AMG

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メルセデス・ベンツ E63 AMG

AMG(エイエムジー[1])はメルセデス・ベンツチューニング部門であり、メルセデス・ベンツの上級高性能モデルやスポーティーなパーツに冠されるブランドでもある。大排気量のモデルが中心だが、現在は2.0Lエンジンを搭載した45系も展開している。本社工場はドイツのアファルターバッハ (Affalterbach) にある。 近年では “One man-one engine” (ひとりのマイスターがひとりのエンジンを)の主義のもと、AMGファクトリーのマイスターが専任でエンジンを組み上げている。

AMGのファクトリーで組み上げられたエンジンには、担当したマイスターのサインが描かれたプレートが貼付され、それが特別なモデルであることを主張している。

概要[編集]

1967年レース用自動車エンジンの設計・試行会社として創業。創立者のハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(Hans Werner Aufrecht)、エンジニアのエバハルト・メルヒャー(Erhard Melcher)、アウフレヒトの故郷であるグロース・アスパッハ(Großaspach)の頭文字を取ってAMGとした[2]

その後、1971年のスパ・フランコルシャン24時間レースでの300SEL 6.8クラス優勝によって、AMGの名が世に轟く事となる。また、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)では、1986年の参戦以来160のレースで勝利し、10のドライバーズタイトル、15のコンスタラクターズタイトルを獲得、DTM史上もっとも成功したチームとなっている。 F1には2012年に、MERCEDES AMG PETRONA チームと、エンジン担当のMERCEDES AMG Hige Performance Powertrains が代表となって参加している。さらには、1996年以降、メディカルカーとセーフティーカーを提供している。

ブラバスロリンザーなどと同様に、アフターマーケットにおいて主にメルセデス・ベンツの乗用車のチューニングを手掛けるようになった。1980年代半ばからは公式にメルセデス・ベンツへのパーツ供給が始まり、1993年には初の共同開発車C36を発売、1999年にはメルセデス・ベンツの一部門となった。現在はBMWのMモデルアウディのS(RS)シリーズ同様、高性能エンジンを搭載したモデルを担当している他、スポーティーな付加価値の付いたパーツに冠されるブランドとなっている。

AMGモデルの開発は、メルセデス側が新車開発する初期の段階でAMG側に車両情報を送るところからスタートする。そのためメルセデスの新車公開とほぼ同時にAMGモデルを公開することができる。 最近ではAMGモデル以外にも通常モデルのオプションとして、AMGのアルミホイールやエアロパーツが販売されている。 また、メルセデス・ベンツにも「AMGスポーツパッケージ」、「AMGライン」と呼ばれるオプションがあり、AMGモデルを購入しなくとも、それに準じたエクステリアに仕上げることができるようになっている。

1980年代後半には三菱自動車ギャランデボネアのチューニング(ギャランAMG、デボネアAMG)を担当したことがある。

独立企業時代からモータースポーツに関わっており、現在はドイツツーリングカー選手権(DTM)での活躍がみられる。1996年からは、F1セーフティーカーおよびメディカルカーを担当しているのは前述の通りである。

当時AMGの輸入元だったAMGジャパン(ヤナセの子会社)が取り扱っていた頃は、モデル名の前にAMGの名前が入っていた(例;AMG C36)が、2000年10月にダイムラー・クライスラー日本(当時)に輸入権が譲渡されて以降は、モデル名の後にAMGの名前が入るかたち(例C63 AMG)に順次移行していった。その後、サブブランドの「メルセデス-AMG」が立ち上げられたのに際してモデル名の前に「メルセデス-AMG」と入るかたち(例;メルセデス-AMG C63。F1のチームと違いハイフンが入る)となった。

通常モデルとの違い[編集]

かつてのAMGモデルは、ボディ同色のフロントグリルやホイール、明らかに低い車高、そして、エアロパーツなど、威圧感が全面に出るスタイリングが特徴だったが、メルセデスの傘下に入ってからは落ち着いたスタイリングとなっている。外観上の違いは、各モデル専用のアルミホイールやエアロパーツが装着され、リアエンド右上(順次左側に移行:後述)にAMGのエンブレムが付くほか、リアエンド左上(順次右側に移行:後述)には“C63、S65”というような数字2桁のエンブレムが付く。 AMG各モデルの名称方法は、過去1990年代前半までの車両では、グレードの後ろに増加した排気量や、AMGにおけるバージョン及びバルブの数を併記するという方法が取られていた(例 190E 3.2、400E S3、300CE 6.0-4V Wide Version : HAMMER、560SEC 6.0-2Vなど)が、1993年にメルセデス・ベンツ本社との共同開発車、C36が発売されて以降は、前述の数字2桁の表記方法に順次移行し、具体的なベースグレードの概念は現在はなくなっている。ただし、W202AMG C280R170SLK230 AMGは例外的に3桁の表示を採用しているが、これは、これらのモデルのエンジンに、AMGの手が加えられていないことによるものである。

また、AMGモデルが持つ高いブランドイメージからか、ノーマル車の外観をAMG仕様に仕立てた後にAMGのエンブレムに付け替える衒示行為(E350→E63など)が日本においてまま見られる。このような行為は一般にエンブレム・チューンと呼ばれている。この場合、リアウインドウ左下、もしくは後部サイドウインドウに張られる正規のAMGモデルであることを示す銀色のステッカー(複製防止のため、再使用不可のステッカーとなっている)が貼られていないので、注意深く観察すれば外観から判別できる。

さらには、エクステリアはノーマルのままAMGのエンブレムのみ付け足すという、半ば強引とも取れる例も見られる。この場合はメルセデスオーナーはもとより、ある程度車に詳しい人が見ればAMGモデルではないことは一目瞭然であるのはいうまでもない。 しかしながら、奥様向けの雑誌であるVERYなどのコラムでこれらの行為が堂々と紹介されており、エンブレムチューン済のメルセデスがかなりの台数存在するのが実情であり、実体である。

専用パーツとして強化ブレーキシステムやAMGスポーツサスペンション、チューンされたエンジン、4本マフラー、内装等が搭載される。加えて、一部の日本販売モデルにはAMGモデルをさらにチューンした「パフォーマンスパッケージ」が用意されている。

なお、2006年よりAMGの各モデルをさらに強化した特別なモデルをブラックシリーズとして限定販売している。

フロントグリル内にAMGエンブレムが配されている例(S65 AMG クーペ)

内装やシートにも通常モデルと比べて高級な素材を使用することが多く、質感も向上している。AMGのロゴが入ったスピードメーターは300km/h以上刻まれているが、実際には一般の欧州車同様250km/hでスピードリミッターがかかる。ドイツ本国では有償オプション扱いでリミッターを外すことも可能だが、その場合は使用するタイヤをはじめとして、コンディションを厳格に維持することが求められる。日本においては、モデルによって追加オプションで最高速度の引き上げが可能となっている。

C36 AMG以降、トランクリッド右側に位置していたAMGエンブレムだが、「メルセデス-AMG」のサブブランド立ち上げに際してAMG GTより左側に変更された[3]。以降、各モデルもフェイスリフトやモデルチェンジに併せて変更されると思われる。また、最近のモデルでは、フロントグリル内にもAMGエンブレムを配置させている。

AMGは創業以来から長らく、FRの車両のみにAMGモデルを発表し、SUV以外での4WDのAMGモデルや、FFのクラスにはAMGモデルは用意されてなかったが、2013年にEクラスがマイナーチェンジしたことに伴い、初めてセダン/ステーションワゴン タイプで4WDのAMGモデルであるE63 AMG 4MATICを発表した。 また近年、FFベースの4WDであるA45/CLA45/GLA45 AMG 4MATICが発表され、さらに、旗艦モデルSクラスにも、S63AMG 4MATICが追加発表されるなど、精力的に4WD車を展開している。

AMGスポーツ[編集]

AMGは2015年1月の北米国際自動車ショーにて、新ラインナップである、AMGスポーツを発表した。AMGスポーツは、メルセデスベンツのオプショングレードであるAMGスポーツパッケージ/AMGラインとメルセデス-AMGモデルの間に位置し、メルセデス-AMGモデルほどの高性能は必要ないユーザー向けに開発された[4]アウディのSシリーズ、BMWのMパフォーマンスに対抗するものとみられる。強化された足回り、ベースモデルより出力を上げたエンジン、AMGスポーツ専用のエクステリアを装備し、車名の数字は3桁となる。ラインナップは現時点でGLE450とC450だが、各クラスに今後設定されることが予想される。なお、日本国内への導入は、2015年3月時点で未定である。

日本における現行車種[編集]

SL65 AMG と S65 AMG ロング
C63 AMG クーペ
S55 AMG

現在日本で販売されている車種は下の通りである。欧州にはこれ以外のバージョンやディーゼルエンジン搭載のモデルも存在する。現在では、主力は「63系」のエンジンであり、AMGモデルのほとんどを占めている。 基本的に同じ「系」に属す車種には同じエンジンが搭載されているが、過給器の有無や出力の違いがある。また2014年に発表されたW205型メルセデス-AMG C63で4.0Lツインターボエンジンを搭載しているなど排気量と一致しなくなってきている。

日本国内においては、左ハンドル仕様のみとした設定が長らく続けられてきており、現在もE63ステーションワゴン・CLS63(4MATIC車のみ)・CLS63 シューティングブレーク・G65・G63・GL63・S65クーペ・S63クーペ・S65・SL65・SL63は左ハンドル仕様のみであるが、最近ではC63セダン・C63クーペ・CLS63・E63セダン・S63では左右の選択が可能になり、逆にA45・CLA45・GLA45・C63ステーションワゴン・ML63では右ハンドル仕様のみにされたりと、ラインアップの構成に変化が生じている。

車種 ステアリング 駆動方式 排気量・エンジン エンジン型式 最高出力/最大トルク 現行ベース車両
65系
S65 ロング FR 6.0L V型12気筒SOHCツインターボ M279 630ps/102.0kg·m Sクラス W222型
S65 クーペ Sクラスクーペ C217型
SL65 SLクラス R231型
G65 4WD 612ps/102.0kg·m Gクラス W463型
63系
S63 ロング FR 5.5L V型8気筒DOHCツインターボ M157 585ps/91.8kg·m Sクラス W222型
S63 4MATIC ロング 4WD
S63 4MATIC クーペ Sクラスクーペ C217型
SL63 FR SLクラス R231型
CLS63 S 585ps/81.6kg·m CLSクラス C218型/X218型
CLS63 S 4MATIC
CLS63 S 4MATIC シューティングブレーク
4WD
E63 S FR 585ps/81.5kg·m Eクラス W212型/S212型
E63 S 4MATIC
E63 S 4MATIC ステーションワゴン
4WD
E63 FR 557ps/73.4kg·m
E63 4MATIC
E63 4MATIC ステーションワゴン
4WD
GL63 557ps/77.5kg·m GLクラス X166型
G63 544ps/77.5kg·m Gクラス W463型
ML63 525(557)ps/71.4(77.5)kg·m Mクラス W166型
C63
C63 ステーションワゴン
C63 S
C63 S ステーションワゴン
FR 4.0L V型8気筒DOHCツインターボ M177 (C63)476ps/66.2kg·m
(C63 S)510ps/71.3kg-m
Cクラス W205型/S205型
55系
SLK55 FR 5.5L V型8気筒DOHC M152 422ps/55.1kg·m SLKクラス R172型
45系
A45 4MATIC 4WD 2.0L 直列4気筒DOHC直噴ターボ M133 360ps/45.9kgm Aクラス W176型 
CLA45 4MATIC CLAクラス C117型
GLA45 4MATIC GLAクラス X156型
AMG独自開発モデル
GT
GT S
FR 4.0L V8気筒ツインターボ M178 (GT)462ps/61.2kgm
(GT S)510ps/66.3kgm
ベース車両は存在せず
括弧内はパフォーマンスパッケージ装備時


車種 駆動方式 排気量・エンジン エンジン型式 最高出力/最大トルク 現行ベース車両
GLE450 AMG 4WD 3.0L V型6気筒ターボ 367ps/52.8kgm GLEクーペ
C450 AMG 4MATIC
C450 AMG 4MATICステーションワゴン
4WD 3.0L V型6気筒ターボ 367ps/52.8kgm Cクラス W205型

脚注[編集]

  1. ^ 日本ではしばしば「アーマーゲー」と誤読されるが、メーカーでは英語読みを指定しており、もしドイツ語読みするとしても「アーエムゲー」である。日本で誤読されるようになった諸説のひとつが、漫画の「シャコタン☆ブギ」の中で、ブリスターワイドボディを装備したAMG560SEC6.0-4Vが登場し、この漫画の登場人物が「AMG(アーマーゲー)」のセリフを語ったものが広まったとするもの。
  2. ^ AMG Official Website はじまり
  3. ^ メルセデス・マイバッハの車種でも同様のことがいえるほか、DTM車両でも2015年より同様の処理がなされている。
  4. ^ 【デトロイトモーターショー15】メルセデス-AMG 、新型 Cクラス の「AMGスポーツ」を予告

関連項目[編集]

外部リンク[編集]