辞源
辞源 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 辭源 |
簡体字: | 辞源 |
拼音: | Cíyuán |
発音: | ツーユアン |
日本語読み: | じげん |
『辞源』(じげん)は、陸爾奎(りくじけい)が中心になって編纂され、1915年に上海商務印書館から初版が出版された大型の部首引き中国語の辞典。中国最初の近代的な辞典であり、従来の『康熙字典』のような字典でなく、熟語を含む「辞典」である点に特徴がある。
中華人民共和国では古語専用の辞典として生き残った。
特徴
『辞源』は『康熙字典』の214部首と画数を採用して親字を並べ、下にその字ではじまる単語をやはり部首画数順に並べている。第3版では親字14210、熟語92646が収録されている[1]。収録語彙は原則として阿片戦争以前のものに限られる[2]。
現代の中華人民共和国で出版されている版は左横書きだが繁体字で書かれている。
親字の発音は、ピンイン・注音符号・反切の3種類で表記されている。反切は初版では『音韻闡微』のものを使用していたが、現在は『広韻』のものが使われている。また四声と(『広韻』の)韻目・三十六字母も明示されている。熟語には特殊な読みをするもの以外、発音はついていない。
『辞源』第2版の説明によれば、以下のような特徴があるという。
歴史
『辞源』は清末の1908年に編纂を開始し、1915年に初版が出版された[3]。
その後、1931年に方毅(ほうき)等によって続編が出版され、新語3万ほどが追加された[2]。1939年には正編と続編を合わせた合訂本が香港で出版された。合訂本は全4冊で、親字11204・熟語87790を収録していた[2]。1949年には一般向けに熟語数を減らした簡編が出版された[3]。
中華人民共和国では中華書局の『辞海』との差別化をはかるために、『辞源』からは現代語が除かれて古籍専用の辞典に変化した。中華人民共和国での最初の版は1958年に作業をはじめ、意見募集用稿本の第1分冊が1964年に出版されたが、文化大革命によって事業は中断した。1979年から1983年までかけて修訂版全4冊の出版が完了した[2]。
『辞源』初版の誕生から百周年にあたる2015年に第3版が出版された[4]。全2冊。紙の辞典以外にオンライン版とUSB版も同時に発売された[1]。