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わたしは最悪。

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わたしは最悪。
Verdens verste menneske
監督 ヨアキム・トリアー
脚本
製作
製作総指揮
  • ダイベック・ビョルクリー・グレーバー
  • トム・キーセス
出演者
音楽 オーラ・フロッタム
撮影 カスパー・アンデルセン
編集 オリビエ・ブッジ・クーテ
製作会社
配給
  • ノルウェーの旗 SFスタジオズ
  • フランスの旗 メメント・ディストリビューション
  • スウェーデンの旗 トライアート・フィルム
  • 日本の旗 ギャガ
公開
  • フランスの旗 2021年7月8日 (CIFF)
  • フランスの旗 2021年10月13日
  • ノルウェーの旗 2021年10月15日
  • スウェーデンの旗 2021年11月19日
  • 日本の旗 2022年7月1日
上映時間 128分[1]
製作国
言語 ノルウェー語
製作費 €5,000,000
($5,600,000)[4]
興行収入 $9.1 million[5]
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わたしは最悪。』(わたしはさいあく、ノルウェー語: Verdens verste menneske)は、2021年ノルウェーダークロマンティックコメディドラマ映画[6][7]。監督はヨアキム・トリアー、出演はレナーテ・レインスヴェ英語版アンデルシュ・ダニエルセン・リー英語版など。『リプライズ英語版』(2006年)と『オスロ、8月31日英語版』(2011年)から続くトリアー監督の「オスロ三部作」の第3作である。プレミア上映は第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で行われ、レナーテ・レインスヴェ英語版女優賞を受賞した[8][9]第94回アカデミー賞には国際長編映画賞脚本賞にノミネートされた[10]

ストーリー

まもなく30歳を迎えるユリヤはかつて成績優秀なだけで医学部に進学し、自分の興味は肉体でなく魂だと気づいて心理学に転向し、自分は視覚の人間だと閃いて写真家を志望する。そして、書店のバイトと写真の勉強を始めたユリヤは、コミック作家のアクセルと出会って恋に落ち同棲を始める。 ところが、売れっ子作家で10歳以上年上の彼との間に埋められない溝と孤独を感じ始めたユリヤは、偶然知り合った同世代の男アイヴィンと意気投合して気になり始め、更にユリヤが働く書店で二人は再会する。彼はオープンベーカリーで働いていて、その店に誘われたユリヤはときめきと罪の意識の狭間で思い悩む。 その翌朝、ユリヤが電気のスイッチを押した瞬間、自分以外の全ての時が止まり、彼女は街中を走り抜けてアイヴィンの店へと向かう。一夜を彼と過ごし帰宅したユリヤがスイッチに触れると時間が動き始め、彼女はアクセルに別れ話を切り出した。 アイヴィンには恋人がいたが、環境保護活動に傾倒する彼女に疲れ始めた頃にユリヤと出会っていた。ユリヤはアイヴィンと暮らし始め、彼といると無理しない自然体でいられると幸せを実感している。ところがある日、ユリヤが働く書店にアクセルの兄がやってきて、彼からアクセルがすい臓がんで余命僅かと聞いて衝撃を受ける。 ユリヤは体調の変化を感じて妊娠検査薬を使い、その結果は陽性だったが、そのことをアイヴィンに告げられないまま、ユリヤはアクセルの病院に向かう。明日が手術だという彼は「君は生涯の恋人。君は最高だ」と言い、ユリヤは妊娠を打ち明け、迷っていることを話す。 外出許可をもらったアクセルはかつて住んでいたアパートにユリヤを案内し「君と幸せに生きたい」と本音を吐露するが、その後、アクセルの容態が急変し明日まで持たないと連絡が入る。ユリヤはただ泣くことしかできなかった。そして流産してしまう。 時は流れ、ユリヤはスチールカメラマンの職に就き、映画撮影の現場にいる。仕事を終えた女優を迎えに来たのは、赤ちゃん連れのアイヴィンだった。自室に帰ったユリヤは、パソコンに向かって淡々と写真のチェックをする。

キャスト

公開

MK2フィルムズは2021年2月にこの映画の配給契約を獲得した[11]。ワールド・プレミアは2021年7月7日に第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で行われ、パルム・ドールを争った[12][13][14]。その1週間後、アメリカ合衆国での配給権をネオン、インド、イギリス、アイルランドでの配給権をムビ英語版が獲得した[15][16]

北米プレミアは2021年9月11日に第46回トロント国際映画祭のガラ・プレゼンテーションで行われた[17][18][19]。フランスでは2021年10月13日にメメント・ディストリビューション、ノルウェーでは2021年10月15日にSFスタジオズ、スウェーデンでは2021年11月19日にトライアート・フィルムによって劇場公開された[20][21][22]

批評家の反応

レビュー集積サイトのRotten Tomatoesでは196件のレビューで支持率は96%、平均点は8.6/10となり「『わたしは最悪。』はヨアキム・トリアーのオスロ三部作をこのジャンルのよくある常識を楽しく覆すロマンティック・コメディで締めくくった」とまとめられた[23]Metacriticでは41件のレビューに基づいて加重は90/100と示された[24]

ガーディアン』のピーター・ブラッドショウ英語版は「カンヌのベストの1本」、「インスタント・クラシック」と評した[25]。『ヴァニティ・フェア』のリチャード・ローソンは「絶妙で、切ない(そしてまさに悲しい)」と評した[26]。また『ヴァニティ・フェア』と『アトランティック』は2021年のベスト映画として本作を挙げた[27][28]

受賞とノミネート

映画祭・賞 授賞式 部門 候補 結果 参照
カンヌ国際映画祭 2021年7月17日 パルム・ドール ヨアキム・トリアー ノミネート [29]
女優賞 レナーテ・レインスヴェ英語版 受賞
ゴッサム・インディペンデント映画賞 2021年11月29日英語版 国際作品賞 『わたしは最悪。』 ノミネート [30]
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 2021年12月3日 外国語映画トップ5 受賞 [31]
ニューヨーク映画批評家協会賞 2021年12月3日 外国語映画賞 受賞 [32]
ワシントンD.C.映画批評家協会賞 2021年12月6日英語版 外国語映画賞 ノミネート [33]
ヨーロッパ映画賞 2021年12月11日英語版 脚本賞 ヨアキム・トリアー ノミネート [34]
女優賞 レナーテ・レインスヴェ ノミネート
シカゴ映画批評家協会賞 2021年12月15日英語版 外国語映画賞 『わたしは最悪。』 ノミネート [35]
ロサンゼルス映画批評家協会賞 2021年12月18日 主演女優賞 レナーテ・レインスヴェ 次点 [36]
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞 2021年12月20日英語版 外国語映画賞 『わたしは最悪。』 次点 [37]
EDA賞 2022年1月 ブレイクスルー演技賞 レナーテ・レインスヴェ ノミネート [38]
デアリング演技賞 ノミネート
全米映画批評家協会賞 2022年1月8日 主演女優賞 レナーテ・レインスヴェ 次点 [39]
助演男優賞 アンデルシュ・ダニエルセン・リー英語版 受賞
ベルギー映画批評家協会賞英語版 2022年1月8日 グランプリ英語版 『わたしは最悪。』 受賞 [40]
サンディエゴ映画批評家協会賞 2021年1月10日英語版 国際映画賞 ノミネート [41]
サンフランシスコ・ベイエリア映画批評家協会賞 2022年1月10日英語版 外国語映画賞 ノミネート [42]
オースティン映画批評家協会賞 2022年1月11日英語版 国際映画賞 ノミネート [43]
トロント映画批評家協会賞 2022年1月16日英語版 外国語映画賞 次点 [44]
シアトル映画批評家協会賞英語版 2022年1月17日英語版 非英語映画賞 ノミネート [45]
主演女優賞 レナーテ・レインスヴェ ノミネート
ヒューストン映画批評家協会賞 2022年1月19日英語版 外国語映画賞 『わたしは最悪。』 ノミネート [46]
オンライン映画批評家協会賞 2022年1月24日英語版 作品賞 ノミネート [47]
主演女優賞 レナーテ・レインスヴェ ノミネート
外国語映画賞 『わたしは最悪。』 ノミネート
ロンドン映画批評家協会賞 2022年2月6日英語版 主演女優賞 レナーテ・レインスヴェ ノミネート [48]
外国語映画賞 『わたしは最悪。』 ノミネート
セザール賞 2022年2月25日英語版 外国映画賞 ノミネート [49]
クリティクス・チョイス・アワード 2022年3月13日英語版 外国語映画賞 ノミネート [50]
英国アカデミー賞 2022年3月13日 主演女優賞 レナーテ・レインスヴェ ノミネート [51]
非英語作品賞 『わたしは最悪。』 ノミネート
アカデミー賞 2022年3月27日 脚本賞 エスキル・フォクト、ヨアキム・トリアー ノミネート [52][53]
国際長編映画賞 ノルウェー ノミネート
サテライト賞 2022年4月2日英語版 外国語映画賞 『わたしは最悪。』 ノミネート [54][55]
コメディ・ミュージカル映画主演女優賞 レナーテ・レインスヴェ ノミネート

出典

  1. ^ The Worst Person in the World (2022)”. Irish Film Classification Office. 19 March 2022閲覧。
  2. ^ The Worst Person in the World”. MK2 Films. 26 December 2021閲覧。
  3. ^ The Worst Person in the World (Verdens Verste Menneske)”. Cineuropa. 26 December 2021閲覧。
  4. ^ MK2 Boards Joachim Trier's 'The Worst Person in the World'”. Variety. 24 February 2022閲覧。
  5. ^ The Worst Person in the World (2021)”. Box Office Mojo. 20 March 2022閲覧。
  6. ^ MK2 Films Seals Pre-Sales on Joachim Trier's New Film; Unveils First Still”. Variety (26 February 2021). 3 June 2021時点のオリジナルよりアーカイブ3 June 2021閲覧。
  7. ^ Mintzer, Jordan (8 July 2021). “'The Worst Person in the World': Film Review | Cannes 2021”. The Hollywood Reporter. 15 July 2021閲覧。
  8. ^ Cannes' Palme D'Or goes to Titane”. Cineuropa. 18 July 2021閲覧。
  9. ^ Cannes Film Festival 2021: Full Winners List”. Asia Tatler (18 July 2021). 18 July 2021閲覧。
  10. ^ Oscars: Full List of Nominations”. The Hollywood Reporter. 8 February 2022閲覧。
  11. ^ Keslassy, Elsa (26 February 2021). “MK2 Films Seals Pre-Sales on Joachim Trier's New Film; Unveils First Still (EXCLUSIVE)”. Variety. 15 July 2021閲覧。
  12. ^ Cannes Film Festival 2021 Lineup: Sean Baker, Wes Anderson, and More Compete for Palme d'Or”. IndieWire. 7 July 2021時点のオリジナルよりアーカイブ3 June 2021閲覧。
  13. ^ Roxborough, Scott (3 June 2021). “Sean Penn, Wes Anderson, Sean Baker, Ildikó Enyedi Join 2021 Cannes Lineup”. The Hollywood Reporter. ISSN 0018-3660. オリジナルの17 June 2021時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210617211524/https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/2021-cannes-lineup-1234961248/ 9 July 2021閲覧。 
  14. ^ Meet the team from the film Verdens Verste Menneske (The Worst Person in the World) by Joachim Trier”. Festival de Cannes 2021 (9 July 2021). 15 July 2021時点のオリジナルよりアーカイブ15 July 2021閲覧。
  15. ^ Neon Buys Joachim Trier's 'Worst Person in the World' Out of Cannes”. Variety (16 July 2021). 16 July 2021閲覧。
  16. ^ Wiseman, Andreas (16 July 2021). “Cannes Buzz Pic 'The Worst Person In The World' Sells To MUBI In UK After Auction”. Deadline Hollywood. 16 July 2021閲覧。
  17. ^ Rubin, Rebecca (20 July 2021). “Toronto Film Festival Lineup Adds 'Dear Evan Hansen,' 'The Eyes of Tammy Faye' and 'Clifford the Big Red Dog'”. Variety. 20 July 2021閲覧。
  18. ^ The Worst Person In The World”. TIFF. 17 September 2021閲覧。
  19. ^ TIFF 2021: The Worst Person in the World, Arthur Rambo”. The Sunbreak (14 September 2021). 17 September 2021閲覧。
  20. ^ Julie (en 12 chapitres) | en salles le 13.10.21” (フランス語). Memento Distribution. 26 December 2021閲覧。
  21. ^ "FilmfestivalFilmfestivalen i Cannes: Joachim Trier i hovedkonkurransen med Verdens verste menneske" (Press release) (ノルウェー語). SF Studios. 3 June 2021. 2021年12月26日閲覧
  22. ^ Sarman, Eva (14 November 2021). “Världens värsta människa” (スウェーデン語). Filmeye.se. 26 December 2021閲覧。
  23. ^ The Worst Person in the World”. Rotten Tomatoes. 2022年3月24日閲覧。
  24. ^ The Worst Person in the World”. Metacritic. 2022年3月24日閲覧。
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  26. ^ "'The Worst Person in the World' Is the Best Film at Cannes So Far". Vanity Fair. 10 July 2021. 2021年7月15日閲覧
  27. ^ Lawson, Richard (1 December 2021). "The 10 Best Movies of 2021". Vanity Fair. 2021年12月9日閲覧
  28. ^ Sims, David (7 December 2021). “The 10 Best Films of 2021”. The Atlantic. 9 December 2021閲覧。
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  31. ^ Sharf, Zack (2 December 2021). “National Board of Review Winners 2021: 'Licorice Pizza' Takes Best Picture and Best Director”. IndieWire. 3 December 2021閲覧。
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  34. ^ Roxborough, Scott. “'Titane', 'Hand of God' Among European Film Awards Nominees”. The Hollywood Reporter. 9 November 2021閲覧。
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  48. ^ Yossman, K.J. (16 December 2021). “Female Filmmakers Shine at London Critics' Circle Film Awards With Nominations for Jane Campion, Maggie Gyllenhaal and Joanna Hogg”. Variety. 16 December 2021閲覧。
  49. ^ Tartaglione, Nancy (26 January 2022). “César Awards Nominations: 'Lost Illusions', 'Annette', 'Aline' Dominate; 'Titane' Shut Out Of Best Film Race – Full List”. Deadline. 27 January 2022閲覧。
  50. ^ Hammond, Pete (13 December 2021). “Critics Choice Awards Film Nominations Led By 'Belfast' And 'West Side Story'”. Deadline Hollywood. 13 December 2021閲覧。
  51. ^ Grater, Tom (3 February 2022). “BAFTA Film Awards: 'Dune' & 'The Power Of The Dog' Lead Nominations”. Deadline. 3 February 2022閲覧。
  52. ^ Oscars: Full List of Nominations”. The Hollywood Reporter (8 February 2022). 8 February 2022閲覧。
  53. ^ 2022 Oscar Winners: Complete List”. The Hollywood Reporter (27 March 2022). April 24, 2022閲覧。
  54. ^ Anderson, Erik (1 December 2021). “'Belfast,' 'The Power of the Dog' lead 26th Satellite Awards nominations”. AwardsWatch. 1 December 2021閲覧。
  55. ^ 2021 Winners”. International Press Academy. April 24, 2022閲覧。

関連項目

外部リンク