当事者
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当事者(とうじしゃ)とは、起きている問題を現場で直に体験し、影響を受けている個人のことをいう。対義語は第三者。
法律用語としての「当事者」
法律用語としては、主に民事法において用いられる。ここでの起きている問題とは事件や紛争などの出来事を、また直に体験したとは主体として関わった人物も指す。
民事実体法
当事者の主観的状態が意思表示(法律行為)の効力に影響を及ぼす場合がある。(錯誤、詐欺、強迫など)。また、当事者間では有効な法律行為でも、対抗要件の具備を怠ると第三者に対抗できない場合もある(民法第177条など)。
民事訴訟法
「その名において訴え又は訴えられた者」と定義される(形式的当事者概念)。訴訟要件の判断や既判力の主観的範囲を決定するために、当事者が誰かを確定する必要が生じる(当事者の確定)。諸説あるが,訴状に記載された者を基本的に当事者とすべきとする説(表示説)が通説的な見解である。ただし訴状に記載された当事者の名前が架空人のものであったり、本来無関係な第三者のものであった場合(氏名冒用訴訟)には、具体的に法廷において当事者として振る舞った者の行動を基準として訴訟指揮が行われる場合もある。
当事者たりうる一般的な資格のことを当事者能力という。実体法上権利能力を有すれば当事者能力を有するが、そうでなくとも当事者能力が肯定される場合がある(法人格のない社団及び法人格のない財団、民事訴訟法第29条)。
関連する法律用語
福祉用語としての「当事者」
福祉分野で使われるときは、起きている問題とは何らかの社会問題である。広義ではその家族や支援者も含めるが、社会問題をかかえる本人を指していることが多い。
障害が問題の現場で使用されることが多いが、難病や暴力・犯罪被害などに広く用いられる。この分野の研究は当事者研究と呼ばれ、当事者が主に自助のために作っている当事者団体を介して行われることが多い。