以前のWindowsにおいて、MS-DOS互換環境(いわゆる「DOS窓」)の起動と同時に、その環境のシェルとして、MS-DOSのコマンドラインインタプリタCOMMAND.COM を起動するアイコンに付けていたキャプションである。「DOS」はMS-DOSを指しているが、プロンプト」とは「C:\>」というような「利用者にコマンド入力を促す記号」のことであってよくわからないが、なぜかそのようなキャプションが付けられていた[1]

以下では、その俗に「DOS窓」などと呼ばれる環境について説明する。

概要[編集]

冒頭で説明しているように、(コマンド)プロンプトとは「C:\>」のような記号のことであり、なぜこのアイコンに「DOSプロンプト」というキャプションが付けられているのかは不明である。NT系以前のWindowsにおいて、MS-DOSにおいて標準シェルであったコマンドラインインタプリタCOMMAND.COM が起動されるが、「WindowsのMS-DOSとの互換性を利用して単に起動する」だけではなく、独立した仮想DOSマシン環境を、各種プロパティを設定した上で1つ起動する、という役割を持っており、その環境のシェルとして COMMAND.COM が起動されるのである。

3.1や95などの、NT系以前のWindowsは、実際にはMS-DOSが存在しており、それを乗っ取ってマルチタスクGUI環境を実現するというシステムであったため、その仮想DOSマシン環境は仮想化の限界などといった理由で完成度が低く、直接ハードウェアを操作するゲームソフトなどの実行には支障をきたすことがあった。しかし、その「下層にはMS-DOSが存在している」というシステムを逆に活用した「MS-DOSモード」を持っていた。

MS-DOSモードでは、Windowsの活動が可能な限り抑制され、ほぼ完全にMS-DOSのシングルタスク環境と同様の状態で、MS-DOS用プログラムを実行する。当然ながらWindowsで動いていたマルチタスクアプリ等は全て停止される。Windowsを終了してDOSアプリを起動したような場合との違いは、アプリの終了後にWindowsが元の状態に復帰することである(そのため、このモードでもダメなソフトもありうる)。

NT系Windows[編集]

NT系 Windowsは、NTカーネルというカーネルが中心にあり、その上に互換性の高いMS-DOS互換環境があるため、前述のDOS窓のような環境とは全く異なるものとなっている。COMMAND.COM など、MS-DOSのコマンド類のいくつかは、おそらく互換性のために残されている。

NT系 Windowsには cmd.exe というプログラムもあり、こちらはWinNTネイティブアプリである(アイコンには「コマンドプロンプト」とキャプションが付けられている)。cmd.exe は端末ウィンドウコマンドラインシェルであり、見た目こそ COMMAND.COM に似てはいるが、多くの拡張がされているなど基本的に別物である。

OS/2[編集]

OS/2 1.xの「DOS互換ボックス」では、1.0では全画面表示のみ、1.1以降では全画面表示またはOS/2プレゼンテーションマネージャー(PM)上のウィンドウ表示を選ぶことができたが、「DOSプロンプト」と同様のものがあった。

OS/2 2.0以降の「MVDM(Multi Virtual DOS Machine)」では、全画面表示またはOS/2ワークプレースシェル(WPS)上のウィンドウ表示で、「DOSプロンプト」と同様のものがあった。

OS/2 1.0からある「OS/2コマンドプロンプト」は、cmd.exe 同様の、端末ウィンドウコマンドラインシェルである。

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  1. ^ OS/2由来のようだが、後にウェブブラウザが起動されるアイコンに「インターネット」というキャプションを付けたのと同じで、他のプラットフォームのユーザとの間で誤解と混乱を起こすことを恐れずわかりやすい名前を付けた、ということかもしれない。