ドイツ語技能検定試験
ドイツ語技能検定試験 | |
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略称 | 独検 |
実施国 | 日本 |
資格種類 | 民間資格 |
分野 | 語学 |
試験形式 | 筆記 |
認定団体 | 財団法人ドイツ語学文学振興会 |
認定開始年月日 | 1992年 |
等級・称号 | 1級~5級 |
公式サイト |
www |
特記事項 | ドイツ語表記: Diplom Deutsch in Japan |
ウィキプロジェクト 資格 ウィキポータル 資格 |
ドイツ語技能検定試験(ドイツごぎのうけんていしけん、ドイツ語: Diplom Deutsch in Japan)は、財団法人ドイツ語学文学振興会が実施する、日本語話者向けのドイツ語の検定試験。独検と略される。1992年から始まった。
級
[編集]級 | レベル | 語彙数 | CEFR |
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1級 | 数年以上、恒常的にドイツ語に触れており、専門的な内容も理解できる | — | C1以上 |
準1級 | 数年以上、恒常的にドイツ語に触れている | 5,000 | B2 |
2級 | 学習180時間、日常生活において不自由なくドイツ語を使える | 3,000 | B1 |
3級 | 学習120時間、簡単な会話・文章が理解できる | 2,000 | A2 |
4級 | 学習60時間、初歩的文法理解 | 1,000 | A1/2 |
5級 | 学習30時間、初歩的文法理解 | 550 | A1/1 |
ドイツ語技能検定試験の各級の検定基準は、次の通りである[1][2]。
- 1級(Höchststufe):①標準的なドイツ語を不自由なく使え、専門的なテーマに関して書かれた文章を理解し、それについて口頭で意見を述べることができる。②複雑なテーマに関する話やインタビューの対話などの内容を正確に理解できる。③複雑な日本語の文章をドイツ語に、ドイツ語の文章を日本語に訳すことができる。
- 準1級(Oberstufe):①ドイツ語圏における生活に対応できる標準的なドイツ語を充分身につけている。②新聞などの比較的複雑な記事や論述文などを読むことができる。③自分の体験などについて、詳しく話し、社会的・実用的なテーマについて口頭で自分の考えを述べることができる。④比較的長い文章の要点を聞き取り、短い文章を正しく書くことができる。
- 2級(Mittelstufe):①ドイツ語の文法や語彙についての充分な知識を前提に、日常生活に必要な会話や社会生活で出会う文章が理解できる。②やや長めの文章を理解し、内容についての質問に答えることができる。③具体的・抽象的なテーマについてのインタビューや短い記事の内容を聞き取ることができる。④短いドイツ語の文を正しく聞き取ることができる。
- 3級(Grundstufe):①ドイツ語の初級文法全般にわたる知識を前提に、簡単な会話や文章が理解できる。②基本的なドイツ語を理解し、ほとんどの身近な場面に対応対応できる。③簡単な内容のコラムや記事などの文章を読むことができる。④短い文章の内容を聞き、簡単な質問に答え、重要な語句や数字を書き取ることができる。
- 4級(Anfängerstufe):①基礎的なドイツ語を理解し、初歩的な文法規則を使って、日常生活に必要な表現や文が運用できる。②家族、学校、職業、買い物など身近な話題に関する会話ができる。③簡単な手紙や短い内容が理解できる。④比較的簡単な文章の内容を聞き、質問に答え、重要な語句や数字を書き取ることができる。
- 5級(Elementalstufe):①初歩的なドイツ語を理解し、日常生活でよく使われる簡単な表現や文が運用できる。②挨拶の表現が適切に使える。自分や他人を簡単に紹介することができる。③広告やパンフレットなどの短い文の中心的な内容が理解できる。④必要に応じて簡単な数字やキーワードを書き取ることができる。
級の改定の歴史
[編集]準1級と5級は2008年度秋期から増設された。ただし、準1級とは従来の2級のことで、試験の形式に若干の変更を加えたものであるため、実際に増設されたのは、従来の2級よりも難易度の低い新2級ということになり、新2級の増設の目的は、3級と旧2級のレベルの差の緩和にある[3][4]。5級増設の目的は、最初歩レベルの設置[5]。ドイツ語技能検定試験における2級から準1級への改称と、旧2級と3級との間に新2級を設置したのは、実用英語技能検定において、1987年に新設された準1級は1級と2級との間の、1994年に新設された準2級は2級と3級との間の、それぞれの中間レベルの級として新設された事例と比較すると、かなり対照的である。CEFRの対応関係では、独検と英検は2級以上は同じであるが、独検3級は英検準2級に相当する。
1級・準1級の二次口述試験
[編集]1級・準1級(従来の2級)の二次口述試験は、次の方法で行われる[6]。
- 1級の二次口述試験の評価基準は、①発音とイントネーション、②文章構成能力、③テーマに即して意見を述べる能力、④ドイツ語コミュニケーション能力の4つである。ドイツ語を母語とする試験委員による質問で試験は進行し、その質疑に立ち会う日本人試験委員も独自に採点する。この口述試験の評点と一次試験の得点を総合して、独検審査委員会が1級の最終合否を判定する。
- 準1級の二次口述試験の実施方法は、例年、ドイツ語を母語とする面接委員と日本人面接委員の2名で審査チームを作り、受験者を1人ずつ試験室に招き入れて質問をする。準1級の審査対象となるドイツ語能力は、①発音とイントネーション、②文章構成能力、③描写能力、④コミュニケーション能力の4つである。試験の質問を担当するドイツ語を母語とする面接委員と、その質疑応答に立ち会う日本人面接委員が、それぞれ立場で採点する。この口述試験の評点と一次試験の得点を総合して、独検審査委員会が準1級の最終合否判定を行う。
独検審査委員会は、ドイツ語学文学振興会理事、ゲーテ・インスティトゥート代表、ドイツ大使館文化部代表、オーストリア大使館文化部代表、スイス大使館文化部代表、独検出題委員会委員長、独検出題委員会副委員長(以上19名)で構成する。
日程および受験地
[編集]ほぼ日本全国の主要な都市で受験することが出来る[7]。1992年から1994年までは秋期試験のみの年1回だったが、1995年6月に春期試験も始まり、年2回になった。2008年秋期から、下記のとおり実施されている。
- 春期:5・4・3・2級
- 秋期:5・4・3・2・準1・1級
脚注及び参照
[編集]- ^ (財)ドイツ語学文学振興会編『独検過去問題集 2011年版[2010年度実施分掲載] 2級・準1級・1級』(郁文堂、2011年5月発行)からの引用による。
- ^ (財)ドイツ語学文学振興会編『独検過去問題集 2011年版[2010年度実施文掲載] 5級・4級・3級』(郁文堂、2011年5月発行)からの引用による。
- ^ (財)ドイツ語学文学振興会編『独検過去問題集 2011年度[2010年度実施文掲載]』(郁文堂、2011年5月発行)の「まえがき -中級・上級レヴェルのドイツ語学習者の皆さまへ-」(財団法人 ドイツ語学文学振興会執筆)によれば、「増設した受験級は5級ならびに準1級の二つですが、前者は純然たる「新設級」であると言ってよいのに対し、後者については少し説明が必要でしょう。発足当初から四つの受験級で実施してきた「旧体制」では、2級と3級との難易度の差が大きすぎる(いわば2級のハードルが高すぎる)、との問題点が指摘されておりました。この点を改善するべく、私どもは従来の2級と同等レヴェルの級として新しく準1級を設置し、これに伴って「新体制」における2級は難易度を下げ(つまり敷居を低くし)て実施することにいたしました。同時に、従来は1級・2級について行っていた二次(面接)試験についても、「新体制」では1級・準1級で実施することとし、この機会に準1級の二次試験の内容充実をも図ることにいたしました。「新体制」においては、全六級のうち1級と準1級が年一回、2級以下の四つの級は年二回の実施となりました。」と記載されている。
- ^ 『Diplom Deutsch in Japan ドイツ語技能検定試験 独検 2011 Frühjahr 春 2級3級4級5級』(財団法人ドイツ語学文学振興会 独検事務局、2011年3月発行)の12頁の「試験の結果について」の「証明書」の「②その他」によれば、「2007年度までに2級を取得された方を対象に申請者には«取得済みの2級は2008年度以降の準1級と同等のレヴェルである»旨の証明書を発行する」と記載されている。
- ^ (財)ドイツ語学文学振興会編『独検過去問題集 2009年版[2008年度実施分掲載] 5級・4級・3級』(郁文堂、2009年5月発行)の「まえがき -ドイツ語技能検定試験にチャレンジなさる皆さまへ-」(財団法人、ドイツ語学文学振興会執筆)の「付記」によると、「4級・3級のレヴェルに変更はありませんし、5級は純然たる「新設級」なので、本書のご利用に際して戸惑われることはないと思いますが、とくにドイツ語の学習に取り組み始めて間もない方々が気軽に「力試し」をしていだたけるように、と考えて最初歩の級を設置いたしました。」となっている。
- ^ (財)ドイツ語学文学振興会編『独検過去問題集 2011年版[2010年度実施文掲載] 2級・準1級・1級』の1級・準1級の「二次口述試験」からの引用による。
- ^ 独検事務局の配布する実施要項によると、2012年秋試験で予定されている試験場は以下の都市である。一次試験;札幌市、八戸市、仙台市青葉区、新潟市西区、金沢市、宇都宮市、前橋市、松本市、東京都世田谷区、足立区、千代田区、新宿区、練馬区、横浜市港北区、川崎市多摩区、三島市、名古屋千種区、大阪市住吉区、西宮市、奈良市、岡山市北区、東広島市、松山市、山口市、福岡市城南区、長崎市、熊本市中央区、鹿児島市、中頭群西原町。二次試験;札幌、東京、大阪、広島、福岡。具体的な試験会場は一次試験の合格通知に記載される。
関連項目
[編集]- 全国通訳案内士 - 本検定の1級を取得すると一部科目免除が得られる
- 日本の語学に関する資格一覧